三人用/【すれ違い編②】

こちらの台本は【すれ違い編②】です!


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▶始めに

・台本の自作発言、作品の転載、登場キャラクターの性転換、台本の内容が壊れるような行為は禁止です。

・使用されるときは、不特定多数の目に入るところ(コメント欄やキャプションなど )に『台本タイトル』『作者名』の明記めいきをお願いします。

そのほかの細かい お願い事は【台本利用上のお願い】のページ(▶https://kakuyomu.jp/works/16816700427787953461/episodes/16816700427788115278)を読んでください。


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出会いの話は『お見合い編』/【親の言いつけで〜破談ですよね。】という劇台本です。


"見合い後、交流が続き…なかなか会えない日が続いた挙句…!?" となります。

前作(【すれ違い編①】)、前々作(【長電話編】)と併せて閲覧(もしくは上演)して頂けるとより楽しめると思います。


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【上演 目安 時間】

▶約45分〜


【比率】

♂1人:♀2人:不問0人の3人用


【キャラ紹介】


風神かぜかみ まなぶ/兼役:N壱

▶24歳/国防軍に所属する幹部士官かんぶしかん少尉しょうい

・不機嫌な顔(デフォ)をしている。話し方もぶっきらぼう。真面目で不器用。

・都合上、出番まで間があるのでナレーション兼役でお願いします。



寒原かんばら 絢乃あやの/兼役:N参

▶22歳/大地主の次女

・感情豊かで、子供っぽいところもありつつ素直になれない性格。恋心を自覚したものの、自信が持てずに自虐的な思考におちいる。

・台本の終盤で『絢乃』が退場してしまうので、ナレーションとしての立ち回りをお願いします。



♣️♀島埜しまの 大華はるか/兼役:N弐

▶20歳/絢乃の従妹

・普段は都内の男装カフェで働く指名率も高い給仕係り。オンとオフは切り替えているので、普段はそこまで男っぽくない。けれど、言いたいことは言う遠慮ない性格。

早うくっつけや!!と言うくらいには絢乃の恋を応援している。

・ちょいちょいナレーションとしての役割が回ってきます。


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劇タイトル

▶ロングバージョン

『 不機嫌なお見合い相手と、近しい関係になりたいのに、上手くいかないものです。』


▶ショートバージョン

【すれ違い編②】

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▶台本 本編◀


絢乃:語り

『考えても、考えても嫌な思いばかりが頭をよぎります。相手の気持ちは、本当にアタシだけに向けられたものでしょうか。なぜか、自信が持てず信用しきれなかった。そのせいで、アタシはとんでもない間違いをおかします。

そして、また、逃げ出すのです。ああ、なんて意気地無し。どうして、上手くいかないの。

これは破談されるのも、愛想がつかれるのも時間の問題ですね。』


(間)


──2077年 神無月の頃。

──都内・どこかの繁華街



諭:ヒトマルサンマル。

……これより造反者ぞうはんしゃの洗い出しを開始する。ホシを目撃した場合、ただちに尾行びこう支援要請しえんようせいおこない。ホシが抵抗するようならば威嚇行動いかくこうどう、場合によっては武力行使に移行せよ。また……



(間)



諭:……いくら区画くかく閉鎖へいさすると言っても時間も早い。万が一、迷い込んだ民間人がいれば保護し、区画外への誘導。──民間人を巻き込まないよう行動を心がけてほしい。以上だ。



(間)



諭:……総員、わかれ!!



(間)



N弍:一斉に揃う返事。

部下の前で作戦行動の開始を合図する姿は、正に『指揮官』である。

部下たちが行動を開始する中で、風神かぜかみまなぶの足下で地面にラクガキをしている下士官かしかんがいた。



諭:……カセン 二等陸曹にとうりくそう



N弍:相手をちらりと見やって、ため息ひとつ。未だにラクガキを続けている下士官かしかん──花箋かせん

彼女は、なんすー?と言ったマイペースな態度である。



諭:私は、作戦を開始したはずだ。なぜ、残っている



N弍:石ころで、地面に線を引いたり円をかいたりと意味のないラクガキをしている花箋かせん。顔も上げずに、ノコリモノには福があるでありまーす。と応えた。



諭:──貴様、日頃の行いが悪いから誰も組もうとせんかったのだろう



N弍:やっとまなぶのほうを見た花箋かせん。ジッ…と感情の読めない真っ黒な瞳が見つめてくる。

そのあと、かなり自信ありげに。アタイは、今回の作戦で武力行使があれば実績こそ花丸ハッパでありまーす。とニヤリと笑った。



諭:……武力行使 以外でも活躍してほしいところだがな



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諭:心の声

《昨日の今日で、この揺るがないマイペースさを貫くとはな。……事実、この愚女ぐじょは"戦闘員"としては小隊しょうたいのなかでは優秀だ。いいや、大隊だいたいきっての凄腕のキラーと言ってもいい。

