Episode01 遊撃兵に単身配属

 軍事学校時代、俺は教官から一目置かれるほどの腕をしていた。M24SWSの射程は800メートル程だが、その時に教官から課題のような物を出された。それは1・5キロメートル離れた場所に置かれた空き缶を、たった一発の弾丸で撃ち抜くという課題だ。それを難なく撃ち抜いた事で、伝説を打ち立てた。

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 翌日、指揮官から部隊の再構成を言い渡された。チェリーはジーク小隊に居残り、俺は遊撃兵として単身になった。

「ジャップ、貴様はイスタンブール空港から援護しろ。チェリー、お前はジーク小隊に居残りだ」

「そんなの無いぜ!」

「ジーク伍長、ジャップの評価はどうだ?」

 指揮官はチェリーの反応を聞くことなく、俺の隣で青ざめているジーク小隊の司令官ジーク・ファルマ伍長に質問した。

「ジャップの戦績が良すぎて、正直に言えば寂しいですよ」

「ええぇ‼俺はどうなんスか‼」

 チェリーが悲しみの嗚咽を上げている間に話が進み、結局。俺は単身の遊撃兵になった。

「ジーク小隊はイスタンブール空港を制圧しろ、ストイル小隊はそれの護衛だ。ジャップ、貴様には遊撃兵として動いてもらう」

「アグレッシブに動いても良いのか?」

「ああ、構わない。但し、死ぬのは許さないぞ」

 そこに緊急無線が入って来た、どうやら制空戦闘をしていた戦闘機が落とされたらしい。

「空軍より無線、戦闘機が撃墜された模様!」

「クソッ……。ブリーフィングは終わりだ、各小隊。用意したAH―60L《ブラックホーク》に搭乗しろ、急げ!」

 すぐにガンラックに立てかけられていたHK416DとAWMにサプレッサーを取り付けて電子制御キッドを入れた自己改造のAWM―SWPを取り出した。その後、破砕手榴弾や弾薬箱などの必要になりそうな物を背負っていた背嚢に詰め込み、駐機場で待機しているブラックホークに搭乗した。

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