第130話
「いだっ!」
カズキはドラゴンの握力に体がミシッと音をたてた。
ドラゴンはカズキを空で一度キャッチすると…ポンッ
地面に放り投げた。
「なんだよ!」
カズキは再び落ちるが難なく地面に着地すると、すぐにドラゴンの位置を確認する。
見ると警戒するようにもう空に上がっていってしまっていた…
「あの野郎…結構頭いいな…」
ドラゴンはカズキが致命傷を与えられる攻撃のギリギリ範囲外でこちらの様子を伺っていた…
「なんなんだ…エイトに危害をくわえる気は…ねぇのか?」
ジロっと睨みをきかせ、いつ移動してもついていけるように待っていると…ドラゴンがゆっくりと下に降りてきた…
「じいちゃん!」
エイトがドラゴンの上からおーいと手を振っているのが確認できると、カズキはほっと肩の力を抜いてエイトに手を振り返す。
「エイト!大丈夫か!?」
「うん!ドラゴンさんなんか乗せてくれようと思ったみたいだよ!」
「本当か?エイトを攫おうとしたんじゃないのか?」
カズキが睨むと…順調に降りてきていたドラゴンが向きを変えて離れて行った…
「あ!待て!」
カズキが慌てると
「大丈夫、じいちゃんは優しいよ。無闇に傷つけたりしないから…」
エイトはポンポンとドラゴンの首を優しく撫でると…ドラゴンはカズキから少し離れた場所に降り立った…
「エイトー!」
カズキはドラゴンから降りてきたエイトを抱きしめる。
「じいちゃん…苦し…」
エイトがじいちゃんの胸板に押しつぶされていると…
「ギャウ!」
ドラゴンがカズキの頭をゴンと尻尾で叩きつける。
「いた!」
ドラゴンに叩かれてカズキは力を緩めると…
「すまんエイト、大丈夫か?」
「うん、このドラゴンさんなんか乗せてくれようと思ったみたいだね。僕らが飛べないって言ったから飛べるって教えてくれたのかも」
「ドラゴンがか?」
カズキがドラゴンを見るとバシッバシッ!と地面に尻尾を打ちつけていた。
まるでエイトの言葉を肯定するように…
「ほら、ドラゴンさんもそうだって…」
「うーん…本当にそう言ってそうで怖いな…まさかドラゴンが人と交流できるのか?」
カズキがドラゴンに近づこうとすると…
「ギャー!」
触らせないとドラゴンが牙を向く!
「大丈夫!怖くないよ!」
エイトが近づくとドラゴンはエイトに擦り寄りゴロゴロと喉を鳴らしている。
「猫かよ…」
エイトに甘えるドラゴンを呆れるように見つめた。
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