三人用/【すれ違い編①】

この台本は【すれ違い編①】です!!


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▶始めに

・台本の自作発言、作品の転載、登場キャラクターの性転換、台本の内容が壊れるような行為は禁止です。

・使用されるときは、不特定多数の目に入るところ(コメント欄やキャプションなど )に『台本タイトル』『作者名』の明記めいきをお願いします。


・そのほかの細かい お願い事は【台本利用上のお願い】のページ(▶https://kakuyomu.jp/works/16816700427787953461/episodes/16816700427788115278)を読んでください。

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出会いの話は『お見合い編』/【親の言いつけで〜破談ですよね。】という劇台本です。


そして、今作は "見合い後、交流が続き…なかなか会えない日が続いた挙句…!?" となります。

前作(【長電話編】)、前々作(【お泊まり編】)と併せて閲覧(もしくは上演)して頂けるとより楽しめると思います。


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【上演 目安 時間】

▶50分~55分


【比率】

♂1人:♀2人:不問0人の3人用


【キャラ紹介】

風神かぜかみ まなぶ/兼役:N壱

▶24歳/国防陸軍に所属する幹部士官(少尉しょうい

・不機嫌な顔(デフォ)をしている。話し方もぶっきらぼう。今作では、絢乃とは電話とチャットでのやり取りがメイン。

・都合上、出番まで間があるのでナレーション兼役でお願いします。



寒原かんばら 絢乃あやの

▶22歳/大地主の次女

・感情豊かで、子供っぽいところもありつつ素直になれない性格。まだ恋心の自覚が薄い。

▶押しに弱い残念な美人。

▷気が動転すると、新潟の方言が出る。



♣️♀島埜しまの 大華はるか/兼役:N弐

▶20歳/絢乃の従妹(寒原 母のキョウダイのこども)

・普段は都内の男装カフェで働く。オン(仕事時)とオフ(休日)は切り替えているので、普段はそこまで男っぽくない。

けれど、言いたいことは言う遠慮ない性格。※1.新潟の方言あり。

・ちょいちょいナレーションとしての役割が回ってきます。


((※1.絢乃あやの大華はるかの新潟弁は、作者の趣味で話させています。

恋する方言変換/BBPPER様から引用しております。イントネーションが分からなければ、標準語で演じてもらって大丈夫です。趣味 全開ですみません。))


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劇タイトル

▶ロングバージョン


『不機嫌な お見合い相手にナイショで街に行きました。なんだか不安です。』


▶ショートバージョン

【すれ違い編①】

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※演じても演じなくても大丈夫な場面。本シリーズを知らない人向けです。



絢乃:こんにちは、寒原かんばら絢乃あやのです。

今までの経緯いきさつ紹介のお時間です。語りはアタシのお見合い相手さんがしてくださいます。


(間)


諭:語り

『どうも、お初にお目にかかります。そうではない方は、そのまま聞いてください。

私は、国防陸軍こくぼうりくぐん アケボノ基地 所属・風神かぜかみ まなぶ

階級は少尉しょういであります。


このたび、ずっと捜していた忘れられぬ相手と再会することができました。


忘れられぬ相手こと──寒原かんばら絢乃あやのさん との出会いは、二年前。


私には行き着けの飲み屋があるのですが、そこの先客としてヤケ酒をしていたのが絢乃あやのさんでした。当時の彼女はまだ二十歳はたちを迎えたばかりでしたね。

ヤケ酒をしていた絢乃さんは、酔い潰れてしまったのです。

閉店 時間も差し迫っていたこともあって女性ひとりを放っておくのもどうかと介抱ついでに、世話をやいたのがコトの発端ほったん


そう、お酒の勢いもありましたが、彼女とは一夜を共にした関係であります。

しかし、その夜が明けてしまえば。一夜の夢の如く。

私がシャワーを浴びているあいだに、彼女は置き手紙もなく、言伝ことづてさえもなく。

ただ数枚の紙幣しへいを置いて姿をくらませてしまったのです。


手酷い裏切りを受けた気持ちにもなり、また同時に、絶望も味わったのです。


──ですが、その一夜から1年と半年が経った頃。

仕事に忙殺ぼうさつされながらも息抜きの趣味の囲碁や将棋。その趣味を通して仲良くなった初老しょろうの男性が、娘のお見合い相手を探していると。仕事柄、結婚 願望はなかったものの。初老の男性の話す娘さんの特徴が、私の捜している人に一致したのです。我慢ならず名乗りを上げた私。

それから教えてもらった事前 情報を頭に叩き込んで日々を過ごすこと……


──お見合い当日。

目的の相手である絢乃あやのさんは、すっかり私のことを忘れている様子でしたが。

二年前の話題を持ち出すことで、思い出してくれたようで何より。

何せ、私の一目惚れですから。相手と恋仲になりたいと思うのは、自然な気持ちでしょう。

仲を深めようと計画 実行中でしたが、出逢ってから五ヶ月も経った現在いま


職場を休暇のたびに留守にしすぎたせいで、上官から苦言が。頼むからしばらくは公務に専念を。との命令がくだりました。


職場にかんづめにされるのも、時間に追われるのも仕方ないこと。国防の盾をお背負っている者の責務せきむ


だがしかし、私だって一人の『男』であります。想い人に会えない日が続くのはさすがに辛い。』


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▶ここから本編◀



N弍:風神かぜかみ まなぶと、寒原かんばら絢乃あやのがお見合いで知り合ってから早くも五ヶ月が過ぎた。

──メール、通話でのやり取り。まなぶ献身的けんしんてきなアタックにより交流は続いており、しかも、自宅訪問のたびにまなぶからのさり気ない愛の告白というアクションが出され、反応に困り応えることができない絢乃あやの。しかし、告白を拒絶するようなこともなかった。


(間)


絢乃:何よ、それ……信じらんないッ……

(深呼吸)マナブさんの!!バカァァァ!!


大華:えぇっ!?アヤちゃん!??!


(間)


N壱:2077年の秋頃(長月ながつきの半ば)。

事の起こりは二週間前のこと。

寒原かんばらの実家。

絢乃あやのの自室にて、絢乃は歳の近い客人とテーブルを挟んで会話していた。




大華:ええっ!?アヤちゃん、マジで言ってんの!?



絢乃:しぃー!大華はるかちゃん、声大きいよっ



大華:いや、だって!おかしいっちゃ!おまんら、そのモダモダした関係になって何ヶ月ちゃね!ばか多忙な職だからってデートもしたことない!?


(大華(標準語):「いや、だって!おかしいよ!あんたら、そのモダモダした関係になって何ヶ月だよ!すごく多忙な職だからってデートもしたことないの!?」)



絢乃:デート……うん、してないかもしれないし、してるかもしれない……。

いや、お休みの日は、わざわざ都内から実家に来てくれるし……おうちデート?ってのはしてるかも……



大華:は〜〜ん?けど、それってアヤちゃんの親いるじゃん。ほぼ恋人らしいことしてなくない?



絢乃:……えっと、あのね大華はるかちゃん



大華:何さ



絢乃:アタシ、まなぶさんの恋人じゃないの



大華:は?



絢乃:えっと、ややこしくて申し訳ないんだけど……

別に、アタシはまなぶさんから正式に恋人として付き合ってほしいとも言われてないし、たんなる見合い相手だっただけで……



大華:(ため息)そのマナブってヤツ、しゃーつける



(大華(標準語)

「(ため息)そのマナブってヤツ、殴ってやる」)



絢乃:えっ、暴力はダメだよ?



大華:……まあ、冗談だけど

ねえ、アヤちゃん。いいの?そんなので



絢乃:いいと言うか、なんと言うか……お見合いのときは、こんな人なんてって思ったけど……

近頃は、なんだか色んなこと知れたからほだされてきちゃった気がして……



大華:何それ、ハッキリしなよ。つーか、付き合ってもないのに手出しするとかさ。

なに?セフレとして、遊んでるつもり?



絢乃:あ、いや……そんなことは……

そもそも、セフレとかじゃないの!キスしかしてないし!あ、いや!もしかしたら、付き合ってるのかもしれないよ?まなぶさん、言葉足らずだし!!



大華:すげぇ、かばうじゃんwww

……まあ、その相手のおめがぁ、記憶になきゃあ!付き合ってないのも同じっちゃなぁ!!



(大華(標準語)

「すげぇ、かばうじゃんwww

……まあ、その相手のあんたが記憶になければ!付き合ってないのも同じだわな!!」)



絢乃:うっ、は、はい……



N壱:机をバンッ、と叩いて確信を突く大華はるか。かなり強めの言葉を食らって、現実を打ちつけられた絢乃あやのは肩をすくめて、顔を俯かせてしまう。




大華:(ため息)……なんか、アヤちゃんと騒いでたら、喉かわいちゃった。

オバチャンに、飲み物もらってくる



絢乃:うん、いってらっしゃい




N壱:相手を見送り、そのままテーブルへと突っ伏する絢乃あやの




絢乃:語り

『どうも、寒原かんばら 絢乃あやのです。

アタシは、とても寂しかったのです。なにせ、まなぶさんとは一ヶ月 以上、会えておらず。

今までは長くても二週間に一度は会いに来てくれたのですが。けれど、さすがに上司の人から苦言を漏らされたらしく……


しばらくは会えないと連絡が来たのが47日前。


暇を持て余し、なんとなく気分を晴らしたくて人を呼びました。

それが、騒ぎに騒いでくれた彼女です。相談する相手、間違ったかもしれない……。


彼女──島埜しまの大華はるかちゃんは、アタシの従妹いとこです。大華はるかちゃんは、遠慮のない性格。そのお陰?で気分が晴れるどころか、余計に追い詰められた気がしてなりません。』