しかし、その凄さを相殺そうさい──無にするレベルに団体行動への興味のなさ、上官への不敬な態度、そして自由気ままな性格が悪い方向に作用し過ぎている。

そのせいで、誰もこの愚女ぐじょを扱えない。否、扱わせないのだ。自分が単なる駒ではないと、そう示すかのように。》



<>


N弍:まなぶは、ため息ついた。早く任務を終えて、上官を納得させたうえで休暇をもぎ取る為だ。そして、もぎ取った休みを使って、想い人である寒原かんばら絢乃あやの貢献こうけんしようと模索もさくしている。



(間)



N壱:同時刻。人通りの多い商業街にて。カフェのテラス席で、和気あいあいと会話する美男(?)と美女が居た。ヒトの注目を集め、それに気にする素振りもなく過ごしているイトコ同士の絢乃あやの大華はるかである。



絢乃:う〜ん!このガッツンとくる甘さが最高!



大華:美味しいー。なっ、アヤちゃん、今回のスターバーの新作なかなかだよ?



絢乃:どれどれ?……んっ、ホントだ。見た目より甘くないし、けっこう後味もさっぱりめね



大華:だよねー。

『ボク』、これにしてよかった〜



絢乃:……大華はるかちゃん、本当に今日イチニチ、その言葉遣いでいくの?



大華:ノンッ、アヤちゃん。今は『タイガくん』だろ?



絢乃:冗談じゃなかったんだね



大華:もちろん。もしかしたら、ばったり会うかもしれないだろー?



絢乃:……かなり忙しそうだし、そう会うことないと思うけど



大華:本当に多忙なんだね。

てか、こっからアケボノ基地ってどんくらい?



絢乃:えっと、地図で調べるかぎりでは50キロメートルは離れてるかな



大華:そこそこ遠いね



絢乃:そうね。いろんな部隊があるみたいなの。敷地も大きくて、陸上基地の本拠点だってことは教えてもらったわ



大華:アヤちゃんの見合い相手って、普通なら知り会うこともない相手だよね



絢乃:……そうだね。普通に生活してればね



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絢乃:心の声

《本当は、お見合いする以前にワンナイトした相手とは言えないわ。さすがに、大華はるかちゃんの良心がカワイソウだもの……》


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大華:なんだっけ、元々はオジチャンと知り合いだったんだっけ?



絢乃:うん、そうみたい。

将棋とか囲碁をアプリ使って楽しむグループがネット上にあるみたいで。そこで、対戦相手として交流してたら年齢なんて気にしない間柄になったんだって



大華:ほーん、ネット文化さまさまなわけだ



絢乃:うん、本当にね。

しかも、この前なんてね。お父さん、お酒 飲んでたせいもあるんだけど。まなぶさんのことを『風神かぜかみくん、きみと家族としてお酒を飲める日を楽しみにしているよ』…なんて言ってて…



大華:あっは〜、よっぽど気に入られてるんだね〜

でも実は、交際なんてしてませーん。なんて言ったらオジチャンもオバチャンも卒倒そっとうしちゃうでしょ〜



絢乃:笑い事じゃないんだけどね……



大華:まあ、でも会えたら告るんでしょ?アヤちゃんから



絢乃:えっと、うん……。

今度、会えたら伝えたいことがあるとは話したんだ



大華:おー、アヤちゃんもらすね〜



絢乃:あ、改まって気持ちを伝えるって難しいんだよ……

だから、気持ちを整える準備くらいしたいものっ



大華:あー、はいはい。むしろ、相手の反応が想像しやすい話だねー



絢乃:急に興味なくすのはやっ!?



大華:とりま、スターバーのやつ飲み終わったら買い物しよー。んで、食事して〜



絢乃:もうっ、自由なんだからっ



N壱:大華はるかは、ほがらかに笑い声を響かせ、絢乃あやのがふくれっ面になった。



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N弍:さて、作戦行動を開始してから一時間と少し。

まなぶの嫌な予感が的中し、閉鎖していた区画内くかくないで交戦が始まった。しかも、諭のひきいる小隊しょうたいから負傷者が出る始末だ。



諭:(舌打ち)……最悪だ。まさか、こちらの説得も聞かずに武力 行使に出てくるとは……



N弍:古いビルの陰に隠れ、先の十字路を見やる。

そこにはナイフを片手に舞を踊るがごとく。華麗な動きで、武力行使してきた造反者ぞうはんしゃ斬殺ざんさつしている花箋かせんがいた。

悲鳴、うめき、血しぶきが舞う。──そして、花箋かせんを襲撃した造反者ぞうはんしゃの残りが動かぬ肉塊にくかいに変わる。たからかに笑い声を上げた。



諭:(深呼吸)……一班!三班!班員で動けるものは、残党ざんとう捕縛ほばくを!

