第4話

「異世界転生された方はあちらで簡易的な面談を行います」


「転生特典に何かスキルを貰いましたでしょうか?はい、はいはい。最初から最強系のスキルですか。承知しました。こちらの世界ではそういう方は沢山働かれている場所があります。その方々と一緒の職場環境への斡旋が出来ますよ。職場環境はどのようなもの?えーっと、所謂、闘技場ですね。最強系スキルをお持ち方々同士闘い合ってもらって、それを一般市民の方が観覧する。まぁ、ショーですよ。そちらの選手として斡旋が出来ます。え?魔王とか魔物?ああ、そういったものは大分前に狩り尽くされる寸前までいってしまいまして、今は絶滅危惧種として保護されております。狩る必要性自体が皆無なのですが、もし無理に狩ろうとすると転生自体がなかった事になりますのでご注意下さい。はい、それではこちらの書類を持って二番窓口の前でお待ち下さい」


「はい、お待たせしました。どのようなスキルをお持ちでしょうか?スキルはなし、転生前に専門職。なるほど。ちなみにそれは先進技術でしょうか?違いますか。えっとこちらの世界にも専門家の方々は沢山来られてまして、そうですね…そちらの地球ですか?はい、その世界でのテクノロジーはほぼ全て再現されております。かつ、その技術をこちらの魔法技術と融合させ更に進んだものとなっておりますので、最先端の技術革新でもない限りはちょっと…そうですね。この施設の設備も全てそういったものです。とりあえず斡旋出来るところは…あなたの専門分野の会社が幾つかありますが…最初は臨時雇用になるかと…資料をお渡ししますので、その中から希望の職場を決めてみてはいかがでしょうか?臨時雇用でよろしければ斡旋は可能ですので。はい、それではまた。お待ちしております」


「お待たせして申し訳ありません。はい?何で効かないって…?ああ、魅了系のスキルの方でしたか。こちらの世界ではそういった魅了系のスキルを無効化する予防接種が乳幼児期より実施されておりますので。えっとそれ以外のスキルはお持ちでない?でしたらこちらの書類を持って三番一般市民登録窓口へどうぞ」


「次の方どうぞー。ええと、スキルの確認を…あら、はじめての転生ではないんですね。容姿、年齢。今回は性別まで変えてらっしゃいますが、個人情報がこちらに残っております。お手数とは思いますが、この書類を持って二階八番窓口へ行って頂き、そちらで現在引き継いでいる記憶、能力全てを計測させて頂きます。その検査結果を元に発行された書類に記されている再転生者様が受ける追加課税と、恒常的に発動するデバフに対しての同意書を持参の上、またこちらに来て頂くかたちになります。お手数をお掛けして、申し訳ありません。はい、またのお越しをお待ちしております」


「申し訳ありません。お待たせしました。スキルの確認を…えっ…あなた…すごい!私も異世界転生して長いですけどこんなスキルは…」

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