絢乃:語り

大華はるかちゃんは、普段、都内のほうで男装カフェの店員をしています。もちろん、顔も整ってて身長も高め。歌劇の団員にいてもおかしくないレベル。つまり、素を出さなければだまされる人が続出するくらいの美形。──そして、その源氏名が「タイガくん」。

大華はるかちゃんの名前の漢字は、タイガとも読めるという理由から 「その名前にした 」と過去に話してくれました。悪い子ではないんですよ。心配性なだけで。』



(間)



N壱:絢乃あやのが悶々と考えていれば、自室のふすまが開けられ、トレーにコップとジュースのパックを乗せて大華はるかが戻って来た。



大華:アヤちゃーん、オレンジジュースでよかったー?



絢乃:えっ、ああ、うん。大丈夫、ありがとう



大華:(ため息)……にしても、なんだかなー



絢乃:なにが?



大華:本当に、仕事なのか気になってきた



絢乃:誰が?まなぶさんが??



大華:うん、そう。

だって、急に会いに来なくなるって変じゃない?軍人ってそんなもん?



絢乃:どうなんだろう……。

でも多忙な職種だと、なかなか会えないカップルさんは世の中にごまんといるだろうし……



大華:ねえ、アヤちゃん



絢乃:なに?



大華:もう、確かめに行こ



絢乃:それは、まなぶさんが本当に仕事で来れないのかってこと?



大華:そう。これで、本当に浮気とか不貞ふていだったらウチが※しゃーつっける(平手打ちする)からさ



絢乃:軍人のまなぶさんには、かなわないと思うよ?



大華:あ、殴ってはいいんだね



絢乃:あー、いや、そういうことでもないんだけど。まあ、たぶんまなぶさんの性格からして嘘じゃないと思う



大華:……本当に付き合ってないの?



絢乃:なんで?



大華:いや、あきらかに相手を理解してます、好きですーって雰囲気だすからさ。急にノロケられたのかと



絢乃:そうかな



大華:そうなの



絢乃:えっと、……アタシ、諭さんのこと、好きなの?……あれ……??


大華:うわぁお、無自覚?

こりゃ、ダメだわ。何だかんだ、マナブっていうヤツのこと同情するー


絢乃:心の声

《えっ、じゃあ……諭さんから連絡が来るだけで嬉しいって思うのも、お仕事で会えないってわかって残念だなって思ったのも……全部、この感情が『恋』だから……??えっ、アタシ、諭さんが好きなの……!?》



N壱:顔を赤くした絢乃あやのを呆れた様子で見やる大華はるか。それから静まる室内だったが、絢乃が思い出したかのように口を開く。



絢乃:あ、でね。いつ行くの?それ


大華:いつでもいいよ。ウチ、稼ぎだけはいいから店長も融通ゆうづうきかせてくれるし


絢乃:そっか。じゃあ、アタシね。バイト入ってない週があって……この二週間後にでもお願いしたいのだけど


大華:二週間後?ふーん、この日からか。おっけー、予定空けとく。この日は、車で迎えに来るわ


絢乃:うん、お願いします


大華:よっしゃぁ!見てなさいよー。マナブってやつ!マッジで、浮気してたらしゃぐっちゃ*(平手打ちするさ)!


絢乃:ほどほどにね



N壱:こうして、本人の知らないところで【打倒 マナブってやつ!】の計画がスタートするのだった。



(間)



──2077年の神無月かんなづきの頃。



N壱:それから二週間後、大華はるかとの約束の日。

昼過ぎには到着するというメッセージを受け、外で待っている絢乃あやの。そんなとき、絢乃がまなぶへと早朝に送ったメッセージに返信の通知が届く。



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絢乃:チャット[まなぶさん、おはようございます]


諭:チャット[おはよう。]

諭:[すまん。もう、昼近くだな。返信が遅くなった。今なら、やりとりできる。]

諭:[絢乃あやのさん、元気にしているか。]


絢乃:[お陰様で、変わりなく]

絢乃:[今は、お昼休みとかですか]


諭:[いや、営外へ移動中だ。]

諭:[車の中でな。だから、やり取りができる。]


絢乃:[そうなんですね]

絢乃:[軍人さんって、基地の中でお仕事をしているものとばっかり]


諭:[私の所属している隊は、営外での任務も多いからな。]

