第44話(救出)

ーータニア国王はアナザーシープ城の騎兵隊を呼び寄せて、ゼニア姫の捜索を指示した。騎兵隊は馬を操り、町中の捜索へ行った。リュウとタニア国王も捜索をする。リュウは見えてしまった。ゼニア姫の残り香とも言えるエネルギーの痕跡を。リュウはタニア国王に城に戻るよう言ったが、聞き入れなかった。仕方なく二人でエネルギーの痕跡を辿る。そして、町外れのバーに辿り着いた。リュウはバーに飛び込む。すると、過激派のボスと目が合う。


「お前は過激派か?」

「過激派? 俺は中道だよ」

「ゼニアを知らないか?」

「お前、稲葉リュウだろ。一足遅かったな」

「ゼニアを返してもらおうか」


リュウはエクスカリバーを構える。過激派のボスは丸腰で近寄って来た。リュウはエクスカリバーを仕舞い、真空波動拳を放つ。バキン!


「グワッ!」


リュウの真空波動拳が跳ね返され、リュウはバーの外まで吹き飛んだ。過激派のボスもバーの外に出てくる。


「俺の真空波動拳が効かないだと!?」

「ハッハッハ! 甘い甘い。死ね!」


「ダートスリープ!」


過激派のボスはバタッと倒れ、眠り込む。タニア国王が咄嗟に魔法を使った。タニア国王はリュウに駆け寄る。


「大丈夫か?」

「ああ、何とか。しかし、俺の必殺技が効かなかった。何者だこいつ」

「魔法で身体を鍛えていたのだろう」

「そんな事出来んの? やベーな」


ーー騎兵隊が駆け付けて過激派のボスは逮捕された。だが、ゼニア姫の足取りはバーの中で途切れている。心配するタニア国王。リュウはもう一度バーの中に入り、隈無く見渡す。奥に手下が隠れていた。


「ゼニアはどこだ? 言わなきゃ殺す」

「ひー! お許しを。下に」

「下?」


リュウは床を見て地下室に続く階段を見付けた。騎兵隊とタニア国王もバーの中に入ってきた。タニア国王は魔法で灯りを点ける。それを騎兵隊に渡し、様子を見てくるよう指示を出す。リュウが先頭を志願して階段を降りていく。そして、ドアが見えてきた。リュウはゆっくりとドアを開ける。


「んーー! んーー!」

「ゼニアか?」


騎兵隊が灯りを点す。ゼニアが手足を縛られていて、猿ぐつわをされていた。


「んーー! んーー!」

「ゼニア、今助けるからな」


リュウはゼニアの猿ぐつわを取り、魔法ロープを引きちぎる。


「リュウ様!」

「もう大丈夫だからな」

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