第111話
「ナナミさん!いえ!ナナミ様!」
ダレンは急いで戻ってくるとナナミの元に駆けつける!
「あら、もう帰ってきたの?早かったわね」
ナナミが帰ってきた一行に笑いかけると…
「ナナミ様!カズキさんから聞きました!そのお年でその美貌!けしょう品なる物でその肌をキープしてると聞きました!私にも教えて…」
「ストップ…」
ダレンが早口でまくし立てているとナナミがダレンの顎を掴んで話を止める。
「そのお年って…誰に聞いたのかしら…」
ニッコリ笑ってダレンを見つめると…
「あっ!違うぞ俺は自分の歳を聞かれて…」
カズキがしまったと顔をそらす。
「カズキ、後でお話しましょうね…」
ナナミが笑いかけると
「は、はい!」
カズキが姿勢を正す!
「ダレンさんも…ちょっと落ち着いて下さい。エイトが驚くわ」
「あっ…ごめんなさい。でも私そのあなたのその美しさに興味があって…私もその教えて欲しいと思って…」
ダレンさんが立ち上がってナナミに頭を下げる。
「でも失礼だったわね…女性にこんな事を聞くのは…」
ダレンさんが残念そうに眉を下げると
「忘れてちょうだい」
軽く笑った。
ナナミがダレンの様子に戸惑うと
「なんでナナミもダレンさんもそんな顔するの?ナナミも綺麗、ダレンさんも綺麗。二人で綺麗になる話をしたいって事じゃないの?」
話を後ろで聞いていたエイトが首を傾げると
「そうだけど…私はほら…男だから…」
ダレンさんが答えると
「えっ?男だと綺麗は駄目なの?ダレンさんが綺麗なの素敵なのに…」
エイトがよく分からないと顔をしかめると
「そうよね…ダレンさんごめんさい。私ダレンが綺麗で若いから…ついね。男とかは関係ないわそんな人たくさんいるもの!それよりもその若さは羨ましいわ…」
ナナミがフーっとため息をつく。
「そんな事無いわ!私が今まで会った人の中であなたほどの人はいなかったわ!是非とも美について語り合いたいわ!」
「ふふ…それは楽しそうね。私もそういう事を話せる人はいなかったから…食事の後にでも良かったら話しましょ」
「是非お願いします!」
ダレンがナナミの手を掴むと…
タシっ!
カズキがダレンの手を叩き落とす。
「ナナミ、一応男だぞ…気をつけろ」
カズキがジロっとダレンを見ると
「あら、それはないから心配しないで。私が好きなのは男の人だから…どちらかと言うとカズキさんやラルクちゃんの方が好みだわ」
「カズキは駄目よ!」
ナナミがカズキの腕を組むで引き寄せると
「わかってるわ、ただそっちの方が好みってだけよ。それにエイトちゃんも可愛くて好きだし」
「えっ?僕?」
エイトが自分を指さすと
「僕もダレンさん好きだよ」
ニコッとさわやかに笑うと
「ああ…本当にあと十歳上なら…」
ダレンは残念そうに呟いた。
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