第4話 戦闘

「これどういう状況??」


「あっリファエル!来るの遅かったじゃない!」


僕は今、非常に混乱してる。

何で戦ってるの?そもそも誰だよコイツ!


ねぇシスト、コイツ誰か分かる?


«すみません、よく分かりません»


うんうん、だよね〜、言うと思った。

はぁ、直接聞くしか無いのかな・・・


「ねぇあの人・・・」


「ちょっと!危ない!!!」


「へ?」


«!?至急オートモードに切り替えます»


ちょ!シスト!?


オートモードに切り替えた時、シストが何かを避けた気がした。

その瞬間、その何かが横から僕に向かって飛んできた。


僕は理解した、避けたのはその何かだって。だって、あの何かを見た瞬間本能が逃げろ!って叫んでいたから。


何かに当たっていたら・・・考えただけでゾッとする。


本当になんなんだ・・シスト、さっきのは何?


«特別な弾丸です»


特別?


«要するに魔力の塊です»


ほえ〜って何じゃそりゃ!

魔力は良いとして、塊?それ当たったらどうなるの?


«消滅します»


ふーん・・・ん?

消滅?誰が?


«マスターが»


ええーーーーーーー!!先に言ってよ!

もっもう驚かない!


・・・・うん、ともかくありがとね。

そういやエルナは?大丈夫なの?


«はい、エルナは解析済みなので死んだとしてもマスターがいる限り復活します。»


・・解析って凄いね(呆れ)


«なので、安心してあの弾丸を盗って下さい»


OK!頑張るよ!


・・・ってなるかぁーーーーー!

どう解釈したらあの弾丸を盗ることになるの!頭大丈夫?!


«?私は常に正常ですよ?»


そう言う事じゃなーい!

盗る?漢字違くない??それ盗むって事?

無理言わないで!僕が死んだらどうするの?!


«大丈夫です、いざとなったら私がオートモードで回避するのでマスターは盗るのに専念して下さい»


だから漢字が盗むの『盗る』になってるって!怖い怖い!怒らないの!?あの人!


«先に仕掛けてきたのはあの人なので問題ありません»


ええー怖いこの子!

本当に大丈夫??


«すみません、よく分かりません»


誤魔化すなー!

もういい!ヤケクソだーー!


「リファエル危ないよ!下がりなさい!」


「すいませーーーーん!!その弾丸頂きます!」


「?!」


「あっ!リファエル!!」


シスト!サポート宜しくな!


«YES»


「おりゃー!!そこどけー!!」


僕は前にいるエルナさんを押し退けその銃を打ってきたやつに向かって突き進んだ。


そしたらあら不思議!そいつが攻撃(剣で)しても身体が勝手に避ける。


多分シストだな。

僕も負けてられないな!


攻撃を避けながら銃を打ってくるのを待つ。


«今です!弾丸を食べて下さい!»


分かった!

弾丸を食べる事に関してはこれ解析が終わったら説明お願いね!いくよ!


僕は弾丸を避けずに食べた。


・・・詳しいことは突っ込まないでくれ


「「!?」」


うん、そりゃ弾丸を食べたら誰だって驚くよな!ちなみに僕は平気。

シストが何とかしてくれるから!

それに意外と美味しかったしね。


«解析が終了しました・・!»


・・何か嬉しそうだね


«えぇ、弾丸を解析した事により銃が無くても手から撃てるようになりました»


おぉーー!凄い!シスト大活躍だね!


«だい・・?»


つまりはあの有名なドラゴン○ールの『カーメーハーメー波ー』とか出来るの!?


«カメハメ波ーとは?»


とにかく!これでこっちが有利になったね!よし、殺るぞー!


「あ、あのリファエル??大丈夫?」


「あっ!エルナさんは見てて下さい、僕が何とかするんで!」


「いや、心配だから。それに貴方、そいつに殺気出しまくりじゃない!下手したらそいつ殺しかけるわよ」


「えっエルナさんと戦ってたから別に殺しても・・・」


「えーーー・・・まあ本当に殺さない程度にね」


「はい!ていう事で僕、本気出しちゃうから覚悟しといてね、そこの君!」


「・・・・・・」


シスト!攻撃避けるのだけオートモードで!


«はい»


アイツが剣で攻撃してきた。

僕シストがそれを軽々と避ける。


さて、どうやって調理しようかなー?

弾丸は後の仕上げだな。

まずはエルナさんが教えた風の刃?でいこうかな?


うーんたしか・・風を集める感じ?

あっ出来た、制御が難しいなこれ。


『シャーってやって、ドガーンってやったら制御出来るよ!』


とか言ってた気がする。

あーもう!やるしか無い!

シャーだよね・・お!刃がいっぱい出てきた!次はドガーン??相手に向かって一気に打つ感じ?


「おりゃー!!」


でっ・・できた!

ただ・・・当たってるの?これ。

避けてるようにしか見えない


«大丈夫です、当たってます»


当たってるんだ・・分かりずらいな!

さぁて、お次は?


«焦げない程度に私が魔法を使います»


ありゃ!シストがそんな事言うなんて珍いな・・・分かった!頑張れー


シストの攻撃をギリギリかわし、そいつは銃を構えた。


フフフ、ハーハッハッ!その時を待ってたのだ!!


シストの攻撃をかわした瞬間だからこそ、少し体制が崩れてるはず!その時を狙い攻撃する!完璧だよな!


「いくよ!カーメーハーメー波ー!!!」


そう僕が言った瞬間、手から大きな弾丸魔力の塊がそいつに向かって一気に飛んだ。



「(カメハメ波ーとは??)」


エルナがそう突っ込みたい気持ちになった



「・・・・死んだ?」


«ギリギリ生きてますね、しぶとい»


コラコラそんな言葉言わない!