諭:[今日も、その関係でな。]


絢乃:[お疲れ様です]


諭:[ありがとう。]

諭:[私は、早く貴女に会いたい。]


絢乃:[お気持ちだけで、充分です]

絢乃:[無理はなさらないでください]


諭:[無理なんかじゃない。]

諭:[前にも話したが、私にとったら貴女と会えるだけで元気を貰える。]


絢乃:[そう言っていただけて、嬉しいかぎりです]


諭:[今度、また会いに行ける目処めどが経ったら私から連絡する。]


絢乃:[はい。任務、がんばってくださいね]

絢乃:[ご武運を]


諭:[ああ。息災でな。]



絢乃:──会いたい、か。

……アタシも、です。……なーんて!諭さんの仕事、邪魔できないからね!そんなこと返さないけど〜!

……ん?まだ、返信くれるの?



諭:[絢乃さん。]


絢乃:[なんですか]


諭:[いつでも、貴女をおしたいしている。]



絢乃:ほぇっ……!?!?



諭:[それだけだ。またな。]



(間)



絢乃:心の声

《言い逃げぇぇぇ!!そういうとこです!!まなぶさんの、ずるいところ!!文面だから残っちゃうじゃないですか!!あ〜〜、もう!!まともに履歴が見れないっ!!》



N壱:スマホを握って、腕を振り回す絢乃あやの。気持ちを少しだけ自覚した分、衝撃が大きいのだろう。かなり変人度合いが際立つが、照れているだけである。

そんな絢乃の前にボックスタイプの軽自動車が止まり、助手席側の窓が開く。



大華:お待たせ〜、アヤちゃん


絢乃:あ、大華はるかちゃん、うん。大丈夫っ、さっき出てきたばかりだから



N壱:後ろ髪をきっちりと結っている大華はるかが陽気に声をかけてくる。後部座席に、ボストンバックを置いてから助手席へと乗る絢乃あやの

ハンドルにカラダを預けながら問いかける大華。



大華:泊まりがけになると思うし、服とか用意してきた?


絢乃:一応、三日分は用意したよ


大華:あいよー。まあ、足りなかったら買ってあげるから


絢乃:いいよ。アタシだって、貯金くらいあるし


大華:ウチが、プレゼントしたいって言ったら?


絢乃:うーん、そのときはそのときかな


大華:ははっ、アヤちゃんは押しに弱いなぁ


絢乃:もぅ、からかわないでよ


大華:ごめんって。ほら、シートベルトして。長旅になるし、眠ってもいいよ


絢乃:運転まかせちゃって、ごめんね。アタシも、早く免許取らなきゃ……


大華:へーき。

ドライブは好きだし、ウチの運転で眠ってくれるなら安心してるってことっしょ?嬉しいもんだよー


絢乃:さすが、言い慣れてるね


大華:そういうアヤちゃんは、言われ慣れてるって感じー?


絢乃:ふふっ、そんなじゃないよ


大華:そうー?まあ、いっか。のんびりと話しながらドライブしますかね〜


絢乃:おっけー。じゃあ、今日からよろしくお願いしますっ


大華:はーい、よろしくー



N壱:なめらかな走り出しを切る。

道すがら他愛ない会話をしたり、スピーカーから流れるラジオ局の内容や懐かしい名曲や話題の曲で和やかな車旅がスタートである。



(間)



大華:うーん!はぁ〜、やっぱ外のほうが気持ちぃ〜!



N壱:かれこれ二時間ほど高速道路で移動した先のサービスエリアで小休憩をすることにした大華はるか絢乃あやの。車の傍らで伸びをしたりする。



絢乃:うん、ちょっと腰痛いかも……。車での移動って大変なんだね……ってことはまなぶさんはいつも……


大華:(ニヤニヤ)──アタシに会う為に、こんな長旅を?ってか〜?

ほんっと、自覚してから漏れすぎー


絢乃:は、大華はるかちゃんっ


大華:何さ。本当のことっしょー?もう、ちゃっちゃっと付き合っちゃえよ


絢乃:そうなんだけど……そうじゃないというか……


大華:なに、またモジモジしてんの?つーか、チャットでやりとりしてんでしょ?

