第4話
山上君、、遅いな……なんかあったのかな……
連絡来てから、一時間以上経った。
早く着く事は何度もあったが、四〇分より遅かった事は一度もない。
まさか、どっかで倒れてる?
何かあった?、、事故⁈??
慌ててスマホを手に取った。
ネットを確認し、テレビもつけてみる。
何もニュース速報はない。
Twitterで最寄駅も検索してみたが、何もない。
ちょっと見に出てみるか……
スマホと鍵だけ持って、外に出た。
“ヤバッ、上着忘れた。さぶっ”
エントランスを出てすぐにスマホが鳴った。
画面には『山上くん』
「もしもし⁈なんかあった⁈⁈どしたの⁈」
「あ……いや……」
何だか歯切れが悪い。
「……あれ、、葵さん、、今、外?」
「あぁ……うん……山上君遅いからどこかで倒れてるのかなって……探しに行こうかと……」
「あぁ……いやそんなすぐ倒れへんよ……」
んっ⁈酔った時にしか出ない関西弁……
「……もしかして、、酔ってる?」
「えっ⁈……あぁ…………実はそやねん……」
「はっ⁈」
信じられない……非常識な……
そうゆう事するタイプ⁈
「…………………普通……連絡するよね……」
「いや……ごめん……急に寄ったから……」
「急にって……酔う前によ‼︎‼︎」
「え?ちゃうよ!酔ったちゃうくて、寄ったや!」
「はぁ?」
何を訳の分からない……
「ねぇ、大喜ー、お湯ためるー?」
――ブチッ――プープープー
女の子……の声……
彼は酔ってる。
お湯、、聞かれてた。
考えられる状況は…………
さっき“酔った”と聞いた時は、噴火しそうだった頭は一気に鎮火した。
“さぶっ”、、急に寒さを感じた。
“…………家………………帰ろ……”
居間のドアを開け、キッチンに準備してある料理を眺めた。
二人分の取り皿にグラス。
後は焼くだけ。盛り付けるだけ。温めるだけ。
すぐに食べれる状態の料理。
しばらく呆然と立ち尽くした。
仕込んだ料理を片付けようとエプロンに手をかけたところで、インターフォンが鳴った。
モニターには意外な人が写っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます