第103話 軍事には詳しくありません
そうそう。私は、軍事は詳しくないし、戦争の話もあんまり聞きたくないんです。
「盗賊ですよ!?早く捕まえて牢屋に入れないといけないんです!それをあの
「だからってよぉ、百も二百も騎兵を大勢ェ引き連れてよ?今にも戦争始めますみてえなナリで練り歩いていいわけじゃあねえだろ」
こんにちわ。男装美少年官吏の董青ちゃん14才です。私は軍事は詳しくないですし、戦争とかもいやなんですが、なぜか戦争を始めようとしてた疑いで
「騎兵じゃないです、騎馬信者……ただの馬商人ですよ?」
「ただの馬商人があんな武器持っちゃってんのか」
「物騒なんです、ほら、盗賊が出るので」
というと孫堅さんは広い肩幅をすくめて、頭をボリボリと掻き始めちゃいました。
うーん、こんなところで捕まってる場合じゃないんですが……。
― ― ― ― ―
何があったかというと、お茶が欲しかったんです。
石炭の販売と陶器の販売を促進するために、美味しい飲み物を広めようと思いました。
あと、自分でも普段から飲みたいんですが。
お茶って、高いんですよね。
高い理由は遠い遠い長江流域からはるばる何人もの商人の手を経て運ばれてくるからです。
なので、直接買い入れたら安くなるかと思ったわけです。
なので、余った銭を行商信者さんに貸し付けることにしました。
その朝仕入れるものを買う銭を貸して、売り上げで夜に返してもらいます。
利息は100銭につき1銭ということで大変良心的です。
まぁ、すぐ売り切れるわけではないので3日間までは同じ利息としました。
出入りの商人にまとめて降ろすよりも、小売したほうが利幅が大きいので教団の生産物の売り上げも上がりますし、力の要る採掘や、技術の要る製造に向かない人でも銭を稼ぐことができるのです。
で、その新しい商品としてお茶を大量に仕入れようと考えた私。
遥か
旅程は
が、なんと、買い付け隊が長沙で盗賊に襲われます。
信者が傷つけられ、銭を奪われてしまいました。
しかも、買い付け隊の信者さんたちが長沙の
これでは話にならないと考えた私は、太守に直接訴えるべく長沙に向かうことにしました。
馬商人となることにしたのです。
……戦争なんてしませんよ?太守に討伐を訴えるにも自衛が必要じゃないですか。
公明くんも「これぐらいは必要です」って言ってましたし!
少人数で少しずつ洛陽を通り過ぎます。
大都市の許や宛は素通りし、
まるで双子のように川を挟んで二つの
ここは三国志では大激戦地ということで、
「そうだ、ここが公明くんが活躍する場所ですね」
「……そうなんですか?僕が何かしましたか?」
あ、まだしてないか……。されたら困りますし。
公明くんが怪訝な顔をしていたので、適当にごまかしておきました。
そこから船にのって漢水を一気に江夏まで下ります。
なお、漢水をさかのぼると漢の国名の語源となった漢中があります。
こっちも三国志の激戦地の一つですね。三国志で
江夏まで来るとついに長江です。
いや、水量が本当に豊富ですね。10分の1でいいから長安支部に貰えませんかね。
塩を洗い流したいんです。
船から周りを見渡すと、あちこちに水田があり、稲作をしているのが分かります。
河東郡や長安で水がないのをあれだけ苦労しているのに、なんで江南の人たちはこんなに豊富に水をつかって稲作ができるのか。
高温多湿で雨が多いからですね。気候が全然違うわけです。
ちょっと湿度が高くなってきたせいか、北の出身の騎馬信者さんたちがちょっと疲れ気味ですね。
というか私も暑い……。男装してて服をきっちり着込んでるからさらに暑いんですが、治安の悪いところに行くのに服をくつろげるわけにいきませんし。
こうなるとカラっと乾いて涼しい黄河流域の気候が懐かしいです。
私も、やはり涼州の産まれ。高温多湿は性に合わないようで……
日本とか灼熱地獄でしょうこれでは。
さて、長江を下る船とはいったんお別れです。
そこから長江をさかのぼって、
おかしいですね?
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