文面で送ったって、問題なくない?それで、成立すれば万々歳じゃんよ


絢乃:さすがに、失礼じゃないかな……


大華:はい、でたー。

アヤちゃんの直接言わなきゃ失礼でしょ理論。まあ、いいけどね。お好きにどうぞって感じー


絢乃:大華ちゃんってば協力的なのか、そうじゃないのか……


大華:ウチは、楽しけりゃ協力的にもなるしー、そうじゃないなら非協力的にもなるよー


絢乃:さすがは、ザンネン美人……


大華:褒め言葉として受け取っておく〜


絢乃:もぅ、マイペースさんなんだからっ


大華:あはは〜

さーて、ちょっと遅くなったけど ごはん食べて、仕度できたら車旅 再開するからねー


絢乃:うん、りょーかい



(間)



N壱:さてさて、それから三時間後。

都会へとやって来た二人だったが、すっかり夜である。どこで食べる?なんて話をしたものの、結局は駐車場が入りやすいという理由でファミリーレストランで夕飯を済ませたのだった。

夕食後。大華はるかは、社宅暮らしなのでヒトを泊めることはできないとのことで絢乃あやのだけがホテルへと泊まることに。──そして、ポツン…と一人でホテルのベッドに腰掛けている絢乃。



絢乃:なーんか、結局おひとりさま なわけね……

あー、もぅ!無理に言ってでも大華はるかちゃんにも泊まってもらえばよかったかも!せっかく、久しぶりの都会なのに〜!

一人なんかじゃ出歩く気にならないよ〜!



N壱:ゴロンゴロン…、ベッドの上を転がる。すると、スマホに通知が届く。



絢乃:ん、大華はるかちゃんかな



大華:チャット[家ついたー]


絢乃:チャット[お疲れ様 運転ありがとうね]


大華:[いいえー アヤちゃんと過ごせて、楽しいから気にしなーい]


絢乃:[明日はどうしようか]


大華:[明日ねー?どうしよっかー]

大華:[ねえ アケボノ基地?だっけ]

大華:[マナブってヤツがそこから出てくる日ってわかったりするの?]


絢乃:[一応 営外えいがいに出ることは多いとは聞いてる]


大華:[エイガイ?]


絢乃:[そう 営外]

絢乃:[基地の外のことをいう言葉なんだって]


大華:[そっか なる〜]

大華:[でも さすがに繁華街にまでやって来ないよね]


絢乃:[たぶんね]

絢乃:[どんな任務をこなしてるのかは分からないけど]

絢乃:[警察とは違うもの]


大華:[だよねー]

大華:[まあ 久しぶりの都会なわけじゃん?]


絢乃:[うん]

大華:[計画はのちのちで!]

大華:[明日はパーっと遊ぶっきゃないっしょ!]


絢乃:[そうだね]

絢乃:[楽しみにしてる♪]


大華:[つーことで 朝の10時にはホテルのフロントまで迎えに行くから]


絢乃:[りょうかい]


大華:[おやすーん]


絢乃:[おやすみ ありがとう]


N壱:大華はるかからハートマークを持ったアライグマのスタンプが送信され、二人のやりとりは一旦、終わった。スマホをベッドに投げ出す。



絢乃:ふぅ……、車旅で疲れちゃった。お風呂、入ってこよ



(間)



N弍:入浴後。濡れた髪を拭きながら、ベッドの前で息をつく絢乃あやの



絢乃:ふ〜、サッパリした。湯はり機能のある部屋にして良かった〜

あれ、なにか通知きてる。大華はるかちゃんかな?

……って、ま、まなぶさんから!?



N弍:意外や意外。夜にチャット返信してくることがめったにないまなぶからの通知であった。



絢乃:えっ、あっ、しかも七分前!今なら間に合うかな??




諭:チャット[今、時間あるか。]


絢乃:チャット[あります!]


諭:[寝ていたのかと思った。]

諭:[よかった。]

諭:[通話はできそうか?]




絢乃:通話!?えっ、えっと、髪 乾かしてないけど……いいや!あとで!通話できます。大丈夫です、と



諭:[了解。]

諭:[今、移動してる。]

諭:[着いた。通話かけるな。]



N弐:まなぶからのチャットのあと。無料通話アプリ特有の着信音が鳴り出す。



絢乃:わっわっ、本当にかかってきた!──もしもしっ…!


諭:『こんばんは、絢乃(あやの)さん』


絢乃:お疲れ様です。通話なんて、大丈夫なんですか?


諭:『今は、自由時間なんだ。だから、許可された場所でなら通話も可能でな』


絢乃:そうなんですね



<>


絢乃:心の声

まなぶさん、ちょっと疲れた声してる……。やっぱり、忙しいんだよね。大華はるかちゃんは疑ってたけど、こんな感じだし、仕事が大変なのは嘘じゃないと思う……》


<>



諭:『今日は、何をしたんだ?』


絢乃:えっと、今日はドライブしました


諭:『ドライブか。私も、貴女とできればいいのだがな』


絢乃:それは、また都合のつくときでいいですよ


諭:『貴女は、遠慮がちと言われないか?』


絢乃:そうでしょうか。

大華はるかちゃんには、モダモダしてるしモジモジしてて好きくないーって言われます


諭:『そうか。なかなか容赦ない物言いをする友人だな』


絢乃:あ、大華ちゃんはアタシの従妹なんです。母さんの兄妹の子で


諭:『なるほどな。イトコさんか』


絢乃:はい。歳も二歳しか変わらないので、本当のキョウダイみたいで


諭:『ハルカという名前で、イトコね……。成人は済んでいるのか』


絢乃:はい、大華ちゃんは成人しています


諭:『そうか。なら、貴女を任せられるな』


絢乃:どういう心配ですか…(くすくす笑う)


