第140話
カズキ達は一度ナナミ達の所へと戻ると、なかなか帰ってこないエイトを心配してジャックが近くまで迎えに来ていた。
「あっ!ジャック!」
エイトはジャックに気が付き走り寄ると、ジャックが尻尾を振りながらエイトに駆け寄った。
「遅いから心配したぞ!」
ジャックはエイトに怪我など無いか確認しながら匂いを嗅いでいると
「ちょっと…この犬何…」
クイーンがジャックを睨みつける。
「ん?お前こそ…誰だ…」
妙な匂いの女をジャックは睨みつける!
「私はエイトの…#ゴニョニョ__お嫁さん__#…よ!」
一部声が小さくなると
「は?何を言ってる」
ジャックが信じられないものを見るようにクイーンを見つめる。
「お前…人ではないだろう、そんなやつがエイトの伴侶だと?ふざけるな!俺は認めない!」
ジャックが威嚇するようにクイーンに唸る。
「別にあなたに認めて貰う必要なんてない、私はエイトと居られればいいんだから」
クイーンがふふっと鼻で笑うと
「えっ?ジャックも大切な家族なんだ…仲良く出来ない?」
エイトは悲しそうに二人を見つめた…
「ジャックもそんな酷いこと言わないで…二人が喧嘩してるの…僕…」
エイトが言葉を詰まらせると
「エ、エイト!大丈夫私この犬とも仲良く出来るわ」
クイーンは慌てて頷く。
「エイトがそう言うなら…認めはしないが…まぁとりあえずは仲間として側にいよう」
ジャックが渋々頷くと
「この…生意気な犬ね…」
クイーンがジロっとジャックを睨む。
「お互い様だろ…」
ジャックも負けじとクイーンを睨んだ。
「本当に!?良かった、二人が仲良しだと僕も嬉しい!ずっと一緒にいようね!」
エイトが二人に抱きつくと、クイーンもジャックも尻尾を振るのを抑えられなかった。
「子供はいいな、すぐに仲良くなれて」
ラネットが笑ってクイーン達の様子を遠巻きに見ていると
「あれ見てよくそんな事が言えるな…俺はこの先が不安だ…エイトが苦労しそうで…」
カズキがため息をつくと
「そうか?私にはあんなに楽しそうにしているあの子を見るのは初めてだ…」
そう言って優しい眼差しでクイーンを見つめる。
「まぁ…君らがそう思うのなら、そうなのかもしれない。エイトもジャックもいい子だ、きっとこれから仲良く…なるよな」
エイトの見えないとこでグルグルと牙をむき出しにするクイーンとジャックに苦笑した。
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