第134話
「よし、じゃあこの岩をぶっ壊すぞ!本当に大丈夫なんだろうな!」
【うん!ボクの本気見せるから…】
ドラゴンはそういうとエイトの顔に近づくとその口に自分の口を当てた…
「「えっ?」」
突然の事にエイトとカズキが唖然とすると…
【この子と契りを交わしたよ。コレでボクの命はこの子の物だよ。もしママが人を襲う事があったらこの命で止めるから!】
「えー!だ、だめだよ!僕そんなこと出来ないよ!」
慌てふためくエイトにカズキが駆け寄ると落ち着かせて話を聞く。
「ドラゴンさん僕とちぎり?を交わしたって…ドラゴンさんのママが襲ったら自分の命を差し出すって言ってるの…」
「な、そこまで…」
【当たり前だよ。信用してもらうにはこの命しかかけるものないもん】
「馬鹿野郎…親の為に子が命をかけるほど辛いことはないぞ…」
カズキはドラゴンを見つめた。
【早くママを助けて…】
お願いとカズキ達を見つめる。
「じいちゃん…」
エイトにも見つめられてカズキは仕方なく腰をあげると…
「この親不孝もんが!」
カズキは怒りを込めてドラゴンに大きかぶさっていた岩を殴りつけた!
ビクともしなかった岩に亀裂が入ると…衝撃で親ドラゴンが目を覚ました!
「ギャー!!」
岩に纏っていた魔力が消えるとドラゴンは翼を広げた!
ガラガラと岩が砕けるとようやくその体か自由になる!
わけがわからず体を伸ばすと…
「キュー!」
足元で可愛い我が子の鳴き声が聞こえた!
見下ろすと少し成長した我が子が嬉しそうに涙を流してママ、ママと叫んでいる。
ああ、無事でよかった…
子供に顔を擦り寄らせようとすると…何かの気配に気がついた…
子を守るように迎え立つと、目の前には尋常ではない魔力を持った男と小さな子供が立っていた…
【人間!!】
ここに来た経緯を思い出すと憎しみが湧き上がる!
噛み殺してやろうかと襲いかかろうとすると…
【だめ~!】
信じられない光景に親ドラゴンの足が止まった…可愛い我が子が人間を庇って自分の前に立ち塞がったのだ。
【何してる!こちらに来なさい!それは人間だ】
声をかけると
【わかってるよ、ママ!この人達が助けてくれたんだよ!】
【そんなわけない…はっ!まさか魔石で我が子を操って…】
母ドラゴンは怒りでギシギシと歯を鳴らす…
【ち、違うよ!ボク操られてなんてないよ!ほら、この子と契りを交わしたの!ボク伴侶をこの子に決めたの!】
【なに!!】
母ドラゴンは衝撃な告白に力が抜けてしまった…
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