第45話 捜索開始
SATと猟友会の凄腕が揃い
「部隊長。全員の配置完了致しました。すぐにでもキテン捜索及び討伐作戦を開始で来ます」
部隊員はキビキビと部隊へ報告を行い次の命令を待つ。
チラッと目をやった時計は23:45。
「ご苦労、少し早いが23:50より作戦開始を命じる」
その号令により配置されている部隊員及び猟友会へ伝達。作戦の開始が伝えられる。
「すまないね、霧崎さん。これも仕事だ」
「何か言われましたか?」
「いや、1人言だ気にしないでくれ。」
大槻部隊長はそう言って部下をたしなめ、作戦開始まで集中力を高めていく。
“パッーン”
山奥から銃声が鳴り響いた、その銃声は山の麓まで来ているみこと達にも聞こえていた。
「少し早いですね。もう見つかったのでしょうか。」
木崎の問いかけに対してみことは顔色を変えずに答える。
「ブラフでしょうね。きっと
「でも、
「いえ、私が遭遇した彼はこの暗闇より深い漆黒のそれよ。」
周平の問いかけにも即答した、みことは今のキテンがどうしてあの色なのか分かってはいた。
後は、自分の考えたら方法で解決できるか。
「どちらにしても時間勝負ね」
みこと達は山に入り走りながら会話をしていた。
周平はかなり呼吸がキツそうである。
「でっでも、どうやって、探すんですか」
周平はなんとか声を出して問いかけた。
その時、みことの携帯が鳴った。
「ヤッホーみことちゃん。元気してたかい」
声の主は新堂奏であった。
「軽口たたかないで」
みことはいつも軽い感じの奏に対して圧をかける。
「そんな事言っていいのかな?奏ちゃんを頼ったみことちゃん」
奏はみことの発言を軽く躱し話を続ける。
「で、どうなの?上手くいきそう?」
「いや、普通無理っしょ」
電話してきたのだから、みことは少し期待していたようで心なしか肩を落としたように見えた。
「みことちゃん達がいるのは本州の外れ、陸の孤島と呼ばれる紀伊半島の端、一時間足らずで東京から、しかも遠隔で探索出来るわけない」
「そう。」
「そう、たった1時間ではね。」
奏での言い方にみことは違和感を覚えた。
一時間なら?ではもっと時間があれば可能なだろうかと。
「もっと早く頼れば良かったわね」
「ほんと、そう。私もあれっ?これ無駄じゃないよねって何度思ったか」
「ねぇ、奏、先から言ってる事がよく分からないんだけど」
「うん?そうかな、って、最初の事件から二つの異能の波動を追い続けてたんだから」
「えっ、それって」
「最初のホテルでの事件、工藤所長に報告したでしょ。で、念の為みことの異能の波動を頼りに周りを調べて見たのよ。そしたらみことちゃんとは別の超微弱な異能の兆候を検知したから、一応みことちゃんを追跡しながらそっちも探してたのよ」
「
「奏、ありがとう」
「私を誰だと思ってるの?千里眼新堂奏よ、この世界にある限り必ず見つけ出すわ」
「じゃ、居場所は」
「特定済み、今スマホに座標送るわ」
新堂奏からの情報により一気に
そこは、山の頂上付近の平らになった場所で暗い森の中にポツンと社が建っていた。
「雰囲気ありますね」
周平が呟いたようにそこは何処と無く厳かな、神秘的な雰囲気を醸し出していた。
「そうね。彼は霊獣だしこういう場所が好きなんでしょ」
「好きで此処にいるわけではない。」
みことが軽口を叩いた時に、第三者の声が三人の脳に響いた。
姿を表したのは紛れも無く、前回みことが遭遇した
「大きいですね、想像以上に」
木崎はキテンの巨大さに舌を巻く。
体高だけでゆうに3mはあり見上げるように彼の顔を拝む。
「して、人間、再び現れ我をどうする気だ。」
「私黒より実は白の方が好きなの。それにこの姿だと私と被ってるし。」
みことは、例の如く漆黒のローブに身を包みながら返答をする。
「だからって訳じゃない無いけど、私は
「我を助けるだと、笑わせてくれるな。では、この取り囲んでいる一団はなんだ」
みことはキテンの言葉にハッとして周りを見回す。
「みことさん、マズイですね完全に包囲されてます。」
木崎の言う通りそこはSATと猟友会の混成討伐隊に完全に包囲されていた。
「なんで、この場所がわかったの?」
みことは状況が一瞬飲み込めずにいたが。
「ここまで来てまだ知らを切り通すか人間」
この状況は
そして、みことが動揺する隙を突き
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