第35話 最後の表情
今回の
そして、小谷周平の異能力により最終的に解決至った。
みこと達は、民間人の暴徒化を見事に納め、自衛隊と警察と合流をして状況の説明や今後の対応に対して話合いを行っていた。
民間人達はこれからは一度異能者の病院へ入院してから身体的な検査を行う。
特に異常が見られなければ各自自宅へ帰る事になった。
みこと達は、今回の事件に対する詳細報告を警察庁で後日行う事になった。
特に、小谷周平の異能については日本政府各所より詳細報告と今後の護衛や異能使用についての話し合いがもたれるようで、事態をしる政治家や
大臣クラスとの会談を持って決定する方向となった。
小谷周平自身としては、かなりの
これから、彼自身の行動も制限されてしまう事だろう。
それも、致し彼方に事ではあるが若干可哀そうな思いもあった
みことは、彼の顔を覗き込んで励ます為に一言告げていた。
「周平さん。今回は本当にありがとう御座いました。」
「あなたの異能が無ければ、事件の解決は難しかったと思います」
実際みことは、今回の戦いでは小谷周平無しでは間違えなく、
今回の事件解決には小谷周平の存在は欠かせないピースであった事は疑う余地が無い。
「これから、政府の監視等大変だと思いますが
私とも頻繁に会えますから、元気出して下さいね。」
小谷周平はみことの言葉に恥ずかしさを覚えながら
頷き、これから自分に起こる困難に対して覚悟を決めているようだった。
「ところで、
みことは彼女の死を最後まで看取る事は出来なかった為、その最後がどの様なものであったのか、少し気になっていたようだった。
ある自衛官はみことの問いかけについて答えた。
「
その後自衛隊にて遺体を回収しております。」
そうか、彼女ならもしかしたら生き延びているかもしれない。
と考えて、念のため確認をしたのだが流石に亡くなっていたか。
みことはどこか寂し気な表情を浮かべながら、彼女への黙祷を捧げていた。
彼女の事件そのもの、それは決して許されるものでは無いが、去り際に垣間見えた
表情は何処と無く清々しく、温和な雰囲気さえ醸し出していた為、もしかしたら、生き延びているのではないかと思っていたのだが。
本当に死亡していたのであれば、彼女が最後に一瞬見せたあの表情はなんだったのだろうか。
それを、みことが知る術はもうなかった。
「みこと君大丈夫かね。」
工藤所長の心配する声に対してみことは気にしないでと言って明るい表情で受け答えを行った。
「大丈夫よ。」
「さぁ、今回はさすがに疲れたわね。」
「これから事後処理もあるだろうけど
ひとまず事件解決お疲れさま。」
「じゃぁ、みんな帰りましょうか。」
みことの一言によって一行は一連の事件に区切りを付け、その場を後にして行くのであった。
そして、彼らの知らない場所では
事件解決と同時期に新たな闇が動き始めていた。
「???様、解放の異能者。
政府側の異能者に敗れました。」
???「・・・・・」
「収穫は我々の探している異能力。魂の調律者が判明致しました。
名前は小谷周平。」
「そして、霧崎みこと異能が覚醒段階へ入っております」
???と呼ばれた人物は報告している従者であろう人物に対して
これと言って会話する事なく、軽く頷く程度で意思表明を行い、満足そうな表情を浮かべている。
従者も???の行動により考えを汲み取っているようで
特に聞き返す事も無く、報告後その場を去って行った。
この場所は、どこか全く分からず。
???も従者もいたって冷静に状況報告のみを行っていた。
ただ、今回の宗教団体襲撃事件から都民大量死と暴徒化事件についても
全貌を把握しているよ様子であった。
それ以上に、高輪真の存在や霧崎みことの覚醒状況など
今回の事件以上の事を知っている感じさえ伺える。
???は大きな玉座に座り、目の前にある巨大なモニターに目をやっている。
そこには、霧崎みことや小谷周平の姿が映し出されており、その画面内の人物の頭上にはそれぞれのスピリットスコアが表示されていた。
???は薄笑いを浮かべながら今回の事件による成果に満足している様子で
二人を眺めている。
霧崎みことと小谷周平中心に大きな闇が動き出しさらなる巨大な事件が今回の一連の騒動をきっかけに巻き起こっていくことになる。
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