後続こうぞくの二班は、衛生班えいせいはんと協力して回収 急げ!



N弍:まなぶの声に反応した隊員らが路地から駆け出し、行動に移る。

花箋かせんは、ニタニタとギラついた眼差しでまなぶのほうを見やった。実に、血をまとうことに抵抗がなく、あかこのむさまが"戦闘員"としては申し分ない。



諭:……カセン 二等陸曹にとうりくそう



N弍:花箋かせんを呼ぶまなぶ

理性のネジが吹っ飛んでしまったようで、だいぶヤバイ顔つきになっている花箋。呼ばれれば、スキップして諭に抱きつく。獲物を捕まえてウキウキしている肉食獣のようで、血にまみれた顔と迷彩服が何とも奇妙だ。



諭:抱き着くことを許可していないが?



N弍:しかめっ面をするまなぶに対して、ニヒッ…と笑って、抱き着いたまま顔に付着している血を諭の迷彩服にぬぐいつけてきた花箋かせん



諭:なっ!?こっのっ!愚女ぐじょが!貴様ッ、ヒトの服に塗りつけるとは何事か!洗濯が面倒だろう!!



N弍:花箋かせんを押し退けるまなぶ

ざまぁw とでも言うのか、ケラケラ笑う花箋。

諭は心底、嫌そうなオーラを出すも表情筋は動いていない。真顔のまま、キレている。そんな風に、じゃれ合っていれば走り寄ってきた男性の陸士長りくしちょうが諭に別区画べつくかくでも交戦こうせんぼっ発を報告。押し退けた花箋を見る。



諭:カセン 二等陸曹にとうりくそう、まだやれるな?



N弍:花箋かせんは、楽しそうに笑う。任せてよ。自信満々で、実に結構である。



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大華:あははっ、マジおっかしいの〜



絢乃:笑いすぎっ



大華:いやさ〜アヤちゃんの、この変顔とか本気すぎー



絢乃:そういう大華はるかちゃんだって同じくらいヒドい顔じゃん!



N壱:ブランド洋服店の紙袋をげて、ゲーセンで撮ったプリクラを見つつ大笑いしながら歩く二人。



大華:こんな顔、マナブってヤツには見せらんないでしょ



絢乃:そんな顔、見せたことないよ。そもそもまなぶさんは、プリクラなんて撮ったりしないわ



大華:まあ、たしかにー?

話し聞くかぎり、そういう娯楽ごらくとかしてきてない感じー

……つーかさ、アヤちゃんはどんな関係になりたいの?



絢乃:どんなって?



大華:ほらさ。あーやって、街中まちなかでもイチャついてるカップルとか、手繋いで仲良しこよししてるカップルとかあるじゃん

まあ、『ボク』も今ははたから見たらアヤちゃんの恋人に見えてんじゃないかなーって思ったり?



絢乃:……そうね。

たしかに、街中まちなかとか人目を気にせず手を繋いだりして、デートしたりできる仲にはなりたいわね。今なんて、気を使って実家のほうまで来てくれるけど。

アタシだって、バイトしてるからお金はあるし。ちゃんと成人だって済んでるし……もう、与えられるばかりじゃ嫌だなって思うの



大華:……それ、相手に言ったことある?



絢乃:ないわ。

言って、面倒だって思われて会ってもらえなくなったら嫌だもの



大華:はぁー……、遠慮えんりょしいのも、どうかと思うわ。ホント



絢乃:どういうこと?



大華:アヤちゃんはさ。

お見合いのとき、破談したいって思うくらいに嫌な思いしたんだよね



絢乃:うん、そう。会話が続かないし、何を考えているのか分からない人だったし、軍人っていう職業が怖かったのもあったから



大華:なのに、今はアヤちゃんが会えなくなるのが嫌だ。破談されると嫌だ、なんて言い出すなんてさ。進歩なんじゃないの?



絢乃:そ、それは……やっと惚れてるんだって自覚できたからで……



大華:うーん、それもそうだけどさ。元々、破談だって騒いでた側がちたなら言い寄ってた相手からしたら破談されないし、ラッキーなわけじゃん?

ままとか本音をひとつ言ったくらいで会いに来なくなる。……なんてことはないと思うけどね



絢乃:……そ、そうかなぁ……



大華:そうだよ。

だから、自信持ちな!

つーか、アヤちゃんほどの美人さんを振ったりするなら二度と恋できないようたたってやるし〜



絢乃:(小さく笑う)……うん、なんだか気持ちが楽になったわ。ありがと。『タイガくん』



大華:どういたしまして、『絢乃』



N壱:絢乃あやのを抱きしめる大華はるか

泣き出しそうな絢乃をなぐさめるためだ。

しかし、周囲の人(心の狭い人)たちから見たら、舌打ちをしたくなる状況であり、無自覚にイチャイチャしてしまうくらいに仲良しである。



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諭:ぐぅっ……!



