第37話(鬼軍曹の野望)

ーーリュウは3時間ガッツリ走って滑って大満足だ。アツシのドライビングテクニックも成長した。3台で街に帰り、藤原パン店に寄る事になった。駐車場に車を停めて降りる。アキとアツシの距離は相変わらずだ。店員とお客さんのまま。リュウはアキに餃子パンのレシピを教えて宿題を終えた。


ーーその頃、アナザーシープでは内閣情報調査室が送り込んだヘッポコ部隊がサバンナの草原地帯に展開していた。四人で構成され、鬼軍曹が指揮を執る。


「よーし、お前ら。街が見えてきたぞ。目的は分かってるな?」

「アナザーシープの国王の殺害でありますサー」

「よーし、良いぞ三等兵。その意気だ」

「イエッサー!」


四人は街に着き、茂みの中から様子を伺う。四人とも初めてアナザーシープに来た。取り敢えず、変装を試みる。


「イーグルワンは犬に変身出来たそうだ。お前らも犬になれ」

「「「はっ」」」


ボン。三等兵は柴犬に変身した。


ボン。二等兵も柴犬に変身した。


ボン。伍長も柴犬に変身した。


ボン。鬼軍曹は人面犬になってしまった。


笑いを堪える部下達。鬼軍曹は人面犬になった事に気付いてない。


「お前ら、何が可笑しい?」

「何でもありませんサー」

「ならいい。国王はおそらく城に居る。一番高い建物だ。着いてこい」


鬼軍曹を先頭に四人はアナザーシープ城を目指す。街の人々は人面犬に度肝を抜かれ、腰を抜かして怯える。


「フハハ。我々の戦力に恐れをなしてるぞ」

「ぜってー違う」

「三等兵、何か言ったか?」

「ノーサー!」


四人は城の門まで来た。門番の兵士が二人立っている。兵士は人面犬と化した鬼軍曹をまじまじと見る。


「なんだこの気持ち悪いの。殺しちゃう?」

「待て。タニア国王に持っていこう。今、リュウ様がご不在だ。これを持っていって気を紛らわせてもらおう」

「ご機嫌取りか~? 別にいいけど」

「俺、出世したいし」


四人は兵士に捕らえられた。四人にとっても都合が良い。何せ、ターゲットのタニア国王の元へ連れていってくれるからだ。両脇抱えられて運ばれる鬼軍曹達。そして、王座の間に着いた。タニア国王はイライラしていた。リュウの帰りが遅いからだ。


「失礼致します、タニア国王」

「なんだ? リュウが帰って来たか?」

「いえ、まだであります。代わりと言ってはなんですが、面白い生き物を連れてきました」


兵士は人面犬をタニア国王の前に差し出す。


「キモ」

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