第5話

だが。

「ちょっとどいてよ...!!」

隙間を作って俺の前に雪崩れ込んできた女子がいた。


手には綺麗にラッピングされた

手作りと思しきチョコがあった。


「こ、これ!シンジに!昨夜作ったの!」


「え、何何!?ブタがシンジに、手作りチョコかよwwww」


「ブタなんて、言っちゃいけないだろ...!!

真島マヒロって名前があんだぞ...!!」



俺の古くからの幼馴染。

幼稚園、小学校、、それから今のいままで

一緒だった女。


ちょいふくよかだけど。


俺は受け取り、

ありがとうと、御礼を言った。

俺はバレンタイン、彼女のおかけで

0個で終わらなかった。


「フン...!人間の女じゃなくて、

ブタから貰ったってうれしくねぇよな、な、な!」


藤島くんは、子分達にそう同意を求め、

子分達は、こくこくと頷きあった。


隣のクラスにいる幼馴染。

真島マヒロは続けてこんな事を言ったから

嫌な笑い声に包まれることとなった。


「シンジくん!大人になったら

結婚しようね...!」


「あ、う、うん、、」


この時は。


なんか、困って、、


チョコも受け取ってしまったし、、

マヒロは性格のいいやつだし、運動はあんまし体型のせいでできないけど、料理は上手いって噂あったし。女子力の高い、気持ちの優しい女子だから、彼女にはいいかも、と思って、、

その、なにかの冗談だと思ったこともあり、首を縦に振ってしまったんだけど。。


藤島くん達は笑い転げてた。


「お、マジか!?」


「陰キャ人間とブタの結婚とか、ウケるな...www」


俺は。


藤島くんを殴りたかったが。

そんな勇気はなかった。


だから、体当たりだけして、


それから、慌てて、

マヒロの左手を握り、逃げるように

教室から出たんだ。








  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る