諭:『いいや、貴女が楽しめたなら良いんだ。気にしないでくれ』


絢乃:あの、まなぶさん


諭:『なんだ』


絢乃:ちゃんと、ご飯は食べられていますか?忙しくても睡眠も食事も大切ですよ


諭:『食事は、とっている。睡眠は、まあ短時間でも慣れている。今日は、上官に営外任務のおりに民間の食堂でご馳走になった。……何か気がかりでも?』


絢乃:いえ、食べられているなら良いんです。でも、ちょっとだけ声が、疲れている気がして……


諭:『……』


絢乃:あ、ごめんなさい!

諭さんが大丈夫って仰るなら大丈夫ですもんね。余計なお世話で──


諭:『スゴいな貴女は』


絢乃:え?


諭:『声で分かるのか』


絢乃:あ、はい。

なんか、久しぶりにお聞きしたせいもあると思うんですけど……

お会いしてお聞きするより違って聞こえて……


諭:『そうか。……ありがとう』


絢乃:えっ、なんでお礼なんて??


諭:『いいや、言いたくなったんだ。知ってのとおり、私は顔色が変わりにくい。声もしかりなのだが、疲れていても、なかなか気づかれないのだ』


絢乃:ムリは禁物ですよ


諭:『無論だ。倒れて、今の案件が片付かずに期間が伸びたりしたら貴女に会いに行けないからな』


絢乃:アタシのことは気にしなくていいですってば


諭:『そうやって、突っぱねられても会いたいという気持ちは変わらん』


絢乃:……まなぶさん


諭:『ん?どうした』


絢乃:……あの、今度、お会いできたら伝えたいことがあるんです


諭:『伝えたいこと?今ではダメなのか』


絢乃:えっと、そうですね。ダメです


諭:『そうか。では、楽しみにしておこう』


絢乃:た、楽しい事じゃないかもしれませんよ?


諭:『そうとも限らんだろ』


絢乃:そうですけど……

えっと、あの。本当はですね


諭:『ああ、なんだ?』


絢乃:アタシも、諭さんにお会いしたいなって……思っていたりして……


諭:『ッ、そうか。ありがとう。私も会いたい』




絢乃:心の声

《時間、どのくらい大丈夫なのかな。もう少しだけ、何でもいいの。話をしていたい》



N弍:通話を終わりたくないと、無意識に話を引き伸ばしている絢乃。お互いの気持ちが高まっているが、その空気に水を差すがごとく女性の声。



諭:『あ?なんだ、なんの用だ。見れば分かるだろ、通話中だ』



N弍:声の女性と気心が知れた仲なのか、タメ口で、しかも下の名前で呼ばれている諭。ゆるい口調で話をすすめる女性が言うには、上官からのお呼び出しのようだ。



諭:『あぁ?またか、あの人は……』


絢乃:えっと、アタシは大丈夫です。行ってください


諭:『いや、どうせ急ぎの用事じゃないから大丈夫だ』



N弍:まなぶの声のあとに、続いている女性の急かす声。あきらかに諭の傍にいるのがスピーカー越しに理解できた。



絢乃:いいからっ、行ってくださいっ


諭:『絢乃さん?』


絢乃:あ、ごめんなさい……。

今、大華はるかちゃんから連絡が来たので。ちょっと、通話を切り上げたくて、ですね……


諭:『そうか。……分かった。またな、絢乃さん。おやすみ』


絢乃:はい、ありがとうございました。おやすみなさい




N弍:軽い切断音で、通話が終了した。スマホを消灯して、ベッドに寝転がる絢乃あやの



絢乃:心の声

《アタシ、なんで嫌だなんて思ったの?女性の声がしたから?でも、相手は同僚さんか、部下さんの誰かのはず。諭さんは、通話を続けようとしてくれてたのに……なんで、アタシは胸が苦しいの?でも、こんな気持ちを持つ資格ないじゃない。だって、アタシは諭さんの恋人じゃない……》


<>



絢乃:……だから、ダメなのよ……



N弍:備え付けのマクラを抱きしめ、顔を埋める絢乃。ホテルの室内にポツリと、吐き出された自嘲じちょうの言葉。その言葉に対して、慰める相手はいない。



(間)



