第2話 出会い

 仕事の帰りだった。

 仕事場から駅へ向かう道の途中で、拾ったのだ。まるで猫のように道端に丸まって眠っていた少女を。まるで警戒していないのか、彼女はすやすやと眠っていた。不思議とそれは自然な光景に見えた。

 いつもなら間違いなく無視して通り過ぎるのに、何を思ったか、僕は少女に声をかけたのだ。


「ちょっと! ねぇ、キミ。こんなところで寝ていたら風邪ひくよ?」


「ぅにゃぁ?」

 少女はおかしな反応をして、ごろごろと喉を鳴らす。完全に寝ぼけていた。


「とりあえず起きなって!」

 僕は彼女の肩をつかんで思い切り揺らそうとしたが、寝ぼけた少女はその腕を器用に抱え込んでしまった。それは困る。

 僕は彼女の傍らに座りこんで、逆の手で肩を揺らした。とにかく起こさないと。


「キミ、家はどこ?」

 僕の腕に寄りかかったまま、寝ぼけ眼の少女はよろよろ歩き出した。ほのかに酒の匂いがする。酔っているのだろうか。

 そのまま、僕は彼女の家に連れ込まれたのだった。

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