第122話

ラルクの案内で拠点の町に向かう事になった、カズキやラルク、ダレンはもちろん走って向かい。


エイトとナナミはジャックに運んで貰うことになったが…


「僕はじいちゃん達と走るよ!」


「私もジャックに乗るのはちょっと…どう見てもジャックの方が小さいもの…」


ナナミが難色を示す。


「走るのは苦手だけど頑張るわ」


ナナミが笑うと


「ナナミぐらい平気だぞ」


ジャックがナナミのそばに来てその手をペロッと舐めると笑って頭を撫でる。


「ジャックなら運んでくれるのはわかるけど…ほら見た目がいたたまれないのよ。気持ちだけ受け取るわ」


ナナミが優しく笑いかけると


「じゃあナナミは俺が運ぶか」


カズキがナナミのそばに来るとヒョイっと抱き上げた。


ナナミの背と足を支えて前で抱き上げる…まさにお姫様抱っこだ、ナナミは顔を赤くして恥ずかしがると…


「下ろして、自分で走れるわ」


「大丈夫、この方が早いし」


カズキは気にした様子もなくナナミをグッと持ち直し自分にピッタリとくっ付けると


「しっかりと捕まってろよ」


カズキがナナミを見下ろす。


「きゃあ!素敵!」


「お前ら…それ見ながら俺達は走るのかよ」


ダレンは顔を輝かせて二人を見るが、ラルクは砂糖を吐きそうな顔をして目をそらす。


「ほ、ほらカズキみんなが見てるからやめましょ」


ナナミがグイッとカズキの体から降りようとする。


「あれ、ナナミ降りちゃうの?じゃあ僕がおんぶしようか!?」


二人の様子をじっと見ていたエイトが笑いかけると


「エイトには無理よ、もう少し大きくなったらお願いするわ」


ナナミがありがとうと笑うと


「なら私がおんぶしましょうか?」


ダレンが手を差し出すと


「駄目だ!」


カズキが渡す気はないとナナミを下ろそうとしない。


「ちょ、ちょっとカズキ…」


「じゃあじいちゃんが運ぶのが一番だね!いつも運んでるから平気だよ!」


エイトが笑いながら言うと


「へぇ…いつも運んでるんだ」


「それは、野暮なことをしちゃったわね。大丈夫二人の事は空気と思うから思う存分イチャイチャして」


ダレンが気を使って二人から視線をそらすと


「そ、そんな事しないわ!エイト!そんないつもじゃ無いわよね」


「えー?だってナナミが寝ちゃうとじいちゃんがいつもベッドに運んでるよ?じいちゃんはそれが楽しみだって言ってた」


「「エイト!」」


カズキとナナミに怒鳴られエイトがビクッと肩を震わせると…


「ご、ごめんなさい…」


エイトがしゅんと顔を下げると


「あーあ!自分らが恥ずかしからって子供にあたるなよ。エイトが可哀想だろ」


ラルクがエイトの肩を掴んで慰めると


「違うんだエイト、その…なんだ、やはり恥ずかしくてな…」


カズキが申し訳なさそうに謝ると


「エイト、ごめんね怒鳴って…」


ナナミがおいでと手を広げると、エイトはおずおずとナナミに近づいた…

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