第106話

ダレンはドブの様な見た目のお茶を渡されると…


「わ、私は大丈夫だから…あなたにこれをあげるわ」


ラルクへとドリンクを差し出すと


「みんなの分あるから大丈夫だよ。ダレンさんも沢山魔法使って疲れたでしょ?これ飲めばすぐに回復するよ」


「こ、これが…」


その前に天に召されたりしないかしら…


人の飲み物とは思えない色に躊躇していると


「あれ…もしかしてみんな嫌だった…」


エイトはしゅんと肩を落とすと


「おまえ!エイトがせっかく作ってくれたんだ飲めよ!」


ジャックがグルグル唸りながらダレンを睨んでいると


「ジャックの分もあるよ…」


チラッとジャックのお皿を見せる。


「そ、そうか…よし!俺は飲むぞ、エイトが作ったもんで不味いものは無かったもんな」


ジャックは覚悟を決めてペロッと舌で舐めてみる。


「ん?思ったよりサラッと飲めるな…」


ジャックがペロペロと飲み出すと、それを見ていたダレン達も覚悟を決めて一気に飲み干してみる。


少し青臭さはあるが見た目程の不味さはない、しかも飲んだ途端に体の疲れが取れた気がする。


「これ…凄いな」


ラルクが驚いてエナジードリンクを見ると


「入ってるのは薬草だけじゃないけどね、じいちゃんが考えたみたいだよ。あんまり知らない人の前で作らないように言われてたけど…師匠とダレンさんなら大丈夫だよね」


「確かに…これは薬草より売れそうだ。あまり作るところを見られない方がいいな」


ラルクも頷くと


「お前も黙ってろよ」


ダレンを見つめる。


「わかってるわよ!でもエイトちゃんももっと気をつけなさい、私みたいな人の前で作ったら本当に駄目よ」


めっ!とエイトを怒ると


「えー?ダレンさんなら大丈夫でしょ?そうやって注意してくれるって事は…僕信じてるよ」


エイトの曇りない眼に見つめられ…ダレンは苦笑するしかなかった。


エイトのエナジードリンクのおかげで体力が回復すると…倒した大量の魔物達を処分する。


「もったいなけど収納できないもんね」


「そのままにしておけばまた瘴気でも発生しそうだからな、こういうものは焼くに限る」


一箇所に山済みにして火を放つと


「おお、よく燃える!」


「なんか…美味そうな匂いもするな…」


ジャックが燃える魔物を見ながらヨダレを垂らすと


「帰ったらナナミともっと美味しく料理するからね。ここのは諦めてよ」


ジャックに笑いかける。


「蛇の魔物を少し村に置いてったらカズキ達のところに帰ろう」


ラルクの言葉にエイトは嬉しそうしていた。

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