N弍:まなぶの脇腹に深々とナイフが突き刺さる。しかも、背後からだ。



(間)



N弍:周囲から小隊長殿しょうたいちょうどのっ!!、少尉しょういっ!と呼ぶ声が路地ろじに響く。別の区画くかくでぼっ発した交戦の鎮圧ちんあつする為、応戦にやってきたまなぶひきいる小隊しょうたいだったが、不覚にも民間人を人質に取られ、対象の保護と主犯の捕縛に人員をいていた。



諭:ッ、キ、サマァ…!!



N弍:そのせいで、まなぶを援護する人員がおらず。物陰から忍び寄った造反者ぞうはんしゃに狙われた。

指揮官のまなぶが倒れたら、士気しきが乱れると判断しての行動だろう。

──血流がめぐり、目の中まで血走るまなぶ。口のはしから血がれるも、迷彩服のそでぬぐう。それでも『鬼神きしん』という呼び名に相応ふさわしい鋭い睨みで、相手を射殺いころす。

刺した相手は、ナイフから手を離して後ずさる。



諭:ものがっ!!これ以上、国防の名に恥を重ねるなッッッ!



N弍 :声を張って、刺してきた相手を裏拳うらけんで殴り、相手のバランスが崩れた瞬間に追撃ついげきで首の辺りに回し蹴りをお見舞いする。



諭:う゛ッ……、クソッ、やりづらい!!



N弍:腰にナイフが刺さったままでの防衛行動は、動きが制限されてしまいいかまなぶ。息を切らす。少尉しょうい!ご無事ですか!の声がかかり、諭が応えようと振り向く。

だが、声をかけたのは仲間ではなかった。造反者ぞうはんしゃも覚悟の上なのだろう。まなぶを壁に押しつけ、息をつく間もあたえずに首を狙ってくる。



諭:だらぁッ、私を舐めるなァっ!!



N弍:軍刀ぐんとう柄頭つかがしらで相手の顎下あごしたを殴り、バランスを崩したタイミングで袈裟斬けさぎり。血しぶきが舞う。



諭:ハーッ、ハーッ……クッッッソが!

私としたことが不覚だった……(深呼吸)



N弍:ナイフが刺さったままなのは、まだ適切な処置がほどせる場ではないからだ。飛びそうになる意識をなんとか繋ぎ止めて、軍刀ぐんとう血振ちぶりし、さやに戻して、空を見上げた。建物の間から冬晴れのどこか白っぽい青空が広がっている。壁へともたれると、血塗ちぬられる。



諭:絢乃あやのさんは話があると言っていた。……私は、それを聞く約束がある……だから、シぬわけにはいかん……



N弍:まなぶは、深呼吸する。自覚しているより深く刺さっているナイフ。呼吸を整えているあいだに痛みが麻痺まひしていることに気づいた。これは、とても良くない状態だと思うが、ふっ…と意識が急にゆららいだ。足元が宙に浮くような感覚。言うことの聞かないカラダに驚きで目を見張るが制御できずにかたむき、地面へと──




諭:心の声

《絢乃さん、待っててくれ、……必ず会いに行く、から……》



N弍:血相けっそうを変えたオッサン下士官かしかん──陸曹長りくそうちょうが地面をスライディングする。まなぶのカラダをしっかりと抱きめた。せわしない足音。

残党処理と人質の保護を終えた部下たちが次々と集まり、意識確認で名前を呼ばれるが、まなぶがそれに応えることはできなかった。



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N壱:かれこれニ時間後。

すでに時刻は、午後三時くらいだ。

またどこかのブランド品を買ったようで、上等な紙袋を新たに提げて歩いている二人。



大華:でね、アヤちゃん。

この道の先に、美味しいケーキとか出してるお店があってー



絢乃:アタシたち、食べ過ぎじゃない?



大華:ダイジョーブ、食べても寝てるわけじゃないし〜。歩き回ってるんだから



絢乃:それは、『タイガくん』は太りにくい体質だか……ッ痛ぁ……



大華:アヤちゃん?



絢乃:うぅん……なんか、急に頭に痛みが……



大華:寝不足のせいじゃない?疲れちゃったなら、他のお店で休む?



絢乃:んー、でもお店はすぐそこなんだよね



大華:まあ、そうだけど。無理ならすぐ言ってね?



絢乃:うん、ちゃんと言うから。案内お願いします



大華:はーい。でね、この先の路地を……あれ?なんか、人だかりができてる。なんか、おまわりさんも居るんだけど



絢乃:事故かな?



