第45話(老執事の忠告)

ーーゼニア姫救出作戦は無事に幕を下ろした。過激派のボスとその手下は牢屋にブチ込まれた。タニア国王は口を酸っぱくゼニア姫に護衛の言い付けを守るよう言っておいた。ゼニア姫は耳にタコだ。こんな事件があったのにも関わらず、右から左に聞き流していた。反省してない。反省なら猿でも出来る。また一人でパン屋巡りをするつもりだ。


リュウはアナザーシープ城の書庫で魔法書を読み漁る。一方、タニア国王は部屋でバスタイムだ。


「我のおっぱいはデカい…………リュウがそう言った…………気に入ってくれたなら本望」


タニア国王は独り言で遊んでいた。


リュウが魔法書を読んでると老執事がやって来た。


「リュウ様、お目当ての本は見付かりましたかな?」

「いや。魔法で身体を鍛えるっての俺もやりたいんだけど」

「リュウ様、それはいけません。なぜなら古い魔法は脳を蝕みます」

「怖いな。しかし、飛び道具を無効に出来る」

「ならば剣で斬ってしまえばどうでしょう」

「え、剣効くの?」

「いくら魔法で身体を鍛えても、バリアでも張られなければ剣でも槍でも効きますよ。それに国王の状態異常魔法も」

「マジか。空飛ぶのも脳を蝕むの?」

「判りません。ですが何度、空飛ぶ魔法を使っても頭痛すら感じなければ大丈夫ですよ」

「うん、それなら大丈夫だ。帰る」

「どこへ?」

「勿論、王座の間だよ。地球に帰ると思った?」

「失礼致しました。愚問でしたね」

「まあ、たまには地球に帰らせてもらうけど」

「それは何でまた?」

「地球だと俺はマンションとパン屋のオーナーだからね。それに良い山があるんだ」

「ほう。登山がご趣味でしたか」

「いや、ドリフトだよ」

「地球の趣味嗜好は解りかねます」

「難しく考える事はない。モータースポーツ、自動車運転の基礎だ」

「モータースポーツとな? でしたら明日にでも我が機動部隊の視察を行っていただきたい」

「良いよ」


リュウは王座の間に戻ると、タニア国王が先に来ていた。胸を強調した際どいドレス姿だ。


「何やってんの?」

「我のおっぱいを気に入ったのだろう。善きかな」

「そりゃまあ。タニアはスタイル良いし、自信持っていいと思うよ」

「あ、当たり前だ。明日は機動部隊が演習を行う。同行してもらうぞ」

「さっき爺も言ってたな。任せろ」

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