第3話 バレンタイン
誰がこんなイベントを考えたのだろうか…?
いや、バレンタインはまだ良いが、ホワイトデーは意味あるのだろうか…?
彼女とは相変わらず図書室ですれ違う程度で、まともな会話をした事は殆ど無かった。
…未だにわからないが、なぜ彼女が告白してきたのだろうか?
三学期が始まり肌寒い季節だった頃。
ふと、隣のクラスの、これまた話したことも無い女子が私を呼んだ。
ホントあの頃の子供というものは娯楽に飢えているようで、次々に視線が刺さるものだ。
何故に私を見るのだ、勘弁してくれ。
口には出さずともさぞ苦々しい顔をしていたであろう。
まぁ、それは向こうも同じだったようで。私に小包だけを渡して足早に去っていった。
どうやら彼女からの代理のようだった。
このときになってようやっと向こうが私のことを認識しているのだと初めて気がついた。
あまりイベントごとに関心がなかった私はクラスに戻ると友人共が群がってくるではないか。
口々にチョコかチョコかと喧しいので見てないから分からぬとだけ返した。
……仮にチョコならば気温が低い時期とはいえ溶けてしまわないかだけが心配だった。
まて、学校に菓子を持ってくるのはマズいのでは?
家に帰って食べたそれは、なかなかに美味しかったことを記載しておく。
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