第154話
「んー!美味しい!こんなに豪華な食事久しぶりだ!」
ロンが口の中にご飯を詰め込みながらそう言うと…
「ロン汚い!食べるか喋るかにしてよ!」
「悪い…わるい…だって…こんなに…」
ロンが喋りながら頭をフラフラと揺らし出した。
「ロン…どうした…の…」
隣のウールも目をトロンとしている。
「二人共、どうしたの?」
エイトが話しかけると…
ガンッ!
隣のクイーンが豪快に頭から机に倒れ込んだ!
「クイーン!?」
エイトは慌ててクイーンを揺すると…
「くーくー」
「寝てる?」
クイーンは寝息を立てていた。
クラッ…
フラフラと揺れてエイトも無性に眠くなってきた…見ればロンもウールもチャバも食事の皿に頭を突っ込んでいる。
「なにこれ…」
起きなきゃと思うのに目がすごい重さで下がってくる…エイトは抗えずにクイーンの上にドサッと覆いかぶさって寝てしまった…
◆
「じゃあまずは俺が一発でかいのをお見舞する…それを合図に各自配置された所からなだれ込む!城下の人達はなるべく殺さない…でいいな?」
カズキがラルクに確認するとコクっと頷き返された。
「きっと民達にもあの王政に不満を持っている者はいるはずだ…それに無用な殺生はしたくないだろ?」
「ああ…本当は話し合いで済むのが一番なんだけどな…」
カズキが苦笑すると
「その通りだがあの王にはそんな事は通用しないぞ」
「身に染みてわかっている」
カズキが頷くと…キョロキョロと周りを見て首を傾げた。
「ところでフールはどうした?」
「ああ、子供達の様子を見に行ってるよ」
「そうか、じゃあ作戦の確認はこのくらいにして明日の為にもう休むか」
見れば部屋のあちこちで潰れて寝ている者達もいた。
「そうだな、あれ?ダレンは何処に行った?」
見るとダレンも居なくなっている。
「なんか花摘みに行くって出てったけど…帰ってきたかしら?ラネットさんはみた?」
ナナミがいまだに食べ続けているラネットに話しかけると
「知らんな、私はこの飯しか見てない」
そう答えると残りの食事に手を出した。
「まぁ子供でもないし大まかな作戦の話をしている時には居たからな…大丈夫だろ」
「そうね。エイトはどうかしら…クイーンちゃんがちょっと心配だけど」
「エイトとクイーンが一緒なら大丈夫だろ、でも待ちくたびれているかもしれないな…戻るか」
カズキが立ち上がるとナナミが笑ってカズキに続いた。
ラルクに案内されてエイト達が休んでる部屋に行くと…
「あれ?ジャックだけか?」
部屋にはジャックが一人寂しそうに待っていた。
「エイトはどうした?」
カズキに聞かれてジャックは耳を伏せると…
【まだ帰ってきていない…俺はここで待つように言われて…】
「おかしいな…もう時間も遅い、飯なら食べ終わってるよな」
「私、フールさんに聞いてくるわ!」
「待てナナミ、俺も行く」
カズキ達は全員でフールを探しに向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます