第166話 強敵
なんか袁紹派閥と揉めてケンカしてたのに、いきなり
なんで?!
うう、霊帝が
って、これ、袁紹さんの宦官皆殺し
まずい、
まって、落ち着いて私。えっと。
とりあえず……今すべきことは……。
いま、張遼が門前に来てて、楊奉さんが迎撃に行ってて……あっ?!
「楊奉さんっ、危ないから一騎打ちはやめてっ?!」
と声をかけたところで、楊奉さんが三合と打ち合えずぶっ倒れて居ました。
……あ、はい。
「みんな門まで退いてっ!あと楊奉さんを回収!」
あまりの張遼さんの強さにびびっていた護衛信者さんを叱咤して退かせます。
門は完全に袁紹派閥の兵に占拠されてしまいました。
このまま、一般信者の群れに相手の兵がつっこんできたら大混乱です。どうしよう……。
と思ったら、一般信者さんたちがほとんどいません。
そこに裏門に派遣していた趙雲さんが護衛信者を率いて戻ってきました。
「裏門の敵兵は蹴散らしました!一般信者はすでに逃がしています。巫女さまも早くお逃げください!」
さすが。
「じゃ、じゃあ、それと新帝……は無理だから
「ご安心を、もう向かわれました」
誰が?
正門の方から名乗り声がします。
「誰かはしらないが、夫の留守に人妻を襲うとは
たった数日合っていないだけで懐かしい背中が。
公明さん戻ってた!!!
「宦官に協力する邪教の教祖か!我は并州の張文遠。大人しく成敗されろ!」
応援しなきゃ!
と正門の方に向かおうとしたら、趙雲さんに先回りされて通せんぼされます。
「巫女様はこちらです!必ず逃がすように仰せつかっています!」
「う……」
いや、わかる、わかるんですけど、相手は張遼なんですよ。
旦那様だってまぁ勝つでしょうけど、無事では済まないかも。ここは我が教団の全力で当たるべきでは……
でも、趙雲さんの表情が固まっちゃってるから、理詰めで説得しても無理そう……。
「趙雲」
「はっ」
えっと、三国志では……。
「并州刺史、丁原の兵が洛陽に入っています。これは袁紹が何進大将軍を騙し、地方の兵を集めて宦官を討とうとしているのです。しかし、袁紹は宦官を倒した後のことを考えていないため、地方の軍閥に政治を奪われ、天下は麻のように乱れ再び戦国乱世の世が訪れることでしょう。すべては私の予言どおりです。父上が軍を率いてこれに参加されると大きな災いがあるため私は反対していたのです」
急にすらすらと喋り出した私にびっくりした趙雲さんがまじまじ見つめてきます。
なんとか言葉を絞り出して。
「……なんと恐ろしい、なんとか防げませぬか」
「まずは丁原の兵を倒し、袁紹の野望をくじくのです。さぁ、公明さんを助けて!はやく!私の夫に傷がついたらどうしますか!」
「……かしこまりました!」
正門近くでは、張遼を先頭に屋敷の中に押し入ろうとする并州兵を、公明さんが護衛信者を率いて何とか押しとどめています。
その先頭では張遼が戟を繰り出し、繰り出しして公明さんに打ちかかっていますが、旦那様も槍をふるって一合、二合と打ち合って一歩も退いていません。
三国志でも指折りの猛将同士ですが、両方魏の人なので史実ではどちらが強いとか分からなかったはずです。
であれば、本人たちの経験と技量、そしてウチの旦那様はずっと趙雲さんと鍛錬をし続けてきたことを知っています。
だから、きっと旦那様が勝ちます!武人らしく一対一で戦っても!
「でも、確実に勝ちたいので横から殴りかかってください」
「はっ!」
カキィン!!
私の言葉にあわせて、趙雲さんの猛烈な横槍が繰り出され、張遼さんがひるみます。
「くっ?!何をする!一騎打ちだぞ!」
「知らん、巫女様は勝てと仰せだ」
「おのれ、悪役め!?」
張遼さんが毒づきますが、趙雲に公明さんの豪傑ふたりに同時に打ちかかられて、さすがにたまらず退きます。
よし、安全に勝てそうです!
と、思っていたら、并州兵の後ろから大きな影が差します。
見上げるような大男が、戟を振り回しながらやってきました。
目を怒らせながら、戟を一気に趙雲さんに向けて振り下ろします。
寸前で身をかわす趙雲さん。
ガシッ!と大きな音を立てて、地面の土がめくれあがり、
土埃が舞います。
「……何を手間取っている、文遠」
「す、すまない。この賊どもがなかなかやる……」
あの張遼が言い訳をしています。
大男がこっちを睨み、趙雲さんと公明さんに戟を向けました。
「こんな敵はさっさと片づけて、宮中にいかねば手柄にならんぞ」
「そうだな、
……りょりょりょ、
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