第13話 新たな異能者
みことの一撃は、突然目の前に現れた女性の
何かしらの異能にて防がれていた。
「あなたが、霧崎みことさんですか?」
そう、女性は落ち着いた声で聞いてくる。
「だったどうなの」
とみことは強気な返答をする。
「そうですか。」
と、女性が言った瞬間、口元がニヤリと緩み。
正面のみことに向かって、手をかざした。
次の瞬間、みことの体は、自由を失い何かに拘束されるかのような重圧を覚えたと同時に後方へ吹っ飛ばされた。
先程のリュウの攻撃とが桁違いの威力に、何とか
防御をするみことだが、今回はノーダメージとは行かなかった。
飛ばされば場所から、咳き込みながら、みことは立ち上がり対象の女性を見る。
おそらく、リュウより上位の人物であろう。
その程度の組織規模かは不明だが。
この女相当強い。
みことは、今まで以上に警戒し再び臨戦態勢をとった。
そのころ、一階ロビーへ向かった所長は、リュウとの戦闘は
みこと達のインカムに周波数を合わせて聞いていたので
ひとまずは安心していた。
そして、ロビーで足止めをされているであろう異能者と対峙する為に
戦闘職員と合流する。
「戦況は」
「何とか、持ちこたえてますが、数が多くて」
かずが多い?異能者は2人では無かったか?
みことがその内の一人と交戦中、ここにはもう一人しか。
そう、不思議に思いながら。
弾幕の先に目をやるとそこには、数十体の泥人形のような
人型の物体が立っていた。
何体かは、足の部分が破壊されて、跪いた、転倒したりしているが
すぐに、損傷部分を別の泥が補い復活してくる。
なるほど、これは研究所の場所と防御に相性が悪そうだ。
なにせ、ここは山の中で、もしあれが、土を媒介にしているなら、泥は取り放題だ。
それに、研究所の防御は異能者が無理やり入って来た場合に対して半透明なドームを作り、そこに大容量の電流を流して迎撃するもの。
それも、異能を通して直接能力者へ。
ただ、遠距離から攻撃をされると電流が届かなかったりするが、遠距離では
相当な威力が無いとこのドームは破れない。
ただ、この泥ならで電流を通さずさらに物量でドームの一部を破壊。
若しくはドーム内へ泥を侵入させて内部から無効かなどが出来る可能性がある。
どちらかと言えば、今回の侵入は後者。
静かに潜入し、正面玄関を直接破壊したと感上げるのが妥当だ。
どちらにしても、厄介な異能であることには変わりない。
さてどうしたものかと、所長は久しぶりの戦闘ながら、冷静に全体を分析し、異能者撃破の作戦を立てていた。
工藤所長まず、自身の異能で泥人形と同じ数の複製体を制作。
泥人形に対して一体一の状況を作り上げる。
泥人形がどれ位まで増えるのかは定かでは無いが
上限はあるはず。
所長は自分の異能に近い性質を持つ、泥人形の
異能に対して、正面からぶつかって行く。
泥人形は再生こそするが、一体一体はそれほど
強力では無いように見受けられる。
対異能しの銃火器で渡り合えるレベルの為
複製体へ武器を持たせ迎撃。
一般兵は援護。
基本は泥人形の足止めが目的になる。
そして、自分自身は異能者を直接叩く。
力技ではあるが、簡素な為逆にやられづらい。
問題があるとすれば、こちらの火薬の量に上限がある為、長期戦には向かない戦法な事くらいだ。
「あら、私とにたような異能ですね」
工藤所長と会いたいする彼女は、自分に似た異能に対して興味があるのか、素直に話しかけてきた。
「だったら、どうするかね、」
と、所長は大して気にも止めず相手に対して
直接攻撃を仕掛ける。
相手は女性であるが、それを気にしていられる
状況ではない。
所長は正面から正拳突きを繰り出し、早々に彼女を
ノックダウンさせこの戦闘を終わらせるつもりでいた。
「その程度では、私は倒せませんよ」
所長の正拳突きは、泥の壁に阻まれて彼女へ届く事は無かった。
どうやら、彼女の異能は泥人形を作るのではなく、
泥そのものを操っているようだ。
一体どのような願いが有ればこの様な異能が出現するのだろうか。
所長は悠長に考えてはいたが、周りの状況も芳しくはない。
泥人形は倒されても、倒されても復活してくる。
こちらも、数は同等だが、耐久力はあちらが上を行っている。
「さて、どうしたものかね」
「木崎さん、二人は大事でしょうか。」
小谷周平は所長とみことの戦闘に対して心配して
木崎へ尋ねた。
「二人なら大丈夫ですよ」
と、安心させるために答えるが、インカムからの
情報を聞く限りあまりよろしくはない。
大量の泥の兵隊に見えない触手の異能。
そして、リーダーの異能は詳細不明。
そうそうに、泥の異能者を倒してからみことの
援護が必要におもわれた。
「あまり、大丈夫じゃないんですか?」
小谷にはインカムは渡していなかったがどうやら
木崎の顔色を読んで、何か悟ったみたいだ。
「そうですね。苦戦はしていますが、二人は負けませんよ」
木崎は自分に言い聞かせるかのように、小谷の
質問に答えていた。
そして、一般職員の避難が終了し、シェルターを
閉じた。
その瞬間。
彼らのすぐそばで轟音が鳴り響いた。
シェルター内に避難した面々は音のする方へ目を
やる。
そこには、硬く閉ざされたはずの、シェルターのドアが粉々に吹き飛ばされ、見るも無残な形となっていた。
破片が舞い、埃が立ち込めているなか
微かに一人の人物がこちらを向いてたっているのが
見てとれた。
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