第3話

「はいはい、次は君か。えーっと…異世界への転生希望?あー…またかよ…はいはい、書類に書いてあるけど、とりあえず確認させてもらうわね。えー…享年は…まー真面目に働いてる歳よね、御愁傷様。生前の職はー…あー…まぁ、厳しいわよねぇ。そういう人、結構来たからね。あー…ギリギリかぁ。まぁ、私の力でなんとかなる範囲かな。んで書類通り異世界転生希望って事だけど、本当にいいの?えっ…ああ…そう。即答だね。え…流行ってるの?何それ、ウケるんだけど。あ…っと、こほん。えー、異世界に転生するにあたってまず選択肢が二つあります。前世の記憶と身体そのままに転生するか。もしくは真っさらの状態で産まれ落ちるか。…っぅえ!即答だね。はいはい。前者っと…。説明聞かなくていいのかよ…。はい、ではまた住んでいた世界から、違う世界へ転生する事により、転生特典が三つあるのですが…って近い近い。キモいから離れて。何その待ってましたみたいなテンション。えー…その三つの特典を説明致します。まず一つ目は、生前の記憶、身体を保持しつつ異世界に降り立つ権利。は…みたいな顔してもしょうがないよ?生物として生きるのに、無から急に存在を得るとかチートだよ?そらこっちもそれなりの力使うからね。君が急に存在しはじめる事を、世界が違和感無く受け入れる事が一つ目の特典ね。いやだから、は?みたいな顔されても…。はい、二つ目の特典です。生前の身体をそのまま異世界に持っていく為、あちらの世界へ身体を適応させる事が二つ目のとく…ああ、もういいよ。そのまま最後まで聞いといて。ぶっちゃけこれは一つ目の特典の付随ね。まず存在を置きます。しかし身体は世界に適応してません。なのでその身体を世界に強制的に適応させます。酸素量や衛星の数、配置。病原菌なんかで訳の分からないまま死にたくないでしょ。はい、これ神様パワー。イッツ転生特典。説明続けるよ。三つ目の特典。異世界の言語を理解する能力ね。これでばっちり。いやもう顔。何?は?そんなの当たり前だろって?何言ってんの?あんた、元の世界で考えてみなさいよ。たかが海外に行くだけでも食に文化に言語にと苦労したんじゃない?それが異世界よ?私の力使ってとりあえず普通に生きていけるだけチートじゃない、それに何の文句があるの?は?まだ?何か欲しい?」


「あんたのレベルじゃこれが限界よ。レベル引き継ぎを選んだのは、あんたでしょ?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る