N弍:その頃、まなぶが所属しているアケボノ基地。

基地の外に出て徒歩五分にある官舎かんしゃでの話。



(※不機嫌シリーズ 豆知識

入隊から歴が浅いもの、階級の低いもの、独身の隊員はほとんどが基地の中にある営内えいないという大人数 寮生活をすることになっています。

まなぶは幹部(少尉しょうい 以上)なので営外えいがいにあるマンションタイプの建物(官舎かんしゃ)で寝泊まりをしています。)




諭:はい、ではまた明日、お話を伺います。失礼いたします



N弍:敬礼し、上官の部屋から出てきたまなぶ。ひと呼吸して、眉間みけんを揉んだ。そして、きびすを返し足早にどこかに向かう。

──彼が向かったのは官舎内にある娯楽室だ。談話する為だったり、大型のテレビがあるのでいこいのスペースだ。だいたい入隊歴の長いものが画面のチャンネル権限を握っている場所とも言える。



諭:おい、ここにカセン二等陸曹にとうりくそうはいるか



N弍:出入り口に一番近いカウチソファで自由時間を満喫していた(単身赴任でこの基地に所属している)既婚者きこんしゃ陸士長りくしちょうに声をかけるまなぶ

陸士長は、だるそうに視線をあげるが相手を認識するやいなや飛び上がって敬礼した。そして、早口でかれた人物の所在を告げる。



諭:そうか。わかった



N弍:陸士長りくしちょうの横を素通りする。

声をかけられた陸士長は、緊張が残っているのかガタガタと震え、可哀想だ。他の下士官かしかんらも。

おい、マジかよ…と言った感じだ。なにせ、まなぶは静かに怒っていた。いいや、ブチギレである。まさに般若はんにゃ……いな鬼神きしんといってつかえない。



諭:心の声

《あんのっっっドあほのせいで、私の貴重な時間がつぶれたでは無いか。しかも、上官のもとに顔を出してみれば呼んでもいないと言われる始末。けれど、来たんならついでにと時間を拘束された。》



諭:心の声

《私が所属する隊の女はろくな奴が居らん!特に、カセン二曹にそうは許さん!!断じて、私の息抜きを邪魔だてした返しは耳揃えてもらう!!》




N弍:ずんずんと、進み。中庭に続く勝手口から外に出るまなぶ。そして、目的の人物は夜空を見上げ、立っていた。




諭:見つけたぞ!カセン 二等陸曹にとうりくそう!!



N弍:声に振り向き、ゆるく笑みを返す女性の下士官かしかん。さきほどの陸士りくしとは真反対の態度である。



諭:貴様のせいで、私の貴重な時間がつぶれたではないか!!



N弍:詰め寄り、胸ぐらを掴むまなぶ。なかなかに手荒な真似だが、これは同業者だからしている。

民間人の絢乃あやのなんかは知る由もない一面である。しかし、相手は怯えた素振りを見せることなく言い返してくる。



諭:何が、そんなに気に食わんのだ!!これ以上、邪魔だてするのならば、不敬罪で営倉えいそうにぶち込むぞ!!



N弍:相手は、少し考える。

営倉えいそうというのは、軍人専用の反省部屋みたいなものだ。だいたいが独房のような造りで、誰しも入りたくて入る場所ではない。

だが、相手の答えは ぶち込めるなら、どうぞ。 と言った開き直りである。まなぶのコメカミに青筋がたつ。まだ胸ぐらで済んでいるが、このままだと手を挙げかねない。



諭:心の声

《ああ、この愚女ぐじょが…!人の神経ばかり逆撫でしてきて!私が本気で、異性には手出ししないと分かっていて舐めた口を効いてくる!──腹立たしい!!だから、こんな厄介者を部下に持ちたくないと進言していたのに!!》



N弍:まなぶの怒りの矛先は、自身の上官にまでおよぶ。つまり、自身の置かれた状況に不満があるのだ。相手のカセン二曹にそうからは"異性にカマかけて、士気しきをゆるくさせる少尉しょういがキライです"とでも言うような反抗的な態度。突き刺すような苦言くげん

それを続けている彼女に対し、諭は──



諭:黙れ!!

……もういい。貴様に構っていては、疲れるばかりだ!!

これ以上、余計なことをしでかすなよ!明日の作戦に支障が出たら容赦せん!!



