【15】
学院の授業は技能が多くを占める。
王国の特性上、優れた兵士を多く排出するのが良しとされているので、授業と言うよりは訓練に近い。
「そんなんじゃ軍隊でやってけないぞ!」
テーツは見た目通り、技能に力をいれている節がある。
「そこの10名、昼までに校庭10周。最下位はプラスで5周!」
「クレオ、お疲れ様。」
クレオが校庭15周を終え、学食に行くとロエル、エリス、マミア、アルマン、ストムが先に食事を始めていた。
だいたいこの面子での昼食が恒例になっている。
「何あんた居残り?」
エリスが嫌みったらしい表情をする。
「ウチの先生厳しいんだよ。」
クレオは今回わざと最下位になった。
最下位のプラス5周はテーツが叱咤されながら並走する。
それが羨ましかったから。
だか、楽しかったのは1周目まで。
後はしんどくて目の保養どころでなかった。
「テーツ先生、口調厳しいけど優しいよ?」
基本彼女は各々の能力に応じた課題しか与えない。
「クレオは2位だったから期待されてるんだよ」
月一で開催されるトーナメントでクレオは現在4連続2位。
ロエルは学科テストで2位に位置している。
生徒の順位の合計数が少ない順にクラスランクが決まるのだか、平均に成るように組分けられているのでいつも僅差で変動が激しい。
「アタシもケーキ食べたい!」
1位のクラスには昼食でケーキが出る。
現在はクレオとロエルのクラスが1位だ。
エリスのクラスはまだ1度も1位に成っていない。
「だからあげるっていってんじゃん」
「いらない。自分で勝ち取るから!」
そう言ってエリスは頑なに食べようとはしない。
「次は必ず勝つからね!」
次の開催は一週間後。
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