大華:えー、それは困るなー。この道からじゃないと行けないんだよねー



絢乃:ちょっと近づいてみる?



大華:そうだね。もしかしたら、横とかから通れるかもだし



N壱:人だかりに近づけば、そのなかでヒソヒソと陰口を話し合ってるオバサンたちの声が嫌でも二人に聞こえた。『道を封鎖してまで迷惑だ。』『これだから軍人は野蛮やばんだ。人殺しめ。』なんとも理解のない者による心のない言葉だろうか。

絢乃あやのは、胸に苦しさを感じた。それを見逃さない大華はるか



大華:好き勝手に言いやがって、あんのババアどもがぁ



絢乃:は、大華はるかちゃん、大丈夫だからっ



大華:あんなこと言われてイイの?たぶん、この先に居るのってアヤちゃんの見合い相手の、知り合いかも知んないんだよ?



絢乃:まえに、まなぶさんの幼なじみさんが言ってたの。

軍人は国防こくぼうを盾にしたれだって。直接じゃないけど、奪った命……失わせた未来があるって……



大華:それは……



絢乃:(涙をこぼす)

だ、から……まなぶさん や 幼なじみさん は自分の命を天秤にかけて国防こくぼうじゅんじすることができるって……



大華:……アヤちゃん、泣くくらいなら大丈夫なんて言うなよ



N壱:絢乃あやのの泣き顔を隠すために抱きしめる大華はるか

今日で二度目だ。やはり、昨晩から傷ついた心が絢乃の情緒を不安定させているのだろう。



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大華:落ち着いた?



絢乃:ぅん、ごめん…なんか、本当は朝からちょっと変だったの…



大華:まあ、たんなる寝不足じゃないだろうなってのは薄々、察してた



N壱:人だかりが少しだけ解消されたが、相変わらず警察官が数人、休めの状態で待機している。しかも、キープアウトのテープとバリケードで道が塞がれたままだ。

それでも待っていれば通れるようになるかも、という考えで、壁に寄りかかって様子見をしている二人。




大華:その、お見合い相手さんと変になった理由ってさ。ホテルでなんかあったの?



絢乃:ホテルでっていうより昨日、まなぶさんと通話したの……



大華:へー、その人。通話とかできるんだ



絢乃:うん、一応は許可された場所なら大丈夫なんだって。だから、その日あった話を何となくしてて、通話終わりたくなくて話を引き伸ばしてたら……



大華:してたら?



絢乃:そうしてたら……、女の人の声が聞こえたの。

すっごく慣れしたんだ仲みたいで、まなぶさんのことも『マナブ』って呼んでて……



大華:あー、たしかに単なる部下とか上司の関係なら下の名前なんて呼んだりしないよな。……それが嫌だったの?



絢乃:うん。なんか、すっごく近い関係みたいに感じちゃって……邪魔できそうにない雰囲気だったから……



大華:そっちにくら替えしたんじゃないかって不安になったと



絢乃:そういうことです……



大華:うーん、それに関してはゴメン



絢乃:なんで。謝るの?



大華:いや、だってさ。元々、計画的にも浮気の調査みたいなところあったし、不安にさせたのは『ボク』のせいでもあるよねーって



絢乃:うぅん、大華はるかちゃんのせいじゃないよ。勝手にアタシが不安になっただけだし、告白されてないばっかりに信用しきれてないのが悪いんだもの



大華:……いやいや、何もかも。はっきりと付き合ってほしいって、言わなかったマナブってヤツのせいだよね



絢乃:そこに話戻るんだね……



大華:当たり前じゃん。

ちゃんとアヤちゃんの気持ちを掴んでれば、こんな泣くこともなかったんだよ?



絢乃:……まなぶさんだけが悪いわけじゃないの。あいまいに交流を続けてたアタシのせいもあるから……



壱:ぽくぽくと考える大華はるか。しかし、すぐに諦めた。



大華:(ため息)……ほんとっ、めんどくさい!さっさと、くっつけー!!



絢乃:もぅ、急に投げやりになんないでよっ



大華:面倒なんだよっ、ウジウジされんのだいっ嫌いー!アヤちゃんには笑ってて欲しいのっ!



絢乃:ッ、大華はるかちゃん……



大華:嫌なんだよ。

『ボク』、もう見たくない。アヤちゃんには幸せになってほしい。綾子りょうこねぇちゃん みたいに政略的な結婚して、寂しい思いするなんてえらんないよ



絢乃:ごめんね、迷惑かけて……



大華:いいよ。迷惑なんて思ってないし、モダモダしてんのがイラつくだけ



絢乃:本当に、大華はるかちゃんは良い子だね。

アタシ、あなたが優しすぎて困っちゃう



大華:優しくないよ?



