第4話
幼稚園に入園すると、たくさんの遊具やおもちゃに子供心に惹かれた。母に
「ママ、絵里香も、おもちゃ欲しいなぁ」
とおねだりした。
『絵里香に、おもちゃは必要ないわ。幼稚園で遊ぶだけで十分。それに絵里香。じゃなくて、私。でしょ?ママ。じゃなくて、お母さんでしょ?』
と怒られた。買ってもらえずに落ち込んで下を向くと、母は私の頭を叩いた。
『怒られたら拗ねるなんて嫌な子ね。そんな顔したって、おもちゃは買わないのだから無駄よ!ママ怒らせた罰として押入れに入ってなさい』
と暗闇の押し入れに閉じ込められてしまった。1時間くらい経って母がやってきて
『ちゃんと反省した?』
「さっきは、わがままを言ってごめんなさい」
と謝ると母は、ニッコリと笑い
『反省して偉いわ。夕飯食べちゃいなさい』
母は自分の思い通りにいくと笑顔になり、思い通りにいかないと機嫌が悪くなる二面性を持っていた。それが怖くて母を怒らせないために、私は自分の感情を殺して生きることにした。
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