第52話 劉玄徳という人間
男装美少女商人の董青13歳です!今日は女官はお風呂休暇なので仕事ができます!やったね!
というわけで洛陽城内の
私はあわててお辞儀をします。
「
「おお、
そういうと
「恥ずかしくない武者ぶりでしたと、
「いやぁ、大勢の怪我人だしてまで戦ったのに、その後が……俺はもう情けなくてねぇ……」
くくっ。と泣きそうになる劉備さん。いや、何があったんですか。
「いや
大げさな手ぶりで喜びを表す劉備さん。なんか話し方が上手くて引き込まれますね。で、どうしたんです?
「
「おお、悪い人ですね」
「そうだろう?俺の尊敬する
うんうん。
「すぐさま、
聞いたことあるーーー?!!!三国志でも有名な事件の一つですよね?!
「いや、よっぽど懲らしめてやろうかと思ったけど、泣いて命乞いをするから許してやったんだ。で、抗議の辞職ということで、県尉の
「いや、許す前に殴ってたでござろう。玄徳兄」
「泣いて謝るまで殴ってたな、玄徳兄」
あれ?それをやらかしたの三国志では
うんうん、まぁ、賄賂が嫌いで元気なのはいいことです。でも劉備さんって割とヤンチャするんですね。三国志ではもっと聖人君子みたいな印象だったんですが。
「というわけで、俺の無実を証明するため、
けっこう有罪な気がしますが。
「復職されたんです?」
「おお、
……あー、董卓パパの悪口言った上奏ですね。いや、盧植さんを褒めるのはいいですよ。なんで董卓パパを悪く言うんですかね。
「お……どうしたんだ
一気に機嫌が悪くなった私を察したのか劉備さんが話題を替えます。
この人、話が上手いうえにこういう気づかいもすごいですね。
「あの、私はただの
「木鈴さん」
あれ、劉備さんちょっと頭をひねってますね。うん、どちらかというと女っぽい名前ですけど、気の利いた偽名も思いつかないので……。
「あ、
「なるほど……これはなんですかい?」
劉備さんが荷馬車に並べた商品を指さします。
「こちら河東名物の
「すまねぇ。おっ、美味い。干した果物が入ってるのか。しかも口当たりがいいなこりゃあ、サクサクとして溶けるみたいだぜ?」
劉備さんの好意的な
「あ、雲長様、益徳様もどうぞ」
「かたじけない」
「酒はないか」
ないですよ。
「いや、これは美味い!しかも違う
「うむ、甘すぎず、塩辛くもなく、じつに均衡と調和がなっておる!」
「酒に合うと思うんだ、酒ないか」
ないというか、
なんかちょっと味見してもらっただけなのに、三人兄弟がめちゃくちゃ陽気に騒いでます。もともと福耳で手が長い陽気な人の両側に武神みたいな二人が引っ付いてて目立つ三人組だというのに、さらに目立っちゃってますね。
周りに人が集まってきました。
「いやぁ、これこそ天上の仙果にも勝るとも劣らない絶品!
「あ、はい……」
めっちゃくちゃしゃべりますね劉備さん?!
なんか圧倒的な連続攻撃にくらくらしながらも、なんとかお土産用に包んでお渡しして、三人兄弟を見送りました。
「売ってくれ!」
「私にも売ってくれ!」
「是非食べてみたい!」
その途端、周りで見物していた人たちが一気に殺到してきました。
「じゃあ、また」
劉備さんが目くばせして去っていきます。
ありがとうございます!!
その日の売り上げは新記録でした!ちゃんと私や公明くんにお手当も出せましたよ!
※韓非子 「象箸玉杯」 昔の紂王という悪い王様が象牙の箸を作ったのを見て、大臣が「象牙の箸なら翡翠のお椀が欲しくなる。ならば食べるのも象や豹の肉になる。となれば服や宮殿も豪華に作り直したくなるだろう。象牙の箸に合わせたら無限に贅沢が続いてしまう」と嘆いたことをいいます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます