第142話
「じゃあカズキ達はご飯の用意しておいて、私はラネットさん達に服を用意して来るわ」
ナナミがいつも通りになるとカズキはほっとして頷いた。
「えっと…クイーンちゃんだったわね?あなたもおいで」
ナナミが手招きすると
「あれ?なんか優しい人になってる…」
クイーンがナナミをみて首を傾げる。
「だからナナミは優しいって言ったでしょ?」
「う、うん…」
クイーンはなんだかモヤモヤしながら頷くと
「行ってこいよ、ここはエイトには俺がいるから」
ジャックがふんと鼻を鳴らす。
「むかっ!」
クイーンがジャックに飛びかかろうとすると
「クイーン」
母に呼ばれて悔しそうにしながら母とナナミの元に歩いて行った…
「あなたがクイーンちゃんね。よろしくね、あなたもラネットさんと一緒でドラゴンさんなの?」
「うん…エイトと契約して伴侶になったの…いい?」
ナナミ聞くと
「エイトが決めたんでしょ?なら私は二人を応援するわ。でもまだ二人とも子供だからしばらくは親の言う事を聞くのよ」
「わかった」
コクッと頷く。
「いい子ね、エイトが選んだならきっと優しい子なのね」
ナナミは微笑むと二人を木の影へと連れて行く。
収納から服を出して並べると…
「ラネットさんは…胸が大きいわね、こっちのボタンだと無理だから…これがいいかしら」
胸が大きい開いた服を取り出すと
「私にはちょっと無理だったからラネットさんにはいいかも…」
着てみてと服を差し出すと…
「クイーンちゃんにはちょっと大きい服しか無いわね…このシャツを被せて腰に紐を巻けば…ワンピースになるかしら…」
クイーンに自分のシャツを被せると…
「あら?後ろに何かあるのかしら?」
クイーンのおしり辺りを見ると何か違和感を感じる。
「ああ、クイーンはまだ上手く人型になれなくてな、尻尾があるんだ、私の魔法で見えなくしてあるが…」
「あらそうなの?なら尚更スカートの方がいいわね」
ナナミがニコッと笑うと
「尻尾あっても…エイト嫌じゃないかな?」
クイーンは母とナナミの尻尾のない姿をみて不安になるって聞いてみると
「ふふ…エイトはそんな事でクイーンちゃんを嫌いにならないと思うわ。クイーンちゃんはどう思う?」
「うん…エイトは尻尾触ってくれた…少しくすぐったくて恥ずかしかったけど…」
モジモジと話すと、ナナミが突然ガバッと抱きついてきた!
「可愛い!クイーンちゃん可愛いわ~!ごめんね。まだエイトにはそう言うのはちょっと難しいのかも、今度教えておくからね」
「大丈夫…エイトにされるならなんでも嬉しい…」
クイーンが頬を染めて笑うと
「クイーンちゃん…魔性ね…クイーンちゃんにも色々と教えていかないと…」
突然できた娘がナナミは可愛いくてしょうがなかった。
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