第133話
「じいちゃん!このドラゴンさん国王に酷い事されたんだって!」
エイトはすぐにカズキにドラゴンの言葉を伝えると…
「そりゃどういう事だ…おい詳しく話せ!場合によっては助けてやる」
カズキがドラゴンを見つめると…
【ボクが話すのはお前にじゃない…】
ドラゴンはプイッとそっぽを向くとエイトのそばに寄る。
【あいつ…怖いから嫌いだ…】
大きな体をエイトで隠すようにカズキを睨みつける。
「じいちゃんは怖くないよ。とっても優しいの…それに君のママを助けられるのもじいちゃんだけだよ」
エイトは優しくドラゴンを撫でてやると
【わかった…じゃあ話す…】
ドラゴンはボソボソと話し出した。
エイトはドラゴンの話を頑張ってカズキに伝えると…
「なるほど…あの腐れ国王そんなことまで…」
カズキはため息をつく…
ドラゴンの話によると、あの国王は魔石の力を使って魔物を操り兵力にしようと目論んでいるようだった。
ドラゴンも同じ様に操られそうになったが抵抗すると連れていた子ドラゴンを利用されそうになり暴れてどうにかここまで逃げて来たようだ…
【でもママ、ボクを守る為に思いっきり戦え無くて…】
ドラゴンがシュンと肩を落とす。
「ドラゴンさんはどうしたの?」
【ママがボクを遠くに放り投げてくれて…そのときにママはここに閉じ込められちゃったみたい…】
「じゃあ僕達が会った時は投げ出された後だったんだ」
【うん、ボクまだ小さくてちゃんと羽が出来てなかったから飛べなくて…落ちちゃったんだ】
「それでご飯食べて大きくなれたんだね」
【うん、君のご飯すごく美味しかった…ずっとママみたいに優しく見つめてくれたから…君なら助けてくれるんじゃないかと思って…】
「僕も助けてあげたいけど…すごいのはじいちゃんなんだよ、僕の憧れの人なの!」
エイトがじいちゃんを見つめると、カズキは憧れの人と言ってもらい嬉しそうに笑っている。
「そうか~憧れか~ならまだまだ頑張らないとな!」
「じゃあ助けてあげられる!?」
【!!】
エイトとドラゴンが期待を込めた瞳でカズキを見ると
「それにはそこのドラゴンが助かった時に無差別に人を襲わないと誓えるならだ」
【大丈夫!ママは人なんか襲わないよ!今までだって人がいない所で暮らしてたんだもん!】
「だって!」
エイトが言うと…
「その母親って奴にちゃんと言ってくれよ…子を殺されかけた親ってのは怖いんだからな…」
カズキは可愛い顔で見つめてくる子供達にため息をついた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます