第2話 二人の関係
それから数か月。
「綾夏」
「何?」
「ちょっと、お願いがあるんだけど……」
「うん」
「綾夏にとって、慶一君って…どんな存在?」
「えっ?」
「ちょっと…協力してほしいんだけど…」
「私は別に本当に友達だから。全然良いよ」
「そう?」
「うん」
友達から慶一の事を聞かれた。
私は別に何とも思ってない。
第一、今までの恋愛で友達以上は無理だから。
まあ、もしかすると後で好きになったりするかもしれないけど、正直、恋愛感情にならない事を願いたい。
今回に関しては、慶一に任せる事にして、私は関わらない事にした。
アイツ(慶一)なら性格が性格だし楽しませてくれるだろうと思い、友達にも話をして了解をえている。
最初は抵抗あるとか言っていたけど、私がいる事で多分、友達と話す所か、私にばかりにふってきそうだからと、いう事を伝えた。
彼女は納得してくれた。
数日後――――
「綾夏、ゆっくり付き合ってみる事にしたよ」
「えっ?へぇー良かったね!」
「うん」
恋愛出来るのは羨ましい限りだ。
私は正直、無理かも?
そんな事を思う中、慶一と私は距離をおく。
別に普通に接して良いんだけど……
そんなある日事だった。
私は、とある男子生徒に告白された。
事情を話し断りを入れたものの、それでも良いと言われた。
そして、付き合う事にしたんだけど……
付き合付き合っていくものの、結局、別れを告げられた。
……やっぱり同じだ。
私には恋愛は向いてないのかもしれない。
ある日の事。
グイッと背後から抱きしめるようにされた。
「うわぁ!」
「なぁ、ちょっと付き合ってくんね?」
「えっ?」
振り返る視線の先には慶一の姿。
「慶一ぃっ!?」
「暇だろ?」
「いや…えっ?一人?」
「そうだけど」
「珍しい。彼女は?」
「彼女?あー、別れた」
「えっ!?わ、別れた!?」
「まあ、別れたって言葉が合ってるのか分からないけど…」
「そうなんだ」
「悪くはないんだけど、一方的な思いぶつけられても困るんだよね」
「…そっか…」
「お前は最近、彼氏いたんじゃ?」
「えっ!?」
「違った?」
「いや…違わないけど…」
「どうなの?」
「別れたよ」
「別れた?お前の性格が問題的な感じ?」
「まあ…ないわけじゃないけど…」
「ふーん」
「私には恋愛向いてないのかも」
「偶々、相手が悪いんじゃねーの?」
「えっ?…どうかな?性格が性格だからかな?」
「性格?」
「うん。私、慶一と過ごしているのと変わらないから」
「あー、そういう事。つまり友達以上恋人未満みたいな感じ?」
「まあ…そんな感じかな?結局、普段と変わらないから……って…何で私、あんたに、こんな話!?」
「さあ、何でだろうな〜」
「聞かなかった事にして!」
「多分、無理!」
私達は色々話をしながら帰る中、街に出掛けた。
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