絢乃:優しいよ



N壱:二人は吹き出して笑う。何だか、気持ち的に笑ったほうが軽くなると思ったからだ。



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大華:……にしても、いつになったら通れるのかな?



絢乃:そこの迷彩服の人に聞いてみよっか



大華:へー、あの格好が軍の人なんだね。つーか、答えてくれると思う?



絢乃:大丈夫だよ。国防の人だもん。

一般人には優しくするようにしてるって、まなぶさんが言ってたし、そもそも機密情報じゃなきゃ邪険にはされないと思うの



大華:そう。じゃあ、ちょっと聞いてくるよ



絢乃:うん、お願いします


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絢乃:心の声

《こんなところにも、軍の人って活動しに来るのね。全然、知らなかった。……まなぶさんに会いたいな。まあ、まさか。ここに居るわけないわよね。いくら営外えいがいでのお仕事が多いからって、そんな偶然。》


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絢乃:あ、れ……?



N壱:バリケードの先で、迷彩服の人たちが何やら喜びあっているのが見れた。

しかし、絢乃あやのの視線はその中心にいる人物に向けられる。

その中心の人物は、迷彩服の上着を肩に羽織るようなちで、申し訳ない、そう口が動いたのを見た。絢乃の胸が高鳴る。




絢乃:心の声

《えっ、うそっ…なんで?

あれ、絶対にまなぶさん、よね?どうして、こんな所にいるの??

えっえっ、そんな偶然ってあるものなの?

まさか、この先でお仕事してたのって諭さんが担当してる部隊の人たちなの!?

あれが、戦闘服!初めて見る服装だ〜!と、というか!なんでインナー着てないの!?腹筋、見えてるっ…!!》




N壱:アワアワ、ドキドキ…と一ヶ月半ぶりに目撃したナマの見合い相手(絢乃はやっとこさ『恋心』を自覚。)の衝撃に声をかけられず、その場に固まってしまう。



大華:おーい。アヤちゃーん、お待たせー



絢乃:あっ、えっ、うぅん!大丈夫っ



大華:そう?つーか、顔真っ赤だよ



絢乃:えっ、あーいやー。

なんかね。うん、そう急に暑いなーって



大華:熱でもあるの?



絢乃:えっ、ないない!ないよ、たぶん……



大華:うん、たしかに熱はないね。汗はすごいけど



N壱:素早い動きで、絢乃あやののおでこに手をあてて熱がないことを確認した大華はるかだった。



絢乃:そ、それで?この先は通れるようになるの?



大華:いや、残念だけど明日の早朝まで通れないってさ。かなり丁寧な対応してもらったよ



絢乃:でしょ!軍の人って怖いだけじゃないのよ?



大華:あはは…!なんで、アヤちゃんが自慢げなのさ



絢乃:えっ、えへへ、なんかつい?



大華:まあ、通れないなら明日のお昼にでも再チャレンジしよっか



絢乃:うん、そうだね〜



<>


絢乃:心の声

《あの感じなら、まなぶさんは部下さんたちからしたわれているのね。実力が評価される国防官こくぼうかんとしての職場は、諭さんの天職ね……》



<>



N壱:声はかけられなかったが、普段みられない仕事中のまなぶを視界におさめることが出来て、一安心と嬉しさで ご満悦まんえつの絢乃。

しかし、その気持ちもすぐに吹き消えるはかないものであった。



大華:うわぁ、何あれ。大胆だいたんだなー



絢乃:えっ……?



大華:軍の人ってさ、やっぱ同じ職場の人と付き合ったりすんのかね



N壱:絢乃あやのは、血の気がひいた。大華はるかの言葉が ほぼ聞こえていない。

声につられて、見た方向。なにせ、そのさきで服のえりを掴まれ、引き寄せられるカタチでキスをしているまなぶと迷彩服だが見知らぬ顔の女性(犯人は花箋かせん)が居たからだ。



(間)



N壱:瞬時に、周囲の迷彩服の人たちが女性をまなぶから ひっぺはがし、女性を叩いたり、口々に何か言っている。まなぶも唇を腕でぬぐって、苦虫を噛み潰したような忌々いまいましげな顔に変わった。



<>



絢乃:(小声)……そ、んな……ウソよ……



大華:は〜、すごいの見ちゃったなー。

あれ?アヤちゃん、どったの?



絢乃:信じらんないッ……、アタシに気付きもしない癖に、何よッ……



大華:え、どういうこと?なんで、怒ってんの??



絢乃:(深呼吸し)

まなぶさんのっ!!バカァァァ!!



大華:えぇっ…!?あ、アヤちゃん!?!?



