第8話

「主人殿!お話しがございます!!ええ!それはもう緊急のお話しでございます!…何?疲れたから明日にしろと?だまらっしゃい!!はい…そこに座って、何してるんですか?違いますよ。正座です。正座。はい、よろしい。えー…お話しというのは他でもありません。我々『伝説の武具』の扱いについてです。主人殿…あなた、私達のメンテナンスを最後にいつしたか覚えてますか?………あ、もういいですーそんだけ頭捻って出てこないくらいずーっと前ですよね!?確かにね、最初に申しましたよ『我々はあなたが魔力を流せば多少の傷や破損は修復出来る』と。ええ、言いました。確かに言いましたとも。それは応急処置の話であって、ノーメンテで良いって意味じゃないんですわ!!それで…あんたさっき『疲れてる』って言いましたよね?なんでか分かります?分からない?分からない!?もう修復が追っついてないからだよ!!こっちも必死よ!あんたが私たちの力で無双してる間、魔力で修復して折れないよう必死なの!?知ってた?知ってた訳ねぇよなぁ!!知ってたら今正座して説教されてないよね!ほら、鎧ちゃんにも謝って、ちゃんと謝って!あの子内側にお前の汗とかが染み付き過ぎちゃって、毎晩『私、臭すぎで草』とか独り言をブツブツ呟いてるよ!?傷は直せても臭いは取れねーし心の傷も治んないだわ!盾のやつとかもう最近は喋りもしないしな!!あいつの心は死んだ。お前が殺した。オレノアイボウ、オマエコロシタ。オレ、オマエユルサナイ。ここまで言やぁ分かるだろ?な?明日、朝イチでこの街一番の工房に俺たちを持っていって、金に糸目を付けずに最高のメンテナンスを頼むんだ。今まで俺たちをこき使って稼いだ金がたんまりあるはずだ、無理とは言わせないよ?それを拒否するってんなら…明日俺はポッキリいくよ。鎧ちゃんもベッコリだよ。盾なんて受ける前にパッカリよ?ん?」


「作用でございますか。私たちの提案に『折れて』頂けますか。ありがとうございます」

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異世界落譚 破竹 @hachiku

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