第129話

見ると肉をどんどん食べてドラゴンはカズキも乗せられるほど大きくなっていた…


「あのドラゴン…食べた分だけ成長するのかも知れん」


カズキが見下ろしていると…ドラゴンは置いてあった肉を全て食べ終えて満足してのかゲフッ!と息を吐くとようやく落ち着いたようだ。


「あっ満足したみたい!」


エイトが声をあげると、ドラゴンが上に視線を向けた…


「エイト…」


カズキがエイトを下がらせようとすると…ドラゴンが翼を大きく開いた!


次の瞬間羽ばたくと周りの木々が一瞬でなぎ倒されてドラゴンは空に羽ばたいた!


「エイト!」


空に行く途中にエイトをがっしりと足で掴みながら…


カズキはドラゴンを切り落とそうと剣を構えるがもう既に凄い高さに上がっている。


「あの野郎…」


カズキが殺気を放つと


「ギャー!!」


ドラゴンはカズキからさらに離れて行った!


「逃がすか!」


カズキはすぐさまドラゴンを追いかけた!


「わー!!」


エイトはドラゴンの足に捕まったまま凄い速さで空を移動していた。


「ドラゴンさーん!下ろしてー」


声をかけると、ドラゴンがチラッとエイトを見るとポーンとエイトをほおり投げた…


「あっ…」


エイトは空の上で空中に投げ出されてしまった…


「エイトー!」


ドラゴンを追いかけていたカズキがその様子に下で叫び声をあげる!


あ、じいちゃんだ…


エイトはスローモーションのように世界が回っているのを見ていると…その端にカズキの姿を捉える。


じいちゃんとナナミに拾って貰ってから楽しい事ばっかりだったな…


これからもじいちゃん達と楽しい事いっぱいしたかったな…


エイトはじいちゃんと目が合うと自然と笑顔を返した…


「エイトー!」


カズキはエイトに向かって全力で飛び上がった!


俺ならあそこまで飛べる!


カズキはエイトを絶対に助ける!と腕を伸ばすが…


ヒョイ…


エイトはドラゴンの上に無事に着地した…


「「はっ?」」


エイトはストンとドラゴンの体の上に座り込むとじいちゃんと目があった…じいちゃんは自分に手を伸ばしながらそのまま下へと落ちていく…


「じいちゃーん!ド、ドラゴンさん!じいちゃんも乗せてくれない!」


エイトが唖然と落ちていくじいちゃんを見ながらドラゴンに必死に叫ぶと、ドラゴンはカズキの元に急降下してガシッと足で捕まえた。

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