第38話(アサシン鬼軍曹)

鬼軍曹達、四人とってチャンスだ。鬼軍曹はタニア国王の首筋に噛み付こうとした時。バキッ! タニア国王は人面犬の顔面にグーパンチを喰らわす。


「いってー! お前らもかかれ」

「はっ!」


ボンボンボン。三等兵、二等兵、伍長は人間の姿に戻る。しかし、上手くいかず、三人とも人面犬になってしまった。


タニア国王に一斉に襲い掛かる人面犬四匹。タニア国王は咄嗟にワインボトルを遠くへ投げる。四匹は尻尾を振りながらワインボトルを取り合う。犬の習性だ。我に返る鬼軍曹。


「何をやっとるか!」

「すみませんサー! 身体が勝手に」


体制を立て直す四匹。再びタニア国王に襲い掛かろうとした時。ガシッ! 兵士に捕まってしまった。


「すみません、タニア国王。こんな野蛮な生き物だとは知らず」

「暇潰しにはなった。牢屋にぶち込んどけ」

「「はっ!」」


四匹はヤコと同じ牢屋に入れ込まれた。鬼軍曹はヤコに話し掛ける。


「内閣情報調査室のイーグルワンではないか。こんな所で何をやっている?」

「キモ。体は柴犬、頭はオッサン。どうなってんの」


その時、鬼軍曹は初めて自分が人面犬だと自覚した。


「伍長、二等兵、三等兵。俺は人面犬なのか?」

「「「はっ!」」」

「俺は人面犬のまま街を闊歩していたのか?」

「「「イエッサー!」」」

「俺はイケメンか?」

「「「ノーサー!」」」

「ばかもん! なぜ言わなかった?」

「面白いからでありますサー!」

「ばかもん! 伍長と二等兵は降格させるぞ」

「「ノーサー!」」

「軍曹。イーグルワンから情報を引き出してはどうでしょうか?」

「うむ。降格の件は保留とする」


鬼軍曹はまたヤコに話し掛ける。


「それで、イーグルワン。何があった?」

「あんたら誰なの? 何で私のコードネームを知ってるの?」

「我々は日本国国防軍の兵士だ。アナザーシープの国王殺害に来た」

「それなら無理よ。国王にはリュウが着いてる。何とか引き離さなきゃ」


すると、ヤコ達の正面の牢屋に居る本物の勇者が話し掛けてきた。


「お前ら地球人だろ。俺達と手を組まないか? こんな生活もう嫌だ。敵の敵は味方、な?」

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