第9話 新興宗教
天 歳 黄 蒼
下 在 天 天
大 甲 當 已
吉 子 立 死
ネズミ年っていつだっけ?!!
えっと、私、
生まれから数えると、
……今年はイノシシ!
だから、やったー。来年がネズミ年だね!!!
「三国志が始まっちゃうーー?!!」
「……だ、大丈夫かい?
「あ、お茶、ありがとうございます。……でもお茶は高いでしょう?」
「もう淹れてしまったし、そんなことを子供が気にしてはいかん」
すみません。董卓パパに謝ってありがたくいただきます。
ちなみに周りの皆は湯冷ましか、
いや、他の飲み物甘いかお酒かタダの水なんでお茶は本当に美味しい……。
ふむ、三国志がそのまま始まるとなると、董卓パパが大魔王ルートに入ってしまって、私も皆殺しエンド一直線ですね。いや、董卓パパは優しいから大丈夫と信じたいですが、敵とみなしたら容赦ないってのをこの間見ちゃったので……。
そもそも黄巾の乱は
よし、黄巾の乱を止めましょう!!!
私は董卓パパに向き合いました。
「お話が」
- - - - -
黄巾の乱を起こす、黄巾党というのは本名を
「で、その、太平道の人たちが反乱するので、このままでは大勢の人が死にます。何とか止めれませんか?」
「な、なんだと……?」
突然の告発に董卓パパも驚いているようです。
「……
「えっ……、あーー、そのーー。あれです。お告げです」
なんか本で読んだ記憶が急に湧きましたなんて言えるわけもなく、もうお告げで押し通すしかないですね。
「なるほど、お告げか……ふむ」
いや、通るんかい。董卓パパはなんか真剣に考えこんでいるようです。
「たしかにあやつらは
「……なんでここで牛義兄様が?」
「あやつ、太平道に入信しとる」
おおう?!!
義兄上……またいきなり、なんてモノにハマって……!いや、確かに迷信深いなぁとは普段から思ってましたけど……董卓パパもどこに見どころがあってお姉さまを嫁がせたんですかね?
これでは黄巾の乱が始まる前にウチの一族が討伐されちゃいますよ?!
「いや、あまり良くはないんですよ?えっと、たしか太平道はお
「ないじゃろう、ああいう
董卓パパがニヤリとドヤ顔をなさいます。実にドスが効いていて怖いです。
「つまり、ウソですね!こうやって、信者を集めてあちこちで武装蜂起するのです。とっちめましょう」
「
「むむむ……証拠……はないですね。こういう落書きが東門の城壁にありました、これはきっと
蒼天已死……と書いて見せます。
「これは文言は不穏じゃが、太平道の連中が書いたという証拠がないではないか」
「あれ?そういえばそうですね??」
あー、またやらかしちゃいました?たしかにさっきからの私の発言って決めつけてばっかりで何の証拠もないんですよね。ひょっとして不思議ちゃんに見えちゃってます??
「ふむ……」
びくっ。
董卓パパが一声はさんで座りなおされました。こちらを振り向いて、これはまた怒られるんでしょうか……
「ところで
「は、はひ」
「太平道が病人をだましているとしたら、
え、お説教じゃないんですか?
「え、その、灰を溶かした水とか飲んだら病気が悪化しますから、ちゃんと看病してあげるべきではないでしょうか」
「よし、そうしよう。
「はっ!李傕ココニ!」
董卓パパがパンッと一つ手を叩くと、ババッ!と李傕さんが駆け寄ってきました。
片膝を折り、右手を握って左手で包む
うわ! いたの李さん!?
「李傕の
「え゛っ」
「良い話なので内密に支援するが、当家は表向き無関係であるぞ?」
「
董卓パパの命令に李傕さんが深々と頭を下げました。
なんか李さんの声もどことなく嬉しそうです。
いやいやいや。
待って待って待って。
私は医者じゃないぞーーーー!?
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