第5話

「おう、来たか。お前が異世界から来たって奴だな。なんだ…ヒョロヒョロじゃねぇか?大丈夫か?まぁいいや。ここではまずお前がどの武器に向いているかを見る。あー心配すんな。向いてるもんがあっても別に強要はしねえよ。単なるアドバイスって思えばいい」


「さてと…まずは何がいいかな。よぉーし、まずはこの長剣からいってみるか。使う人間も多い。基本の武器だな。慣れれば片手に盾を持ち防御面も安心だ。ほれ、使ってみろ」


「…えーっと…どうした?もっとこう…振り回していいんだぞ?何?重くて手首が痛い?いやいや手首で振ろうとするなよ。えっとな…肩や腰を意識して、こう!どうだ?あー最初っから剣の重さに負けてらあ…こりゃあ振り回すとかのレベルじゃねえなあ。んー長剣は向いてないか」


「そんじゃこの短剣はどうだ?短く扱いやすい、基本は反対の手に盾を持ったり、短剣をもう一本持ったりと自由度も高い。難点はリーチの短さだが…まぁ、最初の内は盾で防ぎつつ懐に潜り込み短剣で一撃って感じだろうな。利き手がどっちか知らねえが両手で武器扱うってのは相当に難しいからな。そんじゃこれが盾だ構えつつ近づき短剣のリーチに来たら攻撃だ。ほれやってみろ」


「どうした?なんで動かない?は?盾が重いって…けどそれ訓練用の木の盾だぞ?まぁ確かに金具は使ってるが…わかった。とりあえず俺が打ち込むからそれを防いでから反撃な?いくぞ!……いや、防ぐんだよ。こう盾を構えてぐっと腰据えてな?盾ごと後ろに下がってちゃ意味ないだろ。もっかいいくぞ?…そうそうってお前…盾両手で支えてたら駄目だろ。反撃するんだから短剣はもってなきゃ。はー、これも向いてないかあ」


「よし分かった。近距離の獲物からは一旦離れよう。弓だな。使った事あるか?まぁ、ないか。よし、一回矢なしでどこで引けるかやってみろ。…ぇぇえ。そんだけ?重すぎるって…いやそりゃあモンスターの体を射抜く為なんだからそれくらいはいるだろ。当てりゃいいってモノじゃないぞ?んー向いてない。これも駄目かぁ」


「どれもこれも向いてないなぁ。まずは筋肉付けないとな。今のままじゃギリギリ振り回せてもモンスター倒すなんて程遠い。ん?ケンドー?カタナ?なんだそりゃ?なんだ得意なもんあったのか。え、ちょっとやった事あるだけ?んーまぁないよりはマシか。ちっとどんな武器を使ってたか教えろ」


「ほうほう、細身で片刃、反りがある長剣かぁ。聞いたことはあるような…後は使い方だな。よし、どんなもんか俺にやってみろ。獲物はそーだな。ああ、この細剣とかでいいんじゃねえか?使い方は違うだろうが似てる方だろ。よしやってみな」


「なあ?さっきからお前は何をやってるんだ?いや、斬ってるって…あのなぁ、お前がやってるのは斬ってるんじゃなくて叩いてんだ。斬ると叩くは全く別物だぞ?さっき聞いたカタナってやつ?それがどんなもんか詳しくは知らねえが、多分その使い方は違うと思うなあ」




「…なぁ、お前さんここに来た時はえらく自信満々だったが…どんな『武器』を持ってたんだい?」

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