N参:荷物をほっぽり出して、絢乃あやのが駆け出してしまう。

貴重品きちょうひんのカバンさえも置いていってしまうので、唖然あぜんとする大華はるか



大華:う、うそぉ……

何が起こってんの?つーか、全部置いて行っちゃったし、これ連絡つかないやつじゃんよ



諭:おい!そこの青年!!



大華:は、はい!?


<>


大華:心の声

《うわっ、さっき堂々とキスしてた人じゃん。まさか記憶から消せとか言い出すんじゃ…?》


<>



N参:(普段より数倍は顔つきがいかつい)不機嫌な顔でズカズカと近付いてくるまなぶに驚く大華はるか

バリケードの手前でピタッと止まって、大華を見やって口を開く。



諭:今、そこに居た女性は貴方あなたの知り合いか



大華:そうですけど。軍人さん、どなた?



諭:私は、風神かぜかみ まなぶだ。

先程、貴方と居た女性は 寒原かんばら絢乃あやのさん で間違いないな?



大華:えっ、おにいさんがあのマナブってヤツ?



諭:あの、というのは何なんだ



大華:あー、ごめんごめん。気にさわったかな。

けどさ、『絢乃あやの』はおにいさんとの関係に不満みたいだよ?



諭:不満?どういうことだ



大華:(ニヤリ)……だって、そうでしょ?仕事場に本命がいるなら『絢乃』で遊ぶ必要ないと思うけど。

つーか、だいぶ酔狂すいきょうだよね。

『絢乃』をまどわせていじるためだけにあのド田舎の遠方まで、はるばるとやって来てさ。その労力は見習いたいよ



諭:おい、待て。貴方の言っていることが、まったく理解できない。

貴方は、絢乃さんの何なのだ



大華:『ボク』は、『絢乃』をよく知る人間イロだよ



諭:イロ、だと?……貴様ぁ!!その言葉、撤回てっかいするなら今のうちだぞ!!



N参:大華はるかの上着の襟を掴むまなぶ。軍人特有の圧と力強さに呼吸が詰まる大華。逃げ出しそうになるが、自分で撒いた火種だ。何とか心を叱咤しったして耐える。


<>


大華:心の声

《やっべぇ、ばっっっか怖い…!アヤちゃんってば、こんな人と付き合ってんの??いや、まだ恋人じゃないのか。いや、そんなことより誤魔化しながら逃げられるように隙を狙うしか……》


<>


大華:あははっ、嫌だなぁ…なに怒ってんの?勘違いさせるような関係を続けてる おにいさん が悪い──



N参:こぶしが振り上げられた。これを叩き込む前に撤回てっかいしろ、そう言わんばかりだ。



諭:青年。もう一度、う。貴様は、絢乃さんのなんだ?



大華:(涙目)……ご、ごめんなさい!調子のりました!!

『ボク』は、アヤちゃんのイトコです!!



諭:イトコ?

……(小声)ああ、そう言えば、そんな話を昨晩の通話でしてくれたな……

(ため息)──青年、よく覚えとけ。あおる相手は選ぶべきだとな



大華:す、すみませんでしたぁ……



N参:えりから手が離され、腰が抜けてしまった大華はるかは、その場に尻もちを着くようなカタチで座り込んでしまう。

まなぶは、背後を一瞥いちべつして制止のハンドサインをした。少し離れたところで部下の隊員たちが騒動を止めに入るかいなかでスタートダッシュを決めそうな状態で待機していたからだ。



諭:イトコの青年、きたいことがある。

……なぜ、絢乃さんがこの街に居る?



N参:尻もちを着いた大華はるかを鋭い眼差しで射抜いぬまなぶ

その瞬間に、バリケードのキープアウトのテープをくぐった陸士りくしの青年 が大華はるかに手を貸して、立ち上がらせてくれる。

誰かに支えてもらう状態で会話を続けるのは、大華としても少しだけ恥ずかしい。陸士の青年に、すみません、と言葉にする。



大華:アヤちゃんが、寂しがってたから気晴らしに連れ出しただけです



諭:やはり、寂しい思いをさせていたのか。……そうか、それは私の不手際ふてぎわだったな



大華:一応、泊まりがけなんで。アヤちゃん、宿泊してるホテルにでも帰ったんじゃないかな



諭:貴方も泊まっているのか



大華:いえ、『ボク』は社宅しゃたくがあるんでそっちです。

アヤちゃんってば、荷物を全部置いて行っちゃったし、あとで届けには行きますけど



諭:そうか。……貴方は、普段からこの街に?



大華:はい、出入りしてるし、暮らしてますよ。ぶっちゃけ都会に戻って来ないかって過去に誘ったのも『ボク』ですし



諭:そうだったのか



大華:はい



<>


大華:心の声

《そろそろ終わらないかなぁ、この質問タイム。この人が上官だとしても、部下さんも見知らぬ人のカラダを支えんのは大変だろうし……

まあ、腰抜けちゃってるから、しばらくはムリだけどね!》


<>



諭:それと。なぜ、絢乃さんがあんなに怒ったと思う?



