第7話 花摘み
巫女ですとお告げを受けてから数年たち、優しい
手足もすらりと伸びて背も割と伸びて、とても健康的に育っています。脂肪はちょっと薄めでしょうか。ついてほしいところには中々ついてくれないもので。
これというのも万が一の董卓一族皆殺しエンドに備え、朝晩に体操など適度な運動をし、ご飯もよく食べているおかげでしょうか。
好き嫌いもあんまりしません。あ、
しかし、ここまで三国志っぽい出来事はあまりありませんね。役者もそろってませんし。
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パカ……、パカ……
秋の穏やかなお日和の中を馬車と従者の群れが進んでいきます。満面の
今日はちゃんと女装……じゃなくて、普通の
お日様もぽかぽか暖かく、のどかで平和ですね……
「あ、でも天高く馬肥える秋ですから、異民族さんが来るのでは?」
ここ数年、毎年秋になると北の騎馬民族……
「鮮卑の
騎乗で護衛に着いて来てくださってる
族長さんが亡くなったんですか。それはご
「おねえさま。おねえさま。むずかしい話はいやなのじゃ」
「
私に話しかけてきたのは姪っ子の
くりくりとしたお目めに色素の薄い髪の毛が陽の光にキラキラ光ります、色も白くて成長したらきっと美人になるでしょう。
「きいてきいて?お歌をうたうのじゃー」
というと董白ちゃんは澄んだ声で歌い始めました。
♪~おねえさまと ばしゃにのるよ
ムクゲみたいに きれいだよ
ばしゃがはしれば シャラシャラいうよ
ほうせきみたいに キラキラするよ
おひめさまみたいに すばらしく
とてもきれいな おねえさま♪
「まぁ、
「えへん、えらいのじゃ」
「偉い偉いー」
ちっちゃな胸を張って威張る白ちゃん、ああ、可愛すぎる結婚して。
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「お嬢様、ついたゾ」
「ありがとう
気が付くと農村地帯を抜けていました。見渡す限りの山際にはいろんな草木が茂って、あちこちに花が咲いています。
そう、今日はお花を摘みにきたのです。とても女の子らしいですね!
「じゃあ二人で行ってくるから、待ってくださいね」
「いや、花を摘むグライ、召使にやらせてハ?あと護衛スル」
李傕さんが着いてこようとします。
む、私たちの
「でえと?」
あ、口に出てました。
「これは女の子の遊びなのです、男はこないでくださいね」
「
「おねえさま、いくのじゃー!」
「うん!」
白ちゃんとおててをつないで、歌いながら花を摘んで回ります。
♪~花を摘みましょ
少し摘みます
花を摘みましょ
少し摘めたよ~♪
♪~花を摘みましょ
少し撫でたよ
花を摘みましょ
少し拾うよ~♪
秋の花である菊がたくさんあるところを見つけて、摘んだり、結んで花飾りにしたりなどして楽しく遊びました。
「おねえさま、ヒツジなのじゃ」
「おや、メーメーさん」
放牧されているんでしょうか、ヒツジの群れが寄ってきました。
「あー、お花を食べちゃだめなのじゃー」
「きゃー」
ヒツジさんに集めた花を見つかって、食べられそうになったのでキャッキャ言いながら逃げ回ります。
……
……ふぅ、楽しかった。
「そろそろ戻りましょうか」
「やだ、もっとあそぶのじゃ」
白ちゃんがくりくりしたお目めをウルウルさせながら抱き着いてきます。
ああ、可愛い……でも可愛いけど迷子になるわけにはいかないので行きましょう。
護衛の人たちに手を振って合図をして、街道に戻ります……あれ?なんか
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「聞こえねえのかぶっ殺すぞ!寄越せってんだ!」
「お願いデス!旦那サマ、やめてクダサイ!」
げげげ、盗賊ですよ!!
※出典:
馬車の歌 詩経 鄭風 「有女同車」
お花摘みの歌 詩経 周南 「芣苢」
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