第4話 そうして。
結局、僕は昼近くまで姫香の家で過ごした。幸い今日は休みだったし、家に待ち人がいるわけでもない。時間が惜しいとは思えなかった。
姫香はえらく僕を気に入ってくれたようで
「基本的に他人には触らせないんだよ?」
と言いながら、尻尾まで触らせてくれた。それは、ふわふわでもふもふで、僕が膝に乗せるのにちょうどいいくらいのサイズで、最高の触り心地だった。
彼女はずっと上機嫌だった。もしかしたらまだ酒が残っているんじゃないかと僕は疑ったが、そうではないのだと言う。
ヒメは猫の姿で僕の前にごろんと寝転ぶと、撫でろと言わんばかりにあごを乗せてくる。あごの下を掻いてやると、ごろごろ喉を鳴らし、尻尾をぱたんぱたんと揺らす。どうやらこれが気に入ったらしい。
それじゃ、やたらと大きいだけの猫だなぁ。と僕は思いながら、ヒメの長くてふわふわな毛に手を潜らせていた。
これが、僕とヒメの出会い。
こんなに長い付き合いになるなんて、当時の僕は夢にも思っていなかった。
その日ひろったのは化け猫でした。 そらいろ @colorOFsky
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