大華:え?



諭:なんだ



大華:えっ、無自覚……??



諭:は?



大華:あ、いえ。なんでもないっす



N参:まなぶの睨みつけにカラダが強ばる大華はるか。部下もその目付きに当てられ、緊張の糸が張り詰める。



諭:なんでもないわけがない。何かあったから、人前で私を怒鳴ったのだろう



大華:えー、えっとですね……、

今から言うことに対して、おにいさんは『ボク』のこと殴ったりしません?



諭:内容による


大華:あー、ですよねー……



<>


大華:心の声

《実は女ですー。殴らないでくださーいって言えたら、少し空気が変わるのに。なんで、こういう時に限って正体がバレないんだろう…》


<>


N参:ちなみに、大華はるかを支えてくれている陸士の青年のほうが身長は低い。だが、鍛え抜いた肉体のお陰で難なく支えており、触れているところの肉付きから大華が『女性』だと言うことは察している。



諭:それで。私の怒りを買うかもしれない内容とは、なんだ?



大華:えっと、まずもって。

アヤちゃんは、おにいさんと女の人がキスしてたのを見てましたよ。バッチリと



諭:(舌打ち)あれを、見られていたのか。……あれは、あの愚女ぐじょの悪ふざけだ



大華:ぐじょ……?まあ。悪ふざけかは、置いといて。ここからが重要な話です



諭:なんだ?



大華:アヤちゃんは、おにいさんに、遊ばれてるって思ってますよ



<>


大華:心の声

《まあ、この意見は『ボク』からの仕返しってことで。

アヤちゃんはやっと気持ちを自覚したぽいけど。

この、おにいさんとは"今のとこ"恋仲じゃないし。間違いじゃないよね》


<>



諭:それは、どういう事だッ



大華:ひぃっ……!

あのっ、『ボク』にキレないでくださいよっ

『ボク』は、おにいさんとの関係に!アヤちゃんが悩んでるのを相談されて、だったら気晴らしに遊びに行こって誘っただけで……!

本当に、この場に居合わせたのも偶然だったし!おにいさんが居るなんて思わないじゃん!!



N参:まなぶの怒りにあてられ、怯えて答えられることを全部、答える大華はるか

さすがに、浮気の調査に来ていたというのは言えまい。しかし、実に可哀想である。支えている陸士の青年も気まずい。



諭:(舌打ち)

──陸曹長りくそうちょう!現在時刻、ヒトゴー ヨンサン(15:43)!

今から、この場の指揮は貴官きかんに代行してもらう!!

私は、これから私用により場を離れる!この件についての処罰は、コトが終わり次第に甘んじて受ける!!大隊長だいたいちょうおよび中隊長ちゅうたいちょうにも、そのように報告を頼んだ!!



N参:急な宣言に戸惑とまどいを見せる周囲だったが、まなぶと長い付き合いの陸曹長りくそうちょうあきれたようにしつつも『了解』と声を張った。まなぶ大華はるかに向き直る。



諭:絢乃さんの荷物は?



大華:あ、えっと。このカバンとこっちの買い物した紙袋四つかな



諭:預かろう



大華:えっ、おにいさん。

まさかアヤちゃんのとこに行くの?



諭:無論だ。今、行かなければ誤解はとけない



大華:あら、そう……

(小声)こういうスパッとした男らしさに惚れたんだろうなぁ……



諭:他に、伝言はあるか?



大華:あ、ホテルはイー区のメイビーっていう名前です。灰色の壁で五階建てのやつ



諭:了解した



N参:荷物を受け取り、そのまま颯爽さっそうとバリケードを越えて、走り出す諭。後ろから『ったんだから傷口だけは開くなよォ!!』の声が追いかけた。



大華:えっ、あの人 ケガしてんの?!



N参:大華はるかを支えている陸士の青年が、コクコクと頷いて肯定こうていした。大華は、呟いた。



大華:……なんまら(※想像以上に)、面倒っちゃ……



<>

<>



諭:語り

『想いは伝えてきたはずなのだが、どうも相手にとったらそうではなかったようだ。ならば、言葉にするだけがダメだと言うのなら、行動で示そう。逃げるというのならば、私の二つ名にかけて捕らえるのみ。絶対にだ。』


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──────────

〜劇タイトル/ロングバージョン〜


『不機嫌な お見合い相手と近しい関係になりたいのに、上手く行かないものです。』

─────────


【すれ違い編 ②】 おしまい




台本公開日・2022年6月10日(金)




【すれ違い編③】に続く!!

https://kakuyomu.jp/works/16816700427787953461/episodes/16816700429205929375




台本公開日

▷2022年6月13日(月)

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