第216話 51日目終了時のリザルト
《Result》
◻️日/潮:51日目/中
◻️満潮:0716/1907
◻️干潮:0053/1315
◻️日の出/日の入り:0545/1745
◻️月の出/月の入り:0749/1903
◻️月齢2.2
51日目終了時の開拓状況。
◻️砂浜の拠点◻️
砂浜西側の崖下が波の浸食によって削られて形成された海蝕洞。三畳ぐらいの空間で岳人と美岬が漂着初日に見つけ、しばらく生活の拠点としていた。現在は倉庫となっている。
◻️砂浜の炊事場◻️
現在は撤去済み。
◻️砂浜のトイレ◻️
林の仮拠点に移設済み。
◻️燻製小屋◻️
ダコタ式ファイアーホールの煙突の周囲を囲むように建てられた縦長の小屋で、内部に網棚が三段ある。あえて不完全燃焼させることで煙を発生させて小屋内を煙で満たし燻蒸する。
◻️土器焼成用の火床◻️
縄文式の野焼きで土器を焼くための場所。直径2㍍ぐらいの円形に地面が掘り抜いてあり、中心で燃やした焚き火の熱が拡散せずに壁で跳ね返されて火床内部の熱を上げる構造。
◻️ゴマフの囲い◻️
海と砂浜の一部を柵で囲ったゴマフの飼育スペース。
◻️美岬の畑◻️
小川沿いの林の外に美岬が作った畑。焼き畑にして腐葉土と貝殻石灰を混ぜて土づくりしてある。持ち込んだ豆類やサツマイモやゴマ、浜に自生していたハマダイコンなどを植えている。洞窟で見つけた古い土器に粘土と水を張ってバケツ栽培の要領で稲も育てている。
持ち込んだ植物の内、アイスプランツやアブラナなどは畑ではなく海浜植物が自生しているあたりに地植えしている。
◻️龍神の洞窟◻️
ミイラ化したティラノサウルスの骸が龍神として祀られている洞窟。おそらく島のさらに奥に繋がっているが、その道は崩れている。先住民の生活の痕跡が残る遺跡でもあるが、調査はぜんぜん進んでいない。見つかった程度の良い土器はそのまま再利用している。美岬の大叔父の徳助の遺体と遺品もここで見つかり、そのまま埋葬された。
◻️林の仮拠点◻️
新居が完成するまでの仮住まい。ブルーシートのタープの下、テント、二口のかまど、テーブルセット、長持、クーラーボックスなどがある。
◻️林のトイレ◻️
仮拠点に隣接。トイレ小屋は砂浜から移設。トイレ穴に腐葉土を入れることで排泄物の分解を促すバイオトイレ。
◻️新居建築現場◻️
固まって生えている四本の木を利用する形でツリーハウスを作ろうとしている。現在はウッドデッキが完成し、小屋の骨組みまで出来上がり、屋根の下地である
◻️風呂小屋◻️
新居建築現場のそば、小川に隣接している柱と茅葺き屋根だけの簡易小屋。風呂桶は大型クーラーボックス。洞窟で見つけた大きめの甕を埋め込んだ専用の湯沸かし釜が隣に設置してある。足が泥で汚れないように床にすのこが敷いてある。
◻️冷蔵庫◻️
小川の中に建ててある犬小屋サイズの小屋。床は水面には接していないが、格子になっているので冷気によって常にひんやりとした状態に保たれている。
《50日目まとめ》
美岬のキスで目覚める岳人。寝床の中で美岬の島に伝わる島唄と奉納舞の話をする。昨晩捌いた魚の骨で出汁を取り、魚肉のすり身で作ったつみれを入れた海鮮つみれ汁で朝食にする。新居の建築計画について話し合う。
食後、日課であるゴマフへの餌やりと畑仕事のために浜に向かう二人。昨晩の教訓として、いざという時のために大型の生物と戦える装備が必要であると結論する。浜に出た二人は、内湾にノアが率いるプレシオサウルスの群れが来ていることを知る。
緊張する二人に対し、ノアは敵意がないことをアピールし、美岬の気づきにより、ノアが群れごと箱庭への移住を望んでいることを知る。群れの移住を歓迎し、友好の証しとして、二人はノアの群れの全員に魚を振る舞う。
ノアの群れを《ノアズアーク》と名付け、ノアズアークに属するすべての海竜に名付けをする。シノノメと名付けた若い雄がゴマフの実の父親と判明し、ゴマフを群れに返す。
林の仮拠点に戻る途中でミツカドネギを採集し、美岬が毒消し薬と綿が採れるガガイモの花の匂いに気づく。ガガイモの人工受粉を行い、若い実を採集して昼食とする。ガガイモの実には媚薬効果があるが、美岬はそのことを隠している。
午後から家造りの続きをするが、夕方にはガガイモの媚薬効果が出てきて二人は発情してしまい、夕食や風呂を後回しにして愛し合う。ピロートークで美岬が口を滑らせてガガイモの媚薬効果が岳人にバレ、お仕置きとしてくすぐりの刑に処される。
【作者コメント】
なんか今年の夏は自然の脅威を思い知らされる事件や事故がやけに多くないですか? 山のレジャーでの遭難、滑落、熊による襲撃。川や海のレジャーでの溺水、漂流。
少し前に離岸流で沖に流されて行方不明になり、捜索も打ち切られた女性が海上漂流中にたまたま通りがかった船に見つけられて救出されるという奇跡的な出来事もありました。あれはほんとよく助かったもんだと思います。
最近、ある読者様から、この物語は少し前までは現実あり得たかも知れない空想の産物だったのに、最近現実に起こり得る可能性が急浮上しているという感想をいただきましたが、私もそう思う今日この頃。物語がリアルにすり寄るのではなく、リアルが物語に寄せてきている感じなのが不気味ですよねぇ。
いざ事が起きた時に頼れるのは自分自身なので、ぜひ読者の皆さんも備えを怠らずに、この機会に持ち出し袋をチェックしたりしてみてはいかがでしょうか?
*2024.10/9改稿完了。
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