第43話(事件発生)
リュウはタニア国王と一緒に上空30メートルから街を視察する。風が心地好い。タニア国王の恐怖心は次第になくなっていった。街には人々が生活している。魚屋に肉屋、パン屋もある。パン屋のテラスにはゼニア姫が居た。護衛はいない。ゼニア姫は護衛を巻いていた。タニア国王は額に手を当てる。
「もう。護衛は何をやっているのだ」
「平和な街だ。危険はないんじゃない?」
「取り敢えず、ゼニアの近くに降ろしてくれ」
「分かった」
リュウは言われた通りに着陸しようとした時。ゼニア姫の姿が消えた。ゼニア姫は抵抗勢力に拉致された。一瞬の出来事でリュウとタニア国王は何が起きたか解らない。二人が地上に降りると、ゼニア姫が座っていたテラス席に一枚のカードが置いてあった。
「ゼニア! ゼニア!」
「消えちゃったね」
「呑気な事を言ってる場合か」
置かれていたカードには紋章が描かれてる。パンと剣と盾の絵が重なりあってる。
「このカードはなんだ?」
「これは古い紋章だ。今では過激派と呼ばれる団体が好んで使う」
「そいつらに拐われた?」
「おそらく。助けねば。リュウ、協力してくれ」
「勿論だよ」
ーー拐われたゼニア姫は過激派のアジト、町外れのバーに連れてこられた。古びた所でカウンターの奥にはボスが居る。ボスの男は実行犯の子分を褒める。過激派の目論見は地球への進攻をする事。そのため、王室が邪魔になっている。ゼニア姫を人質にしてタニア国王殺害を考えるが……。
「お前達、よくやった」
「ははー」
「ゼニアを人質にすれば、国王は必ず来る」
「ははー」
「ゼニアを魔法ロープで縛り付けておけ」
「ははー」
ゼニア姫は抵抗むなしく手足を縛られてしまった。
「あなた達、こんな事をしといてタダで済むと思わないでよ!」
「威勢はいいが、この状況からどう脱するのかな? ハッハッハ。俺はな、アナザーシープを帝国にして新たな国王になるのだ。そして鬼畜地球人を殲滅する。そこで見ておれ、ゼニア姫」
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