第9話 中堅アイドル

 私、星野希星きららが所属しているアイドルグループは、

ラブリーエンジェルて言う、中堅アイドルグループだ。


 極たまに、TVからの、お誘いがあるかないかである、

当然レギュラー番組なんか持っていない。


 ほとんどが、ライブハウスでの活動で、

活動資金は、CDの売り上げとかグッズの売り上げである。


 アイドルの定石通り、サイン会やら握手会もある、

どこかの大手は秒単位らしいが、うちはローカルなので分単位である。


 売りはCD60枚買えば、1時間アイドルと、

おしゃべりしながら食事ができるというのもある。


 正直な話、音楽でお金を貰っているのか、

それとも援助交際しているのか、わからない状態である。


 それでも、ほとんどの金は、事務局が持っていってしまい、

私たちの給料は、本当に少ない。


 私たちが文句を言うと、交際費、ライブハウスの使用量、

とかに金が掛かるんだとか言って、取り合ってももらえない。


 正直なところ田中金太等の、個人援助がなければ、とてもやっていけない。


 例の件もあって、田中金太は私のいいなりだ、

そこで、一つの提案をしてやった。


 「ゲームの主題歌か、アニメの主題歌を歌わせろ」と、

いやだと言ったら、「札束ビンタ」で命令だ!


 返事は、意外にも「わかった全力で探してみるよ」だった。


 今やゲーム業界の売り上げは、ハリウッドの4倍だ、

大手では、プロ野球チームまで持っている。


 彼の父親も、大手ゲームメーカーなので、

ごり押しされたら、傘下の会社はノーとは言えない。


 これがうまくいけば、私も卒業できる。

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