第41話 獣の正体
みことはホテル全体へ防御壁を張り終えると犯人が逃げたであろう屋外へ捜索へ向かおうとしていた。
「あのぉ、すみません、みことさん」
そこには、アキハの姿があり、先程の都市伝説について今回の事件と関係があるにしろ一度町長を尋ねてみると良いとの事であった。
「アキハさんありがとうございます。ちょうどどこから
探そうかと思っていたので、どちらにしても町長さんへは報告が必要ですし
警察へも連絡を入れないといけないので」
みことは、アキハの助言通り、ホテルで起こった事件の報告と都市伝説について
有益な情報が無いか、そして今回の事件が都市伝説と異能が関わっているかを
調べる為に一度町長宅を訪れる事にした。
「木崎、私これから町長さんのお宅へ報告とかしに行くから
警察の対応をお願い、私たちの事は話してOKだから。」
みことはホテルに残っている木崎に対してそう伝えると、足早に町長宅へ向かっていった。
一方ホテルに残っている小谷周平は犯人が異能者であった場合、再度の襲撃があれば自分が対処しなければならない状況に緊張の面持ちであった。
「みことさんはなんて。」
木崎の電話に対して、不安そうに質問をしてくる小谷に対して木崎はいたって冷静であった。
「そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ。
私も居ますし、じきに警察も到着します。」
「でも、もし犯人が再度襲撃してきたら。
戦えるのは」
「私も戦えますよ、それに小谷君をここに置いたのは戦闘もそうですが
万が一の場合命を救えるのは君の異能だけです。」
目の前で犯行が行われるとも思えない、万が一襲撃に気付かずに再び誰かが襲われればその際命の保証はない。
「もっと自分の異能を誇って下さい。何も戦闘を行うだけが全てでは
無いですから。」
木崎の励まされた小谷周平は少しだけ緊張が和らいだような表情を浮かべ。
「ありがとうございます」
「いえ、さぁ、もう一仕事頑張りましょう」
木崎はそう言うと、警察が来た際の説明者など段取りを金森支配人たちと
話合い、スムーズに事が運べるように場整えて行く。
その姿は、小谷周平から見ると非常に頼もしく思えるものであった。
「先程、ホテルで起こった事件の概要は以上に成ります。
今頃私の同僚が警察への連絡や現場保存は行っているでしょう」
みことは、早々に町長宅を訪ね先程の事件に関する説明を終えていた。
「わざわざ、有難う御座います。霧崎さん
家まで訪ねて下さり。」
町長はそうみことに礼を言うと後は警察に任せればよいとの姿勢であった。
「町長さん、先程の事件の概要と共にお話した都市伝説については
何かご存じないでしょうか。」
町長は事件の報告に対しては素直に聞いていたが、都市伝説については一切触れていなかった。
「事件は解かりますが、それが都市伝説の獣の仕業と言うのはいささか無理がありませんかね、そんな、陰謀論やオカルトじゃあるまいし」
町長の言う事も最もらしかった、通常であれば事件と都市伝説を関連づける者はほとんどいないだろう。
「はい。お考えは解かります、ですが今回の事件に関してはどこか違和感と言いますか言葉にしづらい感情がありまして、何か知っている事があれば教えて頂けませんでしょうか。小娘の戯言と思って」
みことは自分の知っている限りの敬語と礼節を保って町長へ再度、申し出を行う。
「そうですか。あまり関係は無いと思いますが、先程の霧崎さんの話の都市伝説は
余りしている者もいないのですが...」
町長の話してくれた都市伝説はアキハの話とほとんど同じであった。
ただ、矢で撃たれた獣はどうやら子供を授かっていたようで、矢で撃たれた後
人の憎悪にさらされながらも自らの子を出産し息絶えたと。
そして、明日開催される祭りはこの獣の子を憎悪から守り再びこの地へ訪れてくれるように祈りを捧げるもので有るという。
アキハの話では、獣はどこか邪悪なものと勝手に思い込んでいたが、この町ではそうでは無いようであった。
「霧崎さん、話のホテル事件はきっと彼の獣の仕業では無いでしょうよ。
違う可能性を探しなされたようが良い」
町長はみことにそう告げると、部屋の奥へ下がってしまった為みことも致し方なく
町長宅からお暇する事となった。
「すみません、一つだけ町長が良い忘れた事があると」
そこには、町長宅の使用人の方であろう女性が立っていてみことを呼び止めに来てくれていた。
「いい忘れた事ですか。」
女性は町長が一つ大事な事を言い忘れたと言って自分が伝えに聞いたという。
「はい、この町の西の外れにお話になられていた獣を祭る神社がありまして
祭りもそこを中心の開催されます。」
「そして、神社では獣の事を
みことは聞いたことの無い単語の意味についても知るための教えられた
神社へ一度趣き事情を説明してから、
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