第105話
「あなたはなんでエイトちゃんといるの?見たところ珍しい魔物よね~なんか普通に喋ってるし」
ダレンが薬草を探しながらジャックに声をかけると
「おしゃべりはいいから早く薬草を見つけろ」
ジャックはクンクンと地面に鼻をつけて薬草を探す。
「あっ!わんちゃんあそこにあるわよ」
ダレンが指さすと
「どこだ!」
ジャックがバッとかけると…
「ほら、あそこのもそうじゃない」
ダレンが次々に薬草の場所を指示する。
「おい…お前採る気ないだろ…」
口いっぱいに咥えた薬草を地面に置くとジャックがジロっと睨みつける。
「あはっバレた?だって~草なんて掴んだら汚れちゃうじゃない?」
「お前…その為に俺を連れてきたな…」
ジャックが悔しそうにすると
「あら、でもわんちゃんはエイトちゃんに薬草をあげられるしいいじゃない」
ダレンがパチッとウインクすると
「これはお前が見つけたもんだろ…お前がエイトにやれ」
ジャックは鼻でクイッと薬草をダレンの方へと押しやる。
「わんちゃんはそれでいいの?」
「俺は自分でお前よりも見つけてやる。お前だってエイトの感謝を受けたいんだろ」
ジャックは鼻をひくつかせながら森の奥へと進んでいく。
「飼い主に似て真面目ね~」
ダレンは仕方なさそうに薬草を拾い上げた。
ジャックも無事に薬草を見つけると急いでエイトの元に戻ってくる。
「エイト!薬草を採ってきたぞ。ラルク薬にしてエイトに塗ってくれ」
「あら、わんちゃん私が作ってあげてもいいわよ」
「……ラルク頼む」
ジャックはチラッとダレンを見るとラルクの前に薬草を置く。
ラルクは苦笑しながら薬草を潰してエイトの手に塗り込んでやると…
「ありがとう!ジャック、師匠。それにダレンさんも」
エイトが笑いかけると
「あら、私は何もしてないけど」
「でもその後ろの薬草でしょ?それぼくが薬にしてもいいかな?」
「これ?どうぞ~」
ダレンは自分が採ってきた薬草をエイトに渡すと…
「鍋、鍋…あっそうだカバンの中なんだった」
エイトがガックリしていると
「なぁに?鍋が欲しいの?」
「エイト、俺のを使っていいぞ」
ラルクが鍋を取り出すと、エイトは受け取って火をおこす。
水を入れて薬草を入れて煮出した、それを不思議そうにラルクとダレンが見つめる。
「薬草でもう一つ作れる物があるんだ」
エイトは鼻歌を歌うように鍋を混ぜている。
「何してるんだ?」
「これを煎じて飲むとちょっと体の調子が良くなるんだって。じいちゃんが教えてくれたの」
「カズキが?」
ラルクが興味深そうに覗き込む…鍋の液体はどす黒い緑色になると…
「これを飲むのか…」
嫌そうに顔をしかめる。
「見た目はあんまり良くないけど疲れてる時に飲むといいんだって…えっと…エナジードリンクって言ってたかな」
「エナジードリンク…」
エイトはみんなにエナジードリンクを配ると
「熱いから少し冷ましてね」
首をかしげながらにっこりと笑った。
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