第3話 エルナ・エリン
(エルナ目線)
正直、人魚と話す日が来るなんて思ってもいなかった。
でも話してて違和感を覚えた。
何で人間を恐れないんだろうって。
人魚は長生きする種族、最高で1000年ぐらいまで生きる。
だから、大戦争のことや絶滅のことも知ってるはずなんだけどね。
私は人魚さんに過去にあったことを話す。
・・・やっぱり知らなかったんだ。
彼女は1人で考え事をしている、というより、自分の事を僕とか言っていたから、
いわゆるボクっ娘かな?
・・話が変わっちゃったね。
信用できるかは置いといて、やっぱり人間全員優しい訳じゃない。
だから人魚と分かったら100%狙われる。
何だろう・・別に私の知ったことじゃないけど何か放っとけない。
どうしよう魔法を教えるにしても私はちょっと説明が雑だし、きっと呆れるよね。
・・・・ん?えええええええ!この子魔法成功したんだけど?!
私なんてその、手から火を出す魔法、出来るようになったの1週間ぐらいかかったんだよ?!それに人魚は余り魔法を上手く扱えない種族とか聞いていたんだけど。
この子はそこら辺とはちょっと違うみたいね・・
何だか怖くなってきたわ、見てはいけないものを見た気がする!
ま、まぁまだ大丈夫。
後もう少しだけ魔法教えたら帰ろうかな。
ギルドマスターが心配しちゃうしね!
・・とは言えもう夕方だし野宿になっちゃうけどここに泊まるか・・・って言うか人魚さんの服が露出激しくて寒そう。
特にお腹!もうそろそろ冬だし!
それから2時間ぐらいまで私は人魚さんに魔法を教えまくった。
そういえば人魚さんの名前、聞いてなかったな・・
心の中とはいえ、ずっと人魚さんとか言っていたら失礼だしね。
私は人魚さんに名前を聞いた。
ただ彼女は黙ったまま。だから私はとある仮説を立てた。
『この子が実は名前が無かったとしたら』
実は名前が無かったってのは十分有り得る話・・だけどそしたら喋れないはず。
そう考えるとやっぱり辻褄が合わない、おかしい。
・・・・貴方、きっとこれから厄介な奴に目を付けられるかもね。
そう考えた瞬間、人魚さんは目を見開いた。
もしかして声に出てたりしちゃてた?
うっわー恥ずかし!
ま、まぁこの事は置いといて・・
私は名前があるかどうかちょっと威圧を込めて言ってみた。
人魚さんが怯えてるのが分かる。
これ以上はやめてあげよう、何か事情があるかもしれないから・・。
そして私はテントに入り薄っぺらい布団にはいって寝た。
小さく呟いた『おやすみなさい』は聞こえたのかな?
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