番外編 エルナとリファエルの雑談と転生直後
〜魔法練習中〜
「そう言えば何で人魚さんは一人称が『僕』なの?」
「え・・・?そう言われても前世が・・」
«・・・マスター・・»
あっそうだ、前世の事は言わない用に決めてたんだった。
「?」
「えっとね〜そんなに一人称が『僕』なのは珍しかった?」
「いや・・そんなに珍しくは無いけど、目立ちたくなかったらその姿で『僕』とか言ったら何かしっくりこなくて逆に目立つと思うわよ」
「でも、この呼び方が定着してるし」
「大丈夫、今からでもきっと直せるよ!」
どうしよ。
有難いんだけど心が男のまま『私』とか言った日には絶対頭おかしくなる!
«・・・変わりますか?»
!いい事言うね、じゃあ変わって!
・・任せて良いのかな?嫌な予感しかしない
「ほらほらー『私』って言ってごらん!」
「ワタシ」
「・・・?」
ほら!声が機械音みたいになってる!エルナもビックリしてるわ・・
僕の中では僕は相当感情豊か(?)なのに、何で声は機械音なのかな??
«・・理解不能»
それにしても君さー、本当に僕のドッペルゲンガーなの?魂が同じとか言っちゃってるけど余り信じてないからね、僕。
«私はマスターのサポート役ですよ»
うん、そう言う事じゃないんだよ?
・・・ここは腹を括るしか無いのか?!
ちょっとオートモード解除してくれない?
«了。オートモードを解除します»
オートモードを解除して僕は『私』と呼ぶ覚悟を決めた。
「わ、私・・・」
「え?何で恥ずかしがってんの??」
エルナの言った通り、湖で自分の顔を覗くと、熱があるんじゃないか?と言われそうなほど顔が真っ赤に染まっていた。
「本当に何で『僕』から『私』に変えるだけでそんなに恥ずかしがってるのか、私には分からないわ」
・・・こっちは恥ずかしくて居た堪れないってのによ〜・・はァ
«・・・・・»
何だかシストからも冷たい目線で見られている気がする。
そんな訳ないよな!流石にそこまでの感情はないと思うし!
うん、そう言う事にしておこう!
「でも、『私』の方が可愛いかったんだけど・・・」
「もう勘弁して下さい!!!!」
(今何か叫びが聞こえた気がする・・誰かがこの森にいる気が・・・気のせいか)
弟がエルナと戦闘を始めるまであと5時間・・・
〜転生した直後(エルナと出会う前)〜
いやー転生系の漫画やアニメは好きだったけどまさか自分が転生するとは!
いや・・まだ転生と決まった訳ではない。
魔法とか使ってみたいとか空飛んでみたいとかそう言う訳では決してない。
にしても静かだなー。
普通に泳げるようにはなったは良いがご飯とかどうしよっかなー
・・そもそも人魚はご飯とか食べるのか?!・・って所からだよな。
僕が好きな小説の『転生したらスラ○ムだった件』とかみたいにさ、
サポート役?なんて出てきたら良いのに!
«・・・・・・・»
ん?何だろ?今誰か居た気がする。
・・・気のせいかな?やっぱ転生?したから頭おかしくなったのかな??
それにしても今田中達はどうしてるかなー
やっぱ僕の死体とか残っているのかな?
と言うか、ここら一帯の魚見たことない魚だらけだな!
この魚とか細くてグニョグニョしてて形は気持ち悪くても色がピンクで、、
気持ち悪いより可愛い系かな?
・・・分かんないことだらけだな、ホント。
・・・もしここが本当に異世界だとしたら僕と同じく転生した人とか居るのかな?
今度探してみようかな?
よし!黙っていても何も起こらないから湖を探索してみよう!
にしても凄い速さで泳げるんだよね・・・人魚って楽しい!
所々、巣穴みたいな大きな穴があるんだよな。
んで今は長い棒(湖に浮かんでいたやつ)を持ってる。
鋭い人は分かったかな?今、僕がする事を!!
そう!巣穴をつつくのだ!!
正直、未知の生物の怖さと言うより探究心の方が気持ち的に大きくなっていたから怖さはどうでも良くなっていた。
そして長い棒を今巣穴の中に突き刺した。
・・・本当に巣穴と棒がピッタリとはまっていて引いても取れなかった。
すると中からモゾモゾと動き始め、棒が僕の方に飛んきた。
当然予想はしていたので僕は軽々と避けた。
穴から出てきた魚はそれを挑発と見なし、突然襲いかかってきた。
予想外とまではいかないが穴の大きさから比べて魚が大き過ぎた為、どう出入りしているのか?と聞きたくなる程の大きさだった。
僕は本能的にヤバい!と悟り、即座に逃げた。
勿論逃げるのを許してくれるはずもなく、ヤツは追ってきた。
人魚の身体は使い慣れてないらしく、上手く避ける事が出来なかった。
・・・多分誰でもいいから助けて!って心の中で叫んだと思う。
そしたらあいつ(シスト)が出てきたんだ・・・
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