元勇者のおじいちゃんに育てられた子供は普通じゃありません

第147話

カズキやエイト達はその日はそこで一晩を過ごすと朝早く移動を始める。

｢さぁ早いところ拠点に着きたいな｣

ラルクが歩き出すと

｢あとどのくらいだ？｣

ラネットが聞いてきた。

｢俺達の足ならまぁ一日走れば着くが…エイトもナナミもクイーンもいるからな…余裕を持っていくならあと二日ってとこかな｣

｢二日か…｣

ラネットがなにか考えていると

｢私はエイト乗せたい…｣

クイーンがラネットの服を掴んで訴える。

｢そうだな…うまい飯も貰ったしいいだろう｣

ラネットが頷くと

｢しょうがない、私達が運んでやろう｣

ラネットが言うと

｢ま、まさか乗せて飛んでくれるのか？｣

ラルクが驚いていると

｢ああ、お前らならいいだろう…クイーンはエイトだけにしておけ｣

｢うん！｣

クイーンは喜んでその事をエイトに教えに言った。

片付けを終えて行く準備をしていたカズキ達にラルクがラネットの提案を話す。

｢いいのか｣

｢ああ、お前らなら構わん｣

ラネットが頷くと

｢だがその姿を見られるのもまずいなぁ…｣

｢いやここから城まではかなりあるから見られることはないだろなるべく人の通らない場所を飛べば大丈夫じゃないか？｣

ラルクの言葉に渋々頷くと

｢じゃあ拠点までの半分まで頼む、そこから走れば今日中には着くかもしれん｣

クイーンとラネットは頷くとその姿をドラゴンに変えた。

【エイトは私に乗ってね】

｢うん！｣

エイトは喜んでクイーンの上に乗るとそれをジャックが見つめている。

【まぁ…ジャックもしょうがないなぁこっちに乗って】

クイーンが頷くと

｢ありがとう！｣

飛び跳ねてエイトのそばに座った。

｢あっちは大丈夫そうだな、じゃあラネット頼む｣

カズキ達は大きなラネットの背中に乗り込むと

｢こりゃ何処に捕まってりゃいいんだ！｣

ラルクが手のやり場に困っていると

【鱗を掴め、そうそう剥がれることはない】

カズキはナナミの腰をしっかりと掴んで反対の手で鱗を掴んた。

ナナミはカズキから離れないようにカズキに抱きつくと

【じゃあ行くぞ…山の上や湖…森の上を低めに通っていくそれなら見つかることが少ないからな】

｢さすがドラゴンだな空のことをわかってる｣

カズキはそこはラネットに任せることにした。

【クイーン行くぞ、しっかりとついてくるんだ】

【はい！】

ラネットが飛び立つとその後を追うようにクイーンと羽ばたいて飛び立った。

最初に空を飛んだ時とは大違いで気持ちがいい！

エイトはジャックをしっかりと抱きしめながら空の旅を楽しんだ。