友達以上恋人未満〜永遠の恋人〜

ハル

第1話 出会い

「綾夏(あやか)、誰か紹介して!」

「えっ?」



女友達から言われた。



「綾夏、男友達多いし、それとも、みんな彼女もち?」


「そんな事はないよ。紹介してグループデートしたりするのは出来るんだけど、カップル後は干渉しないから近況報告は教えて貰うんだけど…まだ余裕あるよ」


「本当!?」


「うん。余裕っていうのも、どうかと思うけど…どういう子が良い?」


「ギャップのある子」

「ギャップ?」

「うん!どう?いそう?」

「ギャップ…ねぇ〜。探して見る」

「うん!お願い!」




私の名前は、鳴宮 綾夏(なるみや あやか)。16歳。高校2年生。


女の子の友達が少ないわけでもないけど、どちらかというと男の子の友達が多い。


性格が男っぽくて、サバサバしているからだ。


女子力がないって自分でも思っている。


今まで告白したり、されたりしたけど長く続かないという現状で今を至っているのだ。


たまに私に恋愛出来るかな?


そんな事を思ってる今日この頃だけど……




そして、彼女に一人の男の子を紹介した。


しばらくは、二人の間に入って仲を取り持つ。


何とか良い雰囲気となり、二人はゆっくり付き合う事になったようだ。





そんなある日、うちらのクラスに転入生が来た。


彼の名前は幸平 慶一(ゆきひら けいいち)。


彼は、すぐに溶け込んだ。


どうやら私と似たような性格みたいだけど…





ある日の放課後。



グイッと背後から抱き寄せるようにされた。



「うわあっ!」

「なあ、綾夏っち、遊びに行かね?」

「えっ!?」



そこには転入生の慶一がいた。


彼の性格上、名字抜きで名前を呼ぶように自ら自己紹介していた。


ただ、私に関しては、お互い下の名前を呼び捨てにするという話し合いで、そういう結果となり、時々、違う呼び方で、こうやって私に絡んでくる。



「つーか、付き合え!」

「やだ!何様のつもり?」

「どうせ暇してんだろ?お前」

「暇じゃないです!」

「えっ!?デートする相手いんの?」


「そう!沢山の男の子…」




ベシッ


オデコを叩かれた。




「痛っ!」

「寝ぼけた事言うなよ!バカ、綾夏!」

「うるさいなっ!私だって彼氏の一人は欲しいんだから!」

「お前には無理!」

「酷っ!」




私達は騒ぎながら街に出掛けた。




その日の帰り。



「ほら!」

「えっ?」

「付き合ってくれたお礼」

「可愛い〜♪」



私に、UFOキャッチャーで取れたと思われるぬいぐるみだった。



「それを俺だと思って可愛がれ!」


「えっ!?いやいや、可愛いがれって…じゃあ殴って可愛いがってあげるね」


「おいっ!」




騒ぐ私達。



こんな感じで馬鹿な他愛もない会話して、普通に冗談言って過ごす。


これが私の性格だ。


好きになって最初は頑張って過ごすも、最終的には告白して、友達以上は無理と言われ、失恋。


何度あっただろう?


告白されても、同じ繰り返しだ。




「送ってくれてサンキュー」

「別に。一応、女の子だから」

「一応って…どう見ても女の子でしょ!?」

「どうかな〜」

「失礼だよ!慶一!」



クスクス笑う慶一。


 

「じゃあな!」

「うん、また明日ね!」




私達は別れた。









































  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る