N弍:相手を強く突き飛ばすことで、諦めた。ここで引き下がらないと、相手を医務室 送りにしそうだった。相手から 終わりですかぁ? と返されるものの、ガンと無視を決め、官舎かんしゃの自室へと戻って行った。

夜はける。



(間)



N壱:翌日。ホテルのロビーに備えられているソファーにて、約束の時間に大華はるかが来るのを待っていた絢乃あやの



絢乃:心の声

《……何度、見返してもないのよね。付き合ってください、とか。恋人になって、とかのメッセージ。

いやぁ、改めて言われてないだけで雰囲気で分かるだろ?って言われたら何となくって感じだけど……やっぱり言葉にしてほしいし、確信がほしい……》



N壱:まなぶとの通話のあと、どうしても気分が晴れず。

ここ四ヶ月のチャット履歴を見直して恋人関係なのか、どうかを考えまくった絢乃。

しかし、あいにくとそう言ったヤリトリもなければ最後のチャットは昨晩の通話切断で終わっている。なので完全に寝不足で、少し疲れた顔をしている。



絢乃:はぁー……、せっかくのお出かけなのに楽しめ──


大華:ア〜ヤ〜、ちゃん!!


絢乃:ひょわっ!!


大華:あはは〜、いい驚きっぷり〜


絢乃:んもっ!*ばか、たまげたちゃー!*なんすると!!



(絢乃:標準語「んもっ!とても、ビックリしたじゃなーい!なにするの!」)



大華:*かんべんね〜

ちょっとした出来心だよー



(大華:標準語「ごめんね〜 ちょっとした出来心だよー」)



絢乃:もぅ、心臓に悪いよぉ



N壱:背後から抱きつかれた絢乃あやのはとても驚いたようだ。

ケラケラと笑い飛ばしてくるので反省の色が見えない大華はるか。ふくれっ面を返す絢乃。しかし、そんな大華が目敏めざとく指摘してくる。



大華:んー?なんか、アヤちゃん変じゃない?


絢乃:えっ、どこが?今日は普段よりメイクとか頑張ったんだけど……


大華:あー、いや。

オシャレとかメイクは文句ないくらいに満点だよ。けど、なんか疲れてない?


絢乃:ドキッ)……えっと、ちょっと寝付けなかっただけなの。枕が合わなくて


大華:へー、お腹出して廊下でも眠るアヤちゃんがねー?


絢乃:なっ、いつの話してるのよ!アタシだって変わるの!


大華:あはは〜、まあ、それもそっかー


絢乃:ん?そういう大華はるかちゃんも、なかなか決まってるわね。

お仕事のときの雰囲気に似てる


大華:ふふん!よくぞ、気づいてくれました!題して『弟系カレシ』でござい!


絢乃:ふふ。コンセプトまで決めてくるなんて、さすがね


大華:まあね〜

──(耳元で)今日は、『ボク』がおねえさんを楽しませてあげる。よろしくね


絢乃:ひゃあっ、もぅ、朝から『タイガくん』は刺激が強いよ〜!


大華:あは〜、やっぱアヤちゃんの驚く顔は何度みても楽しい〜


絢乃:もぅ、イジワル!


大華:ありがと。褒め言葉として受け取るよー


絢乃:……でも、本当にそういう格好してると芸能人みたいね


大華:えー、またスカウトされんのは嫌だなぁ

アヤちゃんとのデートを邪魔されたくないー


絢乃:仕方ないじゃない。大華はるかちゃんが美人すぎるのよ


大華:そういうアヤちゃんも十分に美人さんだからね?自覚してぇ?


絢乃:そうかな?


大華:そうだよー



N壱:二人は吹き出して笑う。傍から見れば実に仲のいい恋人のようだ。または、姉弟とも言える。



大華:でね。どうして、こんな気合いの入った格好をしてるかと言うと!


絢乃:言うと?


大華:マナブってやつと偶然にも会うかもじゃん?だから、盛大に勘違いさせてやろうかと!


絢乃:あー……、まあ、営外えいがいでの任務が多いってだけで、そんな偶然もないと思うけど


大華:そう?まあ、面白い反応が見れそうじゃん


絢乃:もぅ、悪い子!


大華:好奇心旺盛って言ってよ


絢乃:でも、……たぶん、大華はるかちゃんが期待してるような反応はないと思うよ


大華:え、何がー?


絢乃:うぅん、なんでもないよ。じゃあ、今日もよろしくお願いしますっ


大華:あいよー。んじゃあ、まずはスタクの新作を飲みに行こー


絢乃:はーい、楽しみ〜



N壱:そう笑いあって、肩を並べ合ってデートを開始する二人。

しかし、絢乃あやのの予想に反して。

まなぶの率いる小隊しょうたいが営外で任務をしていることなど、知るよしもない。



──────────


劇タイトル/ロングバージョン


『不機嫌なお見合い相手にナイショで街に行きました。なんだか不安です。』


─────────

───────


【すれ違い編①】 おしまい


台本 公開日

▷2022年5月20日(金)



【すれ違い編②】に続く〜!

https://kakuyomu.jp/works/16816700427787953461/episodes/16816700428991044936

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