第62話 納采(ゆいのう)の相場
また5日が経過して、
さて、今日はお休みなので、普通に董家のお嬢様モードです、
でも前のお休みの日は大変でした。
無事にお見合いを強要してくる
「青、お前なぁ、もう
「それは助かります」
「困ってんだよ!?」
董旻叔父様が困ったような顔で愚痴ってきますが、そもそも私はまだ結婚したいわけではないのです。
そう、いつか、かっこよくて大人で落ち着いてて実力に裏付けされた自信にあふれた白馬の王子様が迎えに……。
カポカポ……と速足の
「青!迎えに来たよ!」
「……頼んでませんよ?!」
門の外には白馬に乗った匈奴の王族、
……
……
とりあえず門の前で叫ばれると近所さんが嫌な目で見てくるので、中に入ってもらいます。
毛皮の服を着た匈奴さんが数名どやどやと入ってきたので、急に異国の雰囲気が。
そして豹くんはいきなり私に語りかけます。
「豹が求婚しているのに、勝手にお見合いさせるなんて酷いよね、だから一緒に逃げよう」
「お見合いしてませんし断りました!!」
なんか久しぶりに会ったのに話が急ですね。うーん、落ち着きと年齢と実力と自信をもう少し身に着けてくれるといいんですが。私だってまだ子供なんですし。
「おうおう、匈奴の王族さんよ。うちの子に求婚するならまず
「え、10頭でいいの?じゃあなんとか」
「簡単に売らないでください!!買わないで?!」
やめて、話が早いのやめて。あと軍馬10頭って10家族の1年の生活費ぐらいしますよね……あれ、私、結構高い?
いや、そうじゃなくて勝手に売らないでください。
「そもそも匈奴からの求婚は父上がもう断ってます」
「うーん、青は名士の家に嫁入り厳しいから匈奴にいくしかねえとおもうんだがなぁ。あとあの様子なら50頭は取れそうだな」
それはかなり高いですね……一生は生活に困らなさそうな……って自分を売ってどうするんですか。
……話題を替えましょう!!!
「豹くん、
「え?うん、落ち着いてたね。
鮮卑というのは漢朝に敵対的な異民族です。先代の
「ただ、黄巾党の残党が并州にもいるみたいなんだ」
「それは嫌ですね、黄巾党に入るような人を増やさないようにしないと」
「
「あ、ありがとうございます……遠くから来たから疲れたでしょう?
そうだ、いいものが」
麦茶と
「青の料理は久しぶり……美味しいな、疲れてるからとても染みるよ」
「美味しい?良かった♪」
……ほら!これが正しい反応ですよ司馬さん!?
劉豹くんの表情が嬉しそうにニヤケてますが、美味しかったんでしょう。本当に食べ意地張ってますねー。
あ、泊まっていくなら
……
……
「ふむ、お嬢様はあの男が好きなのか?」
「違うのじゃ……お姉様は自然に優しいだけでやってるのじゃ。求婚されているのに、結婚しないと言い張って……」
「しかし、それは分かる。お嬢様のお相手なら大英雄であるべきだ。あの方ではまだまだ子供だな」
「子龍さん、公明くんが死にそうな顔してるから手加減してあげるのじゃ」
ー ー ー ー ー
劉豹くんを見送って、しばらくして、また別の休日。
男装した官吏風の私は、公明くんと子龍さんを連れて、洛陽の大きな商家を訪ねていました。
楊奉さんのお手紙には河伯里や白波谷の拠点が順調に拡大していること。そして黒山軍の拠点にも
そう、生産が伸びているのです。順調に。
販路が足りないぐらいに。黒山軍で生産も始まったら、戦乱で荒れた冀州には売れませんから、平和な地域で販売しないといけません。
たまに荷馬車を洛陽の市場に出すぐらいでは追い付かないので、大口の売り先を確保したいのです。
というわけで、洛陽でも有数の大商人の呂氏という家を訪ねた私。
「おお、董家の若い文官ではないか!」
「
「いや、
そう、呂さんちに居られたのは、三国志の主人公の一人、
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