第103話

エイトが魔石に剣を突き刺すと…


ガキン!


魔石は少し欠けただけでいまだ黒いモヤを出している!


「固ーい!」


エイトは手が痺れる。


「大丈夫かエイト!」


ジャックが魔物の相手をしながら声をかけてくる。


「大丈夫だけど固くて魔石を壊せない」


「なに!エイトでは腕力が足りなかったか…」


ラルクが顔を顰める、エイトに近づいてやりたいが魔物の数にその場を動く事が出来ない。


「エイト、どうにか頑張って壊してくれ」


「エイトちゃん!頑張って!」


エイトは苦戦していみんなの為にガンガンと魔石に剣を突き刺す!


「グッ…」


カラン…


手が痺れ、剣を落としてしまう。


手のひらを見るとプルプルと震え皮が剥けていた…


「手が…」


剣を再び拾おうとするが力が入らず上手く握れない…そうこうしてる間にジャック達の苦戦している声が聞こえてくる…


「みんなが…じいちゃん…どうしよう、僕役にもたてない」


じいちゃんのカバンをギュッと掴むと…


「ん?カバン…」


エイトは魔石が置いてある地面を土ごと掘り起こすとそのままカバンに収納する。


すると魔石は消えて辺りに広がっていた黒いモヤがサァーっと消えた。


「お!魔物が増えなくなったぞ!」


「後はいる奴らだけ殺れば終わりね」


ラルク達は残った魔物を片付け出した。


「ジャック、ごめん!」


エイトも再びジャックのそばにいき一緒に魔物を倒していくと


「エイト、大丈夫か?なんか力が入ってないぞ」


いつもなら一発で落とせる相手にエイトは何度も斬りつけている。


「ご、ごめん…手に力が入らなくて、魔石を壊すのに手間取ったから」


「お前…」


見るとエイトの剣から血が滴っている。


「それは魔物の血じゃ無いよな!お前その手どうなってる」


「だ、大丈夫!ちょっと怪我しただけだよ、ちゃんと戦えるよ!ほら、ジャック前見て!」


エイトも心配だが今は目の前の魔物に集中した。


ボロボロになりながらどうにか魔物たちを殲滅すると…


「疲れた…」


「もう駄目よ」


「ふぅ…」


みんな力尽きドサッと座り込む。


「エイト、大丈夫か?」


ラルクが寝っ転がっているエイトに声をかけると


「だ、大丈夫…疲れたけど…」


「もう魔物はそばにいないからここで一晩休もう、みんなおつかれさん」


「本当に疲れたわ~久しぶりよこんなに必死になったのわ」


ダレンがプンプンと文句を言うと


「お前がいて助かったよ」


ラルクが苦笑すると


「あら、お礼なら体で払ってね」


ダレンがパチッとウインクすると


「ふざけんな!」


ラルクはエイトのそばへと逃げていった。

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