第7話 全知全能

〜闇夜の森内部〜



サンドライトの王から、魔王候補討伐の命令を受けたタクミは、魔法使いクレアを仲間にし魔界へと向かっていた。



「ねえタクミ、そういえばアンタ勇者よね?アンタの【スキル】は何なの?」




「あー俺のスキルはな……ちょっとまて俺たち誰かに見られてるぞ」


「えっ!?うそでしょ!きづかn…」





咄嗟にタクミはクレアの口を塞ぐ



「ちょっとー!何すんのよ!」


「あんまデカい声出すな、悟られるぞ」


「ごめん……」


「気にすんな、……それより早くこの森を出よう」


「分かったわ」



少しだけ歩みを速めるタクミ達、気づけば出口付近に到着していた。






「一旦ここで飯食べるか、ここなら魔物も来ねえし」


「えっこのタイミングで食べるの!?」


「いいから、俺が作るから準備しといて」



料理を始めるタクミ、肉料理だろうか美味しそうな匂いが辺りに充満する。料理が完成し、食事しようとしたその時、








「死ねえええええ!魔法使いいいい!」


「!?」





「炎剣・ファイアブレード」


「くそっ……任務失敗か……」





クレアを襲いかけた謎の影は、タクミの剣によって一瞬で屠られた。





「……やっぱりな、食事中しかも俺じゃなくてクレアを襲ってくるのはこいつららしいな。」


「こいつ…何なの?魔物?違うわよね…言葉を喋ってた…見た目的に人間?」





「こいつらは【魔界人】だ。魔物とは違った、知能を持った魔物に近い人間って言った方がいい。まあ、多くの魔界人はツノや羽が生えてるからそこで見分けろ」




「…【マカイジン】どこかで聞いたことが…、と…ところで!さっきはそ、その!助けてくれて…アリガト」





「…ん?お前礼が言えるんだな」

(だが…何故あそこに魔界人が?)


「う、うるさい!殺すわよ!」


「おいいい!俺に向かって魔法撃つんじゃねえええ!」







数十分後……

タクミ達は食事を終え、外の陽の光が漏れる程度には森の出口へと近づいていた。



「そういえばタクミ、アンタのスキルって何だったの?」



「そういえば言ってなかったな…周りに敵いないし、この際言うか……

俺のスキルは【全知全能】ってやつかな」







「なんか強そうなスキルね……」


「まあな、これあればこの世界のスキル全部使えるし」


「なによそれ!?強すぎじゃない!」


「そんかわりリスクはあるけどな……

そういやお前しばらく体洗ってないだろ?俺達ここ数日はこの森にいたし」






「ええ、そうね……まさかアンタ『俺がお前の体を洗ってやるよ』とか言わないでしょうね!?」


「誰が言うかよ!……ここら辺にさ、すごい綺麗な川があるからそこで洗ってきていいぞ、魔物はいないと思うし一応俺が見張っとくから危なくなったら叫べ。」


「ふ、ふん!覗いたら今度こそ殺すからね!」


「はいはい……」







あれから10分ほど経っただろうか、クレアは鼻歌を歌いながら自分の体を洗い流していた。





「おーい、俺も体流したいから早くしろよー」


「うるさいわね!言われなくてもやってるわよ!」


「……ねえタクミ」


「ん?なんだ?」






「もし私の親が……ってきゃあああああ!!何よこれ!?」


「どうした!?魔物か?」







咄嗟にクレアの方を向くタクミ、そこにはクレアの大きな2つのモノの上に宝石が転がっていた






「ああ…【魔力の宝石】か、珍しいな。これ職人に加工してもらって指輪にすると魔力が上がるらしいぞ」


「……ってかなに見てるのよ!!変態!!ホントに殺すわよ!」




「ああああ!!!!ホントにすまんかった!!レアアイテムだからつい!!!とりあえずタオルやるから!な?」


「ううっ……もう嫁に行けない…まだ16なのに」






その言葉に一瞬時が止まった。



「はあああああ!?じゅ、16!?お前が?」


「そ、そうよ!文句あんの!?」







「いや……その胸で16は無理あるだろ。」


「………ヘルファイアストーム」


「だあああああああああぁぁぁ、だから俺に向かって魔法撃つんじゃねえええ!!!」




凸凹コンビの冒険は続く!


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