でもねー結構本気で殺ったんだけど、死ななかったのは予想外。

やっぱりさ、エルナさんを傷つけようとしたからその罪は死んで償ってあげないと!


・・・っと物騒な事を考えるのはこの辺にして、縛った方がいいかな?


«縄、出しますか?»


お願いします。


僕は手から縄を出し剣を回収(と解析)して縄に縛った。


「あの・・こいつ死んでないよね?」


「大丈夫ですよ、でも凄いですね。

マジの本気じゃ無いけど結構強めに撃ったんですがね・・・生きてるなんて」


「そうよね、そいつ私と同格だもの。」


「?どういう事ですか?」


「言ってなかったけ?私人間じゃ無いのよ。」


「はい?僕は貴方を解析して人間になれたからエルナさんは人間のハズでしたよね?」


「うーん、ハーフエルフって言ったら分かるかしら?珍しい種族なのよ?」


«!確かに解析してる時に少し違和感がありました»


ほぇーー!ハーフエルフねぇ。

エルフって耳長いってイメージあるけどな。


「っとまぁ話変えるけどそいつは魔物刈りのリーダーなの」


「名前は?」


「覚えてない。何だったけなギリ・・ギレ・・・?」


«ギリアム・ロードです。»


「ギリアム・ロード?」


「そうそれ!何で知ってるの?」


あっやべ・・・シストの事は言いたくないし、助けてーシスト!


«『有名だから』などは・・»


採用!


「えっとね、けっこう有名だからね」


「まぁね!魔物の中では有名だから!

ちなみにねこの人私の弟なの、ごめんね私の愚弟が」


「いいよ別にー・・・・・・・ん?もう1回言って」


「?魔物の中では有名だから」


「少し後」


「愚弟?」


「はぁ?」


シスト、助けて。

今日驚き過ぎて発狂しそう!


«では血を回収して下さい»


はいはいOK

この剣で指を切って・・・ほい血を回収したよ。


«飲んで下さい»


OKオーケーそれは解析しろって事ですかな?シストさんや。


«飲んで下さい»


・・・誰がマスターなんだろうね。

まぁ解析したらメリットの方が多いから言われなくても飲むよ。


僕は一気に血を飲んだ。

やっぱり慣れない、当たり前だけど。


«解析終了しました。»


で、どう?こいつ人間?エルナと血、繋がってる?


«種族、人間。剣を得意とする個体。

エルフと人間の間に誕生した特殊個体、エルナの弟。»


それなりに凄いんだね、エルナさんの弟ってのが気にくわないけど。


そう僕が考えてるとそのギリアムが起きた。

どうせなら消滅しちゃえば良かったのに!


「ここは・・・」


「起きるのが遅いよ、貴方殺されそうだったわよ?まだまだ修行が足りないようね」


「ね、姉さん!すいません!!まだ修行が足りませんでした!」


そう言いギリアムは土下座をした。

でも、その土下座の向きがエルナさんでは無くて僕に向いてるのはなんでだろ?


「リファエル様!貴方の強さに心惹かれました!どうか、俺を下僕にして下さい!」


「げ、下僕?!何で??」


「あー、ギーちゃんは配下にして欲しいんだって。パシリにでも使ったら?」


「えーパシリって・・・ん?ギーちゃん??何時もそう呼んでるんですか?」


「ええ。その方が呼びやすいから」


「ふーーん」


僕はギリアムを殺気も乗せて睨んだ。

その瞬間、ギリアムがブルリと震えた。


「す、すいませんでしたーーーー!!」


「ちなみに私達の修行はストレス解消という名の修行なのよ?結構楽しいわよ?」


エルナさんが僕の耳元でコソッと教えてくれた。

少し興味がでてきた!


「はぁ分かったよ・・下僕?パシリ?いや配下でいっか。」


そう言うとパァァァァと効果音が着きそうな程キラキラして僕の方を見た。


・・・ちょっと引いた。。

そんなに配下になりたかったの?

でも配下は強くないとね、エルナさんに修行ストレス解消でもして貰えば良いのに。


«配下の証に加護を与えると強くなります»


チッ


チッその手があったか。

まぁいっか・・・どうやるの?


«ギリアムに手をかざして下さい»


「ギリアム、こっちに来て」


「?はい」


僕は手をかざした。

その時、手から光が出てきて光がギリアムを優しく包み込んだ。


「これは・・・配下の加護ですか!ありがとうございます!とても嬉しいです!」


光が無くなった瞬間そこにはニコニコと優しく笑ってるギリアムがいた。


正直、可愛すぎて悶え掛けた。

この子男の子だよね?

そう視線でエルナに訴えかけた。


それを察したのかエルナは頷いた。

絶句したね。さっきは灰色のパーカーを被っていたから分かんなかったけど、普通に黙っていたらカッコよくて、笑ったら可愛いって・・・

最強じゃん!ずるい!



自分のことは棚に上げてそうリファエルは思った。



「ねぇ魔物刈りのリーダーが魔物の配下になっちゃっていいの?」


「ダメですね、というより縄、解いて貰っても良いですか?」


「自力でやりなさい」


「エルナさんって厳しいんだね」


「弟だしね、強くないと!それにね、何かイラつく!!」


「理不尽!」


「「理不尽と思うなら私(僕)達を越えてから言う事(ね)」」


«見事に被りましたね»


「頑張ります!」


「おう!頑張れ」


「うん!2人とも頑張れ!よし!戻ってご飯食べるよー!」


「「はい!」」






仲